瓜割の滝 春 ①

 

名水百選に選ばれているこの瓜割の滝は

滝口にまで歩いてゆくと

滝にばかり目をとられるが

もとよりすべて湧水からなる

 

阿蘇や御嶽などの火山地帯 あるいは石灰岩地帯などには

これ以上の水量を誇る湧水はあるかと思うが

ここはまったく普通の地質のよくある山の谷筋である

 

画像でもわかるとおり、滝のすぐ下の川底には岩が見られるので

広い範囲の岩盤があって 谷筋の雨水がここから湧き出てくるのかと思うが

かなりの水量で 一年中増減もない

 

なににせよ

滝口には 小さな祠が祀ってある(ほこらがまつってある)

 

ここより少し西の小浜寄りに行ったところの川筋に

鵜の瀬(うのせ) がある

奈良の東大寺のお水取りで有名なところだが

ここも川底からの湧水であるという違いはあるが

かなりの水量の水が湧き出してきている

 

共通点があるのかもしれない

 

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www.youtube.com

 

弥生

 

フキノトウやツクシ、もちろんスプリングエフェメラルも一週間から十日、雪に埋もれているものは半月ほど遅れているように感じる。

ただ、いろいろな人間社会の都合に関わらず、やはり季節は巡ってきてくれる。

いよいよ、毎週どころか、日々の変化が忙しいほどの春が訪れる。

 

ハンノキ(カバノキ科)

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キンキマメザクラ(バラ科

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フキ(キク科)

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オオイヌノフグリ(オオバコ科)

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ザゼンソウサトイモ科)

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春の湖面
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伊吹山麓 早春

 

あまりにも降雪の多かった今年

早春に開花する花々もずいぶんと例年より遅れている

里にはほとんど雪が見られなくなってきたが

山麓や谷沿いにはまだまだ雪が残っている

 

ただ、木々も芽吹かず、山肌は白いままの山麓

川の流れの勢いや、谷間に指す光の色は

やはり春が巡ってきたことを教えてくれる

 

あるドキュメンタリーで豪雪地方の農家の方が

「難儀すると・・・(冬の積雪のことだが)

 芽吹きの時

 それはもう素晴らしいものなんです」

と言っておられた。

 

ようやく ようやく

早春の花々が咲き出した

 

 

セツブンソウ(キンポウゲ科

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雪が溶け 芽吹き出したばかりのセツブンソウ

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今年はこの時期になってもまだまだ雪に覆われたままの生育地も多い

ちょうど高山帯の雪田と同じで、開花期間を長く引き延ばしている

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なお、姉川の川底が白っぽく見えるのは石灰岩が多いためで

また、川面を飛び去ってゆく鳥は カワウ かと思う

 

キンポウゲ科

 

例年になく多雪になった今年は、琵琶湖岸や河川沿い以外にはまだまだ圧雪が残っていて、早春の花々の開花も、いつもより遅れるだろう。

残念ながら、三月に入ってもまだ Memories  に頼らざるを得ない。

 

 

毎年まだ新緑も見られぬ頃から真っ先に開花するセツブンソウやフクジュソウは、キンポウゲ科の植物に属する。

 

フクジュソウキンポウゲ科

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さらにキクザキイチゲイチリンソウニリンソウ、オウレンの仲間などスプリングエフェメラルと呼ばれるものだけでも数多くのキンポウゲ科の花々が早春に咲き出す。

 

セツブンソウ(キンポウゲ科

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イチリンソウキンポウゲ科

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ニリンソウキンポウゲ科

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キクザキイチゲキンポウゲ科

野生のアネモネ

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ユキワリイチゲキンポウゲ科

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サンインシロカネソウ(キンポウゲ科

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春以降にも オダマキトリカブトカザグルマバイカモ、レンゲショウマ、サラシナショウマ・・・

など・・・これらすべてがキンポウゲ科に属し

野草を知っておられる方ならよく目や耳にし、また魅力的に感じる花々ばかりかと思う。

なぜキンポウゲ科の植物にはこのような魅力的な、人を惹きつけるものが多いのか?

 

リュウキンカキンポウゲ科

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進化の上では、キンポウゲ科の植物は古い時代の植物にあたる。

逆に最も新しい時代に、つまりずっと後から進化してきた植物はキク科やラン科の植物がそれにあたる。

生物というものは進化の上で、新しい種が現れる時、既存の生物を押し退けて、あるいは生育地を奪ったりして出てくることはない。必ず新しいところを開拓し、あるいはより厳しい環境に耐えられるように進化した生物が現れてくる。海がいっぱいになれば上陸し、さらにより乾燥地や寒冷地に進出していくように。古い時代の生物を押しのけてはいない証拠に、今でもあのアメーバや細菌などの単細胞生物が立派に生きている。

ただこれだけ数多くの植物が増えてくると、生存競争も起こり、古い頃からの植物はそれなりの工夫をせざるを得なかったろう。それが、セツブンソウのように他の植物がまだ咲いていないもとで早春に開花したり、イチリンソウのように樹々が葉を展開するまでの間に急いで光合成を行ったり、あるいはトリカブトのように、体内に毒素を作って動物に食べられないようにしたりという特徴になっていったのだろう。

つまり、これらのキンポウゲ科の植物は、総じてずいぶんと厳しい環境で生きているものが多い。

そして、

なぜなのかはわからないが、人はこれら厳しい環境で生きようとする生物に惹かれるのではないかと思う。

高山でコマクサに感動した人は多いのではないかと思う。

稀なことだが、イヌワシが飛ぶ姿をみればたいていの人は感動するだろう。

みな厳しい環境で生き抜こうとしている生物である。

 

 

サラシナショウマキンポウゲ科

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レンゲショウマ(キンポウゲ科

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カザグルマキンポウゲ科

いわゆる野生のクレマチス

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バイカモキンポウゲ科

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シラネアオイキンポウゲ科

シラネアオイ科とするときもある

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イブキトリカブトキンポウゲ科

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なお、念のために・・・

カテゴリーのところで述べたように

Memories・・・

今回も、上記の植物の画像は以前からのものを抜き出したものである

初めにも述べたように、今年は湖西、湖北は大雪に見舞われてすべて根雪に覆われている

風景などは別にして、

当分、芽吹きや開花をとりあげられそうにない。

雨水

 

2022年は 2月19日(土)〜3月4日(金)が二十四節気の 雨水 にあたる。

雪が雨に変わるという季節だろうが、雪国では、今年ばかりはまだまだ一面の雪に埋もれている。今シーズンは十回の寒波が訪れたそうで、まだこれから降雪もありそうな予報も続いている。

ただ、朝に出かけると雪の上に霞(かすみ)と呼べばいいのか、この時期には真冬には見かけなかった景観が見られるようになってきた。

雪霞(ゆきがすみ あるいは せっか との記載もある)

と呼ぶようだ。

水蒸気が立ち上って景観が霞む様子だが、水平にみると見えても、少し上から見ると見えなくなる。

 

厳しい冬だが、まもなく 啓蟄 を迎える。

二十四節気など、昔からの暦は人々への励ましでもある。

 

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北海道

 

コロナ禍の中、頑張って北海道を訪れた!

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うそ!

残念ながら北海道どころか、県外にも出られない。

災害に近いほどの積雪だが、ふだん見慣れている農耕地を一面の銀世界に変えてしまう。

 

以下、雪景色を・・・

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豪雪

 

おそらく 04豪雪 と呼ばれるだろうと思う。

1日の降雪量過去最多 との報道も各地であり

北海道、東北、北陸 各地では 積雪量最多記録

 

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ただ、同じ県内でも 湖北、湖西 以外の人にとってはほとんど実感がないだろう。

関西各地に在住の友人に 自宅周囲の画像や動画を紹介すると あまりの凄さに絶句していた。

(このブログでは取り上げない)

ニュースは国道や高速の大雪での立ち往生ばかりを取り上げるが、

北海道や日本海側各地での日々の大変さをもう少し伝える工夫があってもよいのではないかと思う。

もちろん、コロナや紛争や 大雪以上に大変な状態なのはわかるが、

感染者や紛争に巻き込まれている人たちの報道とも関係してくるように思う。

 

コナラ(ブナ科)

普通のコナラがこんなふうになる

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エドヒガンザクラ(バラ科

二本の巨木が並んでいるが、最近では手前に ハチク(イネ科) いわゆる竹林 が生えて見えなくなっていた

ご覧の通り重たい雪にすべてなぎ倒されて、竹林は埋まってしまっている

この二本のサクラは一般のソメイヨシノの大きさでなく、かなりの巨木である

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タブノキクスノキ科

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県内のスキー場でも積雪量が多すぎてリフトが埋まりすぎ、運行できないため開設を見合わせているところもあると聞く

予報では一週間ほどは雪マークはなくほっとしているが・・・・

ボタン雪

 

撮った後で画像を見てみると、雰囲気のいい降雪が写っている。

こういうのは、撮ったのでなしに、撮れた・・・画像にあたる。

被写体は私が エノキ三兄弟 と呼んでいる湖岸のエノキの木だが

撮影時にそれほど雪が降っていた覚えがない。

 

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翌々日に分かったが

ボタン雪が、それも特に軽いものが降っている時は、よく写る。

琵琶湖岸 カモがいる

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望遠系のレンズで撮ると降りしきっているように見える

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わかりにくいが広角系のレンズでも写っている

琵琶湖岸

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夜にフラッシュを焚いて降雪を撮ると幻想的に写るのを聞いたことはあるが

フラッシュは持っていないので、夜はダメである。

一般に、植物はフラッシュの光で撮らぬほうがよいと思っている。

なお、ボタン雪は 牡丹雪 ということらしい

なるほど牡丹の花びらに例えて妙である。

 

ミルキーブルー

 

この色を ミルキーブルー(Milky Blue) と表現していいのかどうか。

ちょうど硫黄を含んだ温泉がこのような色をしていることがある。

ずいぶんと昔だが、カナディアンロッキーを流れる ボウリバー(Bow River)が

この色をしていて、さらに光るように見えるので、わざわざ川岸まで行って水をすくってみた憶えがある。

琵琶湖の場合は、温泉やボウリバーとは異なり、成分が溶け込んでいるのでなしに、気象、水質、水温、光の状態などの条件によってまれにこのように見えるのだろう。

空が関係しているようにも思える。

 

2017/01/26 17:15

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2017/01/26 17:15

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2022/01/22 16:12

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2022/02/10 16:24

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2022/01/22 15:59

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2021/02/02 15:38

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日時を確認してみたが、共通しているのは冬場の積雪のある日の夕方であるということ

湖面全面がミルキーブルーになるわけではないこと

 

あねさんろっかくたこにしき

 

 

ちょうど下鴨神社の話を取り上げたので

このブログのテーマとは関係がないが…

京都のすぐ近くで生まれ育ったが、関西の友人も知らないことが多かったので取り上げてみる

 

 

大文字山火床より京都市

横に伸びる低い丘が吉田山

その奥が京都大学

さらに鴨川を越えて京都御所

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京都の街はご存知の通り、碁盤の目のように東西南北に通りが走っているが

東西の通りの名を覚えるための歌がある

ちょうど子供たちの 数え歌、遊び歌 のような感じの歌である

 

まる たけ えびす に おし おいけ

あね さん ろっかく たこ にしき

 

太町 屋町 川 条 小路 御池

小路 条 六角 薬師  

 

 

京都教育大学公式YouTube より

 

後半の通り名は以下

なくなっていたり

一部が残っていたり

吸収されていたりする通りもある

 

条 小路 光寺 辻 原 寿寺 五条

 

雪駄屋町(楊梅) 屋町 屋町(的場) 魚の棚 六条 三哲塩小路

 

七条 八条 九条 十条 東寺

 

チャラチャラというのは両方とも金属に関係する仕事だからだろう

 

最近は京都にはなかなか行けないが

以前は毎月京都の六角に行った帰りに

いろいろな通りを通って京都駅まで歩いて帰った

さすが千年の都で 至る所で歴史的な事象に出会う

親鸞聖人が亡くなったところ

応仁の乱の始まったところ

蛤御門

全国初の小学校…などなどいくらでもある

もし、京都を訪れることがあれば、歌を覚えておられるとよい

 

 

余談だが・・・

 

この歌に出てくる通りは中京区、下京区にあたるが、上京区が出てこないのは京都御所で通りが途切れているからかもしれない

あいまいな境界のようだが、上京区、中京区、下京区あたりをまとめて 洛中 というらしい

嵯峨は京都とちがうえ!

伏見は京都とちがうし!

半分冗談のこの言い方は 洛中 に対しての言い方になる

京都市には他に北区、右京区左京区西京区、南区、伏見区山科区 がある

伏見区の友人は 

あんたらそんなこと言うたら大阪行くとき通したげへんえ!

と言い返しているらしい。

仲のよい良い友人同士の話だろう

 

なお、洛中、洛外の あるいは上洛などという言い方をするときの 洛 は中国の 洛陽 から来ている

三国志を読んだ方は洛陽は知っておられると思う

 

 

 



 

気 ⑦ 糺の森

 

最後に・・・

 

 

下鴨神社 糺(ただす)の森

スイスからの女子留学生が、何年もの滞在後だろう

京都で最も好きなところはどこですか?

と聞かれて、金閣寺でも、嵐山でもなく

糺の森・・・と答えたそうだ。

その話を聞いたとき、当たり前かも知れないが

日本人以外でもこの国が古来大切にしてきた感性を持っている・・

ことに驚いた。

必ずしもスイスのアルプスの麓で生まれ育ったからというわけではないかも知れないが

森や、自然が働きかけてくるもの に気付いているのだろう

 

初めて下鴨神社を訪れたとき、

ちょうど新緑の頃だったと思う

森が続く参道に入った途端・・

自然と気に包まれた。

言ってみれば、木々が芽吹いたり、葉を展開したりするエネルギーのような・・

新緑の頃に行ったからかもしれない。

 

 

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糺の森京都盆地の東北部、鞍馬や貴船からの賀茂川(合流部より上は賀茂川下流は鴨川と表記される)と 大原や八瀬からの高野川 の合流部に南北に長く広がっているが、一般の神社の森に比べて明るい感じがする。鬱蒼(うっそう)としたという表現より、爽やかな感じを受ける。京都盆地は冬場に冷え込んで寒暖差が激しいことで有名だが、大きな川の合流部ということもあって、一般の社寺林に多い常緑照葉樹よりも、落葉広葉樹が多い。特にムクノキやケヤキ、エノキなどのニレ科の樹木が多くて、それがこの森を独特のものにしているのかもしれない。

もちろんシイやカシやクスノキなどの照葉樹の古木も多く見られるが、戦前の室戸台風と翌年の大水害の被害を受けた後、森内に数千本あった樹木は97本まで激減したらしく、その後の植栽などの努力もあって、数千本に至る現在の姿になっている。

 

 

糺の森財団 の 紹介動画

 

こうやって振り返ってみると、なにか霊感の鋭い人間のように見えるかもしれないが

そんなことはない。

糺の森はその後何度も訪れているが、初めての時のように気を感じることはない。

立山や白山のような霊峰、日本アルプスの峰々、北海道や東北の山々へも登ったり縦走したりしたが、今まであげてきたような気を感じたことはない。

ただ、森へゆけば爽やかな時間を過ごせるし、山々に身を置けば穏やかな気持ちになる。

 

 

いつまでも続くコロナ禍の中で、また北海道、日本海側に降り続く大雪もあり、ほとんどまともな外出ができない日々が続いている。

けれど、今年もやがて春になり、山や森や渓流に出かけることができれば、植物や自然はいつものように変わらず迎えてくれることと思う。

ただ過ぎればよい・・ではなく

これだけ地球規模の人類全体のことが起こっているのだから、少しでも次代の人たちがのびのびと生きていけるように考えるきっかけにならぬかと思う。

 

気 ⑥ 守護岩

 

 

これまでは誰が聞いても場所がわかりそうなところを上げてきたが、ここはかなりローカルな、知られていないところになる。

県の最北部、ほとんど若狭との県境に近いところに、山門(やまかど)湿原と呼ばれるところがあり、小規模ながらミツガシワなどの希少な植物の植生が残っている。

湿原に周回コースがあり、アカガシが密集して生えていたりして、こちらは何度も行ったことがある。案内図にもう一つ、ブナの森コースというのがあり、湿原からそれて尾根筋まで登ってから戻ってくる。ある程度登らねばならないが、以前、一人でゆっくり時間をかけてこちらのコースを周ったことがある。ようやく尾根筋まで登って平坦なところまで来たが、ブナの純林でもなく、それほど大木が生えているわけでもなかった。

ただ、あるところにさしかかった時、急に うわっ という感じで気を感じた。

ここはなにかある・・・と思いながら、少し進んで行くと小さな岩があり、注連縄が巻かれていた。

屋久島の森や、白神山地の森など、そういった大木、古木の森ではない。どちらかというとまばらな感じの森で、岩もそれほど大きなものでもなかった。

ここへ登るとき、単にブナ林コースとの表記を見ていただけで、このような岩や場所があるのは全く知らなかった。

ここの地名も知らなかったので、今改めて、いくつかの案内図をみてみると 「守護岩」 とある。

 

たしかにブナが多いが純林でもない

奥に岩が見える

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守護岩

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いわゆる 磐座 だと思うが

必ずしも磐座は大きなものだというわけではないことがわかる

この山門湿原から集落は少し離れているがやはり 山門 の集落が最寄りの集落になり

集落の方が昔から祀っておられるのだろう

 

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気 ⑤ 御嶽山麓 新滝

 

 

 

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御嶽山には滝が多い。

西側の小坂というところから入るとたくさんの滝があり、中腹の濁河には緋の滝、材木滝などという大きなものある。

南面の山麓には、以前取り上げた田立の滝や付知峡、南東側には阿寺渓谷、柿其渓谷の滝など、大きな滝がいくらでもある。(ただち、つけち、あてら、かきぞれ と読む)

木曽から入り、王滝村を経て、御嶽山七合目の登山口に田の原があり、そこへ植物を見に行ったことがある。王滝村はずいぶんと前に大きな地震に見舞われたところで、また田の原登山口から登る剣ヶ峰は、まだ記憶に新しい御嶽山の噴火によって多くの人命が失われたところである。私が寄ったのはその噴火より何年も前だったが、帰りに車道のすぐそばに 新滝 との表示があったので寄ってみた。普通に歩けばものの五分くらいのところかと思うが、あまりに植生が豊かだったので三、四十分かかったはずである。

ようやく滝のところまで来て、神秘的な雰囲気の、布がかかったような滝を見た途端、

ふっとすごい気を感じた。

3、40mくらいのきれいな直瀑の滝だが、滝壺の裏がくぼんでいて、いわゆる裏見の滝になっている。滝小屋というのか、滝行のための小屋があって、御嶽山登山やあるいは修行のための滝であることがわかる。よく滝行というものを各地でされるが、確かにこのような気の中ですれば浄化されるだろう。

 

 

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滝小屋があり、滝壺の裏は大きく、くぼんでいる

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もちろん人を神として祀っている場合もあるが、神道では、昔から神社の祭神は社殿ではなく、森であったり、岩や滝や、いわゆる森羅万象の気を有しているものを祀ってきた。

 

たくさんの滝を見てきたが、滝で、直接気を感じたのは初めてで、滝が気を有していることをすごく感じることができた。

山道が通じていて、割と近くに 清滝 という滝があるとのことだったが、この時はそちらへは寄っていない。

気 ④ 神倉神社

 

熊野三山はすべて詣でたことがある。

ただ、熊野本宮大社熊野那智大社も熊野速玉大社もあれほど有名なところであるのに関わらず、気を感じたことはない。知らなかったが、本宮大社は明治の頃までは、今の小高い丘の上ではなく、川原の中洲にあったようで、洪水によって流されたため移転したとのこと。そういえば、川原の方にとんでもなく大きな鳥居があったのは覚えている。いつかもう一度行けるときがあればそちらの方にもいってみたいと思う。

新宮の街に着いて、駅の観光案内所で地図をもらおうと入ったら、神倉神社には行かれませんかという。知らなかったので、余裕があれば行きますくらいに答えておいたが、そもそもなぜこの街は新宮というのか聞いてみたら、本宮大社に対して速玉大社が新宮なのではないらしい。というか、熊野三山の大本は神倉神社であるらしく、それも山上にある大きな岩・・・岩倉、磐座だろう・・が大本とのこと。

速玉大社にお詣りした後、山沿いに歩いていると、聞いていた神倉神社の登り口があった。

その当時、決して体調も良くなく、安全のためには山登りは控えた方がよい状態だったのだが、登り口の鳥居のところまで行った途端、なんとしても登りたくなった。

上で倒れてもよい!

気を感じたのではない。

石段を見て惹きつけられたのである。

あんな石段はどこにも見たことがない。

ゆっくりだが、時間をかけて上まで登り、やがて神倉神社の本殿があって、ゴトビキ岩・・・と呼ばれる大きな磐座があった。この岩が、あの有名な熊野三山の大本・・である。それは、案内所で神倉神社には行かれませんか?と言われるはずである。

 

神倉神社登り口

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下から上を

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上から下を

ちょうどスキーのジャンプ台の斜面のように下が見えない

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この画像で感じがわかるかも知れない

這うような感じでないと降りることができない

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ゴトビキ岩

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この岩が熊野三山の大本

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新宮市街が見渡せる

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あまりにも急な石段を手をつきながら降りていた時、ふっと思い出した。

そういえば 熊野の火祭り という祭りがあって

白装束の松明を持った人たちが階段を駆け下りていた…
ただ、夜に大きな松明を持ってこのあまりにも急な石段を下れるものか?

と思いながら登口まで降りると、年配の方がベンチで休んでおられたので聞いてみると

確かにこの石段だとのこと

おそらく、無心になって駆け降りないと

少しでも怖いと思ってすると大怪我をするか

へたをすると死んでしまうだろうと思う

それぐらいの石段だった

 

ここは若い人たちにとっては、まさにパワースポットだろう

ただ、私はここでは気を感じていない

とにかく石段に驚いたのである

熊野三山の大本の磐座に気を感じないなどと

よほど気が抜けていたのかわからないが

この石段を歩けてよかったと思う

 

駅まで戻って、朝に案内してくれた方にお礼を述べておいた