ユクノキ

 

早春の白いタムシバの花や、五月の黄金色のシイノキの花など、花が咲いて初めてこれだけの樹々があったのかと驚くことがよくあるが、いつもいろいろなところを廻っていながら、この山の斜面にこれだけのユクノキが咲き誇るのを知らなかった。

数年に一度しか咲かないというが、今年が当たり年だろう。

 

雪の木 がなまって ユクノキ になったというが、ここは木一本だけでなく、山の斜面一面に雪が積もったようになっている。

 

もしかすると、今年の冬は豪雪だったのでそのことと関係するかもしれない。枝をみているとかなりしなやかで、まるでスローモーションのようにたわむ。

 

 

ユクノキ(マメ科

 

 

 

 


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おそらく来年にはこのような景観は見られないように思う

深緑と白花

 

春には黄色の花が多く、秋には青色の花が多い

初夏からの季節には白花が多くなる・・・

というのを聞いたことがある

 

春や秋がどうなのかわからないが

初夏にあたる季節に

白花が多くなるのは 確かに言えそうに思える

 

もちろんアジサイの青や

ネムノキの赤や

いろんな色の花が咲くには咲くが

 

灌木から高木まで

たしかに白い花が多い

 

芽吹きや新緑の時期と違って

森の中は深緑で、場所によっては薄暗くなり

その中で 全ての光を反射する白花はよく目立つ

 

そういった林や森の変化と関係するのかとも思うが

昆虫や野鳥に聞いてみたらわかるかもしれない

 

ノリウツギアジサイ科)

 

ヤマボウシ(ミズキ科)

 

ナツツバキ(ツバキ科)

 

イワガラミ(アジサイ科)

 

ウツギ(アジサイ科)

 

ヤブデマリ(レンプクソウ科)

 

エゴノキエゴノキ科)

 

オオバアサガラ(エゴノキ科)

 

クリ(ブナ科)

これは風媒花だろうが白っぽい

 

マタタビマタタビ科)

これは花ではないが・・

 

なお、自然下での植物の花色の割合は以下のようになる

 

白色系    33%

黄色系    28%

赤色系    20%

紫・青色系  17%

その他      2%

 

ムクロジ

 

通りかかった神社の樹々が見事だったので、集落のはずれにある小さな神社だったが立ち寄ってみた。

いきなり、入口の鳥居のそばに大きなムクロジが生えていて、ちょうど実がいっぱい落ちていた。奥にもさらに二本の大きなムクロジが生えていて、古木のケヤキも生えていた。

やはり大きな木々の残る神社は雰囲気がいい。

 

 

ムクロジムクロジ科)

わりと大きめの複葉

実がついている

ムクロジの実

皮をとると黒い実が出てくるがこれは羽付きの実として使われた

さらに皮の部分はサポニンという成分を含んでいて石鹸の代わりになる

英語では Chinese soapberry   もしくは Soap nut tree

 

二本目のムクロジ

ムクロジの樹皮

三本目のムクロジ

 

ケヤキ(ニレ科)の古木

 

左 ムクロジ

右 ケヤキ

 

ムクロジなどという木を知っている人は少ないと思う

ただ、最近の植物の分類では ほとんどのカエデの仲間が カエデ科 から ムクロジ科 に変わってしまった。イロハモミジもイタヤカエデもすべてムクロジ科である。

カエデとムクロジとどう近いのかよくわからない。

ただ DNA  の印籠をかざされているので従うしかない。

 

なお この神社は 加茂神社 とあった。

 

ツートーン

 

この時期には花色を変化させる花が何種類か咲く

単に色褪せてゆくのでなく、明らかに花色の変化があって

ツートーンの花々はかえって目立ち、趣がある

 

なぜ このように花色が変化するのか色々調べてみると

面白い説が載っていた

 

 

スイカズラスイカズラ科)

 

この花を見ていると白から黄に変化するのがわかる

 

花色に白い色素というものはなく

花弁の細胞中の空気の泡で光が乱反射すると白く見える

ただ 白い花にはフラボノイドという 

私たちには透明に見える色素が入っていて

淡い黄色を帯びることが多い

その色素の関係かと思える

 

 




情けは人(虫)の為ならず 説

 

要するに 受粉後の花の花色を変化させて

蜜や花粉を効率的に集めたい虫たちに

正直にそのありかを示しているのだろう と

 

花を訪れても蜜はなかった ということのないように

この花にはもう蜜はありません と花色によって正直に教えているのだろうと

 

無駄なく花々を廻れる虫たちは またその花を訪れてくれるようになる

 

これは 近江商人の 「 三方よし 」という考え方に似ている

「 三方(さんぽう)よし 」というのは

「 売り手よし 買い手よし 世間よし 」というもので

正直に人々のことを考えて商売することによって人々の信頼を得

その信用によって商売が継続してゆく というもので

現在のように西洋化された商法が浸透する中でも

通じるように思える

 

技術であれ システムであれ

あらゆることを

自然に学んで間違うことはない

 

 

ハコネウツギスイカズラ科)

この花は白から紅へ変化してゆく

色素としては アントシアニンが合成されてゆくのだろう

 

 

 

なお これは植栽のバラだが

こちらはスイカズラの逆で 黄色から白に変化してゆく

 

 

 

 

スイカズラは 忍冬 と書く

蔓性の植物だが葉が色褪せながらでも冬を枯れずに越すため

 

ウルトラマンのはっぱ

 

小さい子に

これは ウルトラマンのはっぱ!

と 教えてあげると たいていの子は

『シャキーン!』

と 反応してくれる

この国では世代を超えてしっかりと文化が伝わっている

 

 

ミズヒキ(タデ科

 

ウルトラマンがいっぱい

 

秋の穂(花序)

赤い穂だが 下から見ると白く見えるので

紅白の 水引き(ミズヒキ)の名がある

 

オニグルミ と サワグルミ

 

ちょうど オニグルミ と サワグルミ が並んで生えているところがあった

樹形も果実の形も異なるので区別はつきやすいが

並んでいると尚更わかりやすい

 

奥に すっくと 立っているのが サワグルミ

手前の下に広がっているのが オニグルミ

 

 

成長するとサワグルミは20メートル以上の樹高になる

オニグルミは横に広がるのでせいぜい10メートルほど

 

オニグルミ 小さな果実ができている

 

サワグルミ

あまり横に広がらず まっすぐに伸びることが多い

 

サワグルミの果実

オニグルミとは違って数珠状に連なる

 

サワグルミの葉

幾分オニグルミよりもスッキリしているかもしれない

 

なお 今 クルミ として市販されているのはほとんどセイヨウグルミ

ペルシャグルミ、カシグルミ)で

信州などでで五平餅とかに塗られていたのはオニグルミだろうが

今はこれもセイヨウグルミが使われているのかもしれない

 

クルミはまず川沿いに生えているが

面白いことにオニグルミは湖岸によく生えている

多分果実が流されて湖岸に流れ着くのだろう

皐月

 

早いもので、もうまもなく春も終わり初夏になる

卯の花が匂い

ホトトギスがなく季節

(ほんとうは、卯の花、ウツギはほとんど匂わないが・・・)

 

皐月の景観や花々を振り返って・・・

 

アカメヤナギ(ヤナギ科)

 

キリ(キリ科)

 

 

 

タニウツギスイカズラ科)

 

フジ(マメ科

 

トチノキムクロジ科)

 

ヤマツツジツツジ科)

 

スイバ(タデ科

ムラサキサギゴケ(ハエドクソウ科)

 

大麦(イネ科)

 

サワオグルマ(キク科)

 

キショウブ(アヤメ科)

 

レンゲソウマメ科

この花は私は以前から レンゲ と呼んでいたが

もちろんそれでもよいのだろうが

蓮華(ハス)と混同するため レンゲソウ あるいは ゲンゲ がよいのかもしれない

 

キンラン(ラン科)

 

コバノタツナミ(シソ科)

 

皐月の色彩

 

この時期には灌木で 目立つ花を咲かせるものが多い

 

 

ノイバラ(バラ科

ジャケツイバラ(マメ科

 

これらは湖岸沿いの交通量の少ない道路沿いの土手に咲いている

日当たりという点では最良の場所だが

長い目で見ると不安定な場所かもしれない

ただ、斜面一面に咲き広がる姿は見事というほかはない

 

 

以前取り上げたが この青空は 皐月晴れ ではない

 

 

 

タニウツギスイカズラ科)

ウツギ と名のつく植物の中で最もきれいな花と言われる

咲き初めの頃は みずみずしい感じがする

 

 

ウツギ(アジサイ科)

卯の花も咲き出した

この花がいわゆる ウツギ

それゆえ旧暦(太陰太陽暦)では今はまだ卯月

 

以前 友人が ビヨヨヨーン と表現していた

覚えやすい表現ではある

 

 

鶏足寺

 



湖東、湖北には山麓に、かつての大規模な寺院跡がたくさんある。本堂へ向かう参道沿いに平坦な土地がいくつも並んでいて、七堂伽藍や僧坊跡など、仏教関係の建造物が建っていたのだろう。以前とりあげた湖東三山も、あれだけ近くにあれほどの規模の寺院が建ち並んでいたのには驚く。中世には天台系山岳寺院と呼ばれるものが数多くあった。

鶏足寺も以前は、己高山(こたかみやま)の山頂近く、あるいは山中の西側にかけてあったが、昭和の初めの火災以来、山麓の別院であったこの地(飯福寺)に降りてきている。行基、泰澄、最澄の名前が出てくるし、そして現在は真言宗寺院というから変遷が激しい。

 

ここ十年ほどか、秋の紅葉の時期には観光バスが連なり、とんでもない人の波が押し寄せてくるようになった。

紅葉というよりは、植物を見ながら山麓や寺院を歩くことが多いので、以前から時々訪れていたが、最近では秋の紅葉シーズンには来れないどころか、近くの交通渋滞まで引き起こすようになった。

 

植物を見るのも、寺院を廻るのも、やはり静かな時間に歩きたい

ふと 青もみじ・・・

という言葉を思い出して、鶏足寺に寄ってみた。

ゆっくりと時間を過ごしたが、誰にも会わなかった。

 

けっして秋の紅葉に劣るものではない

 

 

 

 

 

 

紅葉時にはこの参道に紅葉が散り積もった写真がよく撮られている

 

少しなら紅葉がなくもない

 

クリンソウサクラソウ科)

木が添えてあった株もあったので植栽かもしれないが

本来生育していそうな場所に生えていた

 

ミツバ(セリ科)

 

シロダモ(クスノキ科

 

シラカシ(ブナ科)

 

クマシデ(カバノキ科)

 

シナノキアオイ科

かなり背が高いのでわかりにくいがたぶんシナノキだろうと思う

周囲の木々の中でまっすぐに伸びている

長野県の 信濃・・の由来になった木

 

すぐ近くに石道寺(しゃくどうじ)という寺院があり

有名な観世音菩薩がおられる

湖北は 観音の里 と呼ばれ、信仰心の厚いところである

鶏足寺の十一面観音は 己高庵 というところに移されている

 

アヤメ科三姉妹

いずれアヤメかカキツバタ・・・

以前取り上げたことがあるが

開花に先んじて・・・

 

アヤメ(アヤメ科)

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外花被片に網目模様(あやめ)がある

三種の中ではもっとも渇いた場所に咲く

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アヤメ 白花

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カキツバタ(アヤメ科)

外花被片に白いスジの文様がある

三種の中では もっとも水辺に咲く

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ハナショウブ(アヤメ科)

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外花被片に黄色いスジの文様が入る

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よく菖蒲と言われているものはハナショウブ(花菖蒲)で

ハナショウブを改良して作られたものにあたる

それゆえハナショウブの外花被片には必ず黄色のスジの紋様がある

 

ショウブはこれらアヤメ科の植物とは全く異なるショウブ科の香りのよい植物

 

 

 

キショウブ(アヤメ科)

外来のアヤメ科の植物

最近よく増えてきた



なお、現在すでにアヤメが咲き出してきているが、キショウブ以外は、これらの画像は昨年以前のものである

 

新緑

 

それにしても 緑色とはいえ なんと多彩な色のあるものか。

緑色の色素 クロロフィル だけでなく

赤、紫、黄などの色素も混じっていて

さらに 葉の表面の繊毛 や 光の反射 等

さまざまな組み合わせで成り立っているのだろう

 

これらに加えて 春には多くの木々に種々の色の花が咲く

 

深緑に落ち着くまでは、まざまざと生命の力強さを実感させられる

 

 

 

 


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琵琶湖

 

ちょうど琵琶湖の景観を取り上げたので 琵琶湖 について

 

 

もちろん日本においては最も大きな湖であるが

面積は 674 平方キロメートル 

滋賀県の面積のほぼ 1/6 にあたる

貯水量は 275 億立方メートル

滋賀県に降る雨の 5年分 にあたり

淀川水系の人々が使う量の 10年分 以上になる

 

 

それゆえ 大阪や京都の方々が 琵琶湖しかないやん・・

というのに対して

水止めたろか!

ということになる

 

東西の幅が最も狭くなる堅田〜守山間が 1.35 kmで

ここに琵琶湖大橋が掛かっているが

これより南を 南湖

北を北湖 と呼んでおり

面積では 北湖は南湖のほぼ10倍

体積では 北湖は南湖のほぼ100倍ある

よく大津の湖岸や名神インターのSAから

広いなぁ・・と言われていることがあるが

見えている南湖は 10分の1 である

 

南湖の最深部は 8m  で 平均深度は 4m

北湖の最深部は 104m で 平均深度は 40m

南湖はすごく浅い

 

よく驚かれるのは・・・

琵琶湖の断面を描いてみて・・と言うと

たいていの人は ちょうどお椀のような よくある池の断面のような絵を描く

北湖の東西幅が最長の所では 22.8km あるが

最も深い所でも 104m  である

と言うことは 22800m に対して 104m

つまり断面図は 薄い薄い ちょうど雨の後に道路のくぼみにできる水たまりのような

あるいはそれ以上に薄い断面をしている

 

100m に対して 22400m だから深さに対して湖面の長さが224倍

1:224 の 断面図になるので

上の絵でも深すぎる

 

大きいから大丈夫・・と思っていると

取り返しのつかないことになる

 

幸い 湖国の人は高度経済成長の時のヘドロや赤潮などの経験をもとに

ある程度の環境意識を持てるようになってきた

「 Mother Lake 琵琶湖  預かっているのは滋賀県です 」

県庁の方が考えつかれたそうだが いいキャッチコピーだと思う

 

 

ただ、環境意識の向上と共に

革新県政が続いて 

飛行場や新幹線の駅を もったいない・・ で 中止してきたが

北陸新幹線までなぜか湖国を避けて 京都の北山の山中を通るようになってしまった・・

京都市内の人は地下に大きなトンネルを掘るのだから反対するだろうに

きれいな水を届けているのになぁ・・・

 

 



 

安曇川北流河口より

 

安曇川は河口より上流2キロメートルほどのところで、

南流と北流に分かれて琵琶湖に注ぎ込んでいる

以前とりあげた安曇川河口は南流であり、今回のものは北流河口になる

 

琵琶湖の最深部(104m)はこの安曇川河口より北西方向に数キロメートルのところにある

 

 

 

 


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琵琶湖には 竹生島沖島、多景島 の3つの島があるが

このうち人が住んでいるのは沖島のみで小学校もある

というか 日本の湖の島で人の住むのは沖島のみである

竹生島に 宝厳寺や都久夫須麻神社が

多景島に 日蓮宗塔寺 があるが常住ではない

 

ただ正確にはもう一つ島(岩といった方がよいかもしれないが)

沖の白石がある

 

ちょうど北湖の中央部付近にあたり

この岩を知っている若い人たちは やはり パワースポット

と呼んでいるようだが

 

湖面標高が20m

湖底まで80mあり、100mの岩が湖底より突き出ていることになる

 

上の映像では 荒神山 と表記される手前に

小さな点が見えるが それが白石にあたり

安曇川河口からは晴れれば肉眼で見え

北流河口からは四つの島すべてが見えることになる

 

安曇川北流河口より 沖の白石 望遠

 

卯月

 

平野部や山麓では

四月は一年のうちで最も変化が激しく忙しい季節にあたる

 

あちらこちらで木々が芽吹き、開花し、新緑に色付き

野に山に 種々の花々が咲き競い

昆虫が 野鳥が 魚が 活動を本格的に始め

 

季節のありがたさが最も感じられる季節になった

 

 

 


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フデリンドウ

 

 

秋に咲く一般の リンドウ に対して

春に咲く

ハルリンドウや フデリンドウ がある

 

下のフデリンドウは大きく写っているが

せいぜい5cmくらいの背丈しかない

ハルリンドウはそれより幾分大きいが

それでも秋に咲くリンドウよりはずっと小さい

 

フデリンドウは平地にあるが、

どこにでもあるものでなく

時折 ふっと見かけるような感じで

よほど良い天気でないと花が閉じていることも多く、

見落としてしまっていることも多いように思う

 

春に出逢うと嬉しい植物の一つである

 

 

フデリンドウ(リンドウ科)

 

 

これはフデリンドウだが

ハルリンドウは幾分大きいのと

根生葉がついているという違いがある