秋の花 ②

 

ようやく秋の気配を少し感じる日々になった

ただ今回の異常な夏は

暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものだ・・・

では済まされない

 

喉元過ぎれば熱さ忘れる・・と言うが

全世界的な今夏の暑さと

全世界的な今回のパンデミック

忘れてはならないと思う

 

小さい頃からよく聞かされた言葉に

バチが当たる!

と言うのがあるが それにあたる

 

人類のみならず

あらゆる生物を含めて被害を受けるようになってきたが

おおもとは

人間の欲 だろう

 

強敵 である

 

異常気象にも負けず

幾分の前後はあるかもしれないが

秋の花々は今年も咲き始めてくれた

 

 

カラスノゴマアオイ科

どこにでもある野草でもないが 時々出逢う野草でもある

 

ハグロソウ(キツネノマゴ科)

 

キツネノマゴ(キツネノマゴ科)

 

ゲンノショウコフウロソウ科

 

ハキダメギク(キク科)

 

ヒメジソ(シソ科)

 

マメアサガオヒルガオ科)

 

クコ(ナス科)

杏仁豆腐のデザートなどに入っている赤い実

木質化しているのがわかるが ところどころトゲがある

耕作地の片隅にポツンと生えていたりする

 

アキノエノコログサ(イネ科)

 

ソバ(タデ科

秋の風情の代表

 

ネナシカズラヒルガオ科)

根も葉もない・・という言葉があるが

根も葉も持たない寄生植物

さすがのクズもこれにはどうしようもない

 

 

ミソハギミソハギ科)

お盆に供えられる花だがほとんどが一月遅れて咲いている

 



アレチヌスビトハギ(マメ科

帰化

 

ヌスビトハギ(マメ科

こちらが在来のもの

泥棒の足の形がわかる

 

ガガイモ(キョウチクトウ科

 

コウホネスイレン科)

河骨 水中の地下茎が骨に見えるという

 

 

ヤマハギマメ科

秋の萩の代表

もちろん秋の七草

 

 

 

サワヒヨドリ(キク科)

湿地に咲くヒヨドリバナ

花は赤みを帯びることが多い

 

タムラソウ(キク科)

名前の由来がわからない植物

アザミに似ているがトゲはなく 同じキク科だが種類(属という)が異なる

 

イボクサ(ツユクサ科)

田の縁によく生える花

 

ノアズキ(マメ科

この前取り上げたアズキの原種であるヤブツルアズキに似ているが

こちらの豆はサヤ状になる

 

 

ヤハズソウ(マメ科

ヤハズ(矢筈)は矢の付け根のこと

葉を引きちぎるとヤハズの形になる

 

 

オミナエシオミナエシ科)

よく知られた秋の七草

 

ウスイロツユクサ

ツユクサに種類があると聞いたことはあったので

それか?

と思ったがウスイロツユクサと名付けられた品種にあたるらしい

牧野富太郎がウスイロと名付けているが

薄い色 との意味ではなく 日本古来の薄色(薄紫に近い藤色のような色)

の意味ではないかとも言われる

 

ウスイロツユクサツユクサ科)

一般のツユクサの青に対して薄紫あるいは藤色のような色合い

並べるとよくわかる

こうして見るときれいなものだ

ありふれた花が一気に見栄えがする

 

ユキミバナ

 

初夏から雪の降り始める頃まで咲くのでこの名前があるが

さすがに今年のあの暑さと日照りで 盛夏にはほとんどまともには咲いていなかった

半年以上咲き続けるとはいえ ピークは九月から十月頃になるので

訪れてみると この暑さにもかかわらずたくさん咲いていた

 

ユキミバナ(キツネノマゴ科)

 

 

ダイサギ(サギ科)

このサギは五メートルほどの距離を保つと逃げなかった

池の魚が魅力的だったのだろう

 

やはり予想通りまだまだ暑い日が続くが

ここ瓜割の滝はいつもながら冷気が漂っていて

滝の周辺のみならず一帯が涼しい

 

いつも取り上げている ユキミバナ だが

滋賀県福井県の一部の地域に分布が限られている希少種であり

絶滅危惧種にあたる

普通なら取り上げないか

場所を伏せるが

よく知られていることと

まずここの植生では心配はいらないとの判断をしている

秋の花 ①

 

幾分はましになったとはいえ

九月の気温ではない

 

地域によっては大きな被害も出ているようだが

今年に関していえば

台風が 一月近く降らなかった雨を降らせ

少しでもあの気狂いじみた酷暑を少しは和らげてくれた

 

ただ これほど異常な夏にも関わらず

秋の花は咲き出し

秋の虫たちが鳴き始めてくれている

開花時期がずれたりすることもあるとは思うが

花や虫たちに出逢うと やはりほっとする

 

何回になるかはわからないが

とりあえず出逢えた花々から

 

ツユクサツユクサ科)

この時期に咲き出すこの花は

梅雨草 ではなく 露草 なのがわかる

今年ばかりは露も着かないが・・・

 

ゲンノショウコフウロソウ科

現の証拠

腹痛や下痢にすぐに効くことから

昔は今と違って腐ったものなどをよく口にしていた

最も有名な民間薬の一つ

 

アカバナユウゲショウアカバナ科

春によく見かけるが秋口にも咲いている

南米からの帰化植物

 

ヤマボクチ(キク科)

 

ダイコンソウ(バラ科

葉が大根の葉に似ているため

大根はアブラナ科

 

キンミズヒキバラ科

タデ科の紅白の ミズヒキ に比してつけられた名前 

 

ヒメキンミズヒキバラ科

 

クルマバザクロソウ(ザクロソウ科)

熱帯アメリカからの帰化植物

 

マルバルコウソウヒルガオ科)

アメリカからの帰化植物

 

マメアサガオヒルガオ科)

アメリカからの帰化植物

 

ヤブカラシ(ブドウ科

薮辛子 ではなく 薮枯らし

よく灌木を覆い尽くしている

 

アキノノゲシ(キク科)

 

アオゲイトウヒユ科

 

クズ(マメ科

秋の七草だが 蔓が繁茂する姿を見るとなぜこれを選んだのかと思ってしまう

おそらくこの花が魅力的すぎたのだろう

 

オトコエシ(オミナエシ科)

オミナエシ(女郎花)に比して付けられた名前

 

ヤブツルアズキマメ科

アズキ の原種

豆は小さいが茹でると小豆と同じ味がする

 

ヌスビトハギ(マメ科

小さい花だが すぐに果実(泥棒のひそみ足の形)ができている

 

キクイモ(キク科)

塊茎が健康食品として知られるようになってきた

 

メハジキ(シソ科)

子供達が目を開かせて遊んだというがよくわからない

目薬の効用もあるからかもしれない

 

夏雲 Ⅱ

 

おそらく八月の下旬、九月に入ってもこの暑さは衰えないのだろうと思っていた

ただ、雲を見ていると、積乱雲もあるのだが秋の雲も混じってきて複雑な空模様をしている

ただ日中はすこぶる暑い

この暑さの中でも 秋の花々も見かけるようになってきた

湖西では都会と違って 夕方になると涼しくなる

 

 

八月の下旬になってもまったく衰える気配がなかった積乱雲をいくつか

 

 

この積乱雲はかなり大きい

いくつもの積乱雲を合わせたような大きさで

上空で横に広がる様子を見ると かなとこ雲 と呼ばれる積乱雲かもしれない

この夏の暑さを象徴するような大きさだろう

同じ積乱雲を湖岸から見たもの

一部分のアップ

右端のものだけでも立派な積乱雲の大きさがある

 

この積乱雲は 成層圏の境なのかはわからないが

ある高さからは横に流されている

 

 

 

 

 

 

 

日が沈みしばらくすると紫を帯びてくる

 

秋分の頃には秋らしい雲と 名月を見ることができるように願う

湖岸にて

 

不要不急の外出を避けるように・・・とのことで

たしかにあまりの暑さに外出を控えていたが

ここ数日遠く離れた台風の影響なのか 曇りがちで

気温も幾分ましな日が続いた

 

少しだけ湖岸を散策してみた

 

エノコログサ(イネ科)

 

アカザ(ヒユ科

ホウレンソウもヒユ科で シロザもアカザも茹でて食べると同じような味がするという

たしかに感じが少し似ているが なんとインドでは日常の野菜とのこと

ただしシュウ酸を含み 春の若菜のほうがいいだろう

 

オオイヌタデタデ科

 

サデクサ(タデ科

絶滅危惧種 分布が限られる植物

 

センニンソウキンポウゲ科

クサネムマメ科

 

シロバナサクラタデ(タデ科

 

アレチヌスビトハギ(マメ科

 

ゴマクサ(シソ科)

安物の? オドリコソウ のような

 

 

 

マルバルコウヒルガオ科)

 

ウンラン(オオバコ科)

もちろんラン科ではない

 

ヒヨドリジョウゴ(ナス科)

ナス科には毒性のあるものが多いがこれもその一つ

ピーマン、シシトウ、ジャガイモ、トマト、もちろんナスもナス科である

 

スズメウリ(ウリ科)

大きなカラスウリに対してつけられた名前だろう

果実は白くなる

 

ヘクソカズラ(アカネ科)

 

オオカナダモトチカガミ科)

カナダモ も エビモ も マツモ も 藻(藻類)ではない

その証拠に花が咲く

藻類(コンブ、ワカメとか)は花が咲かず胞子で増える

 

鳴いていたのはツクツクボウシが多かったが

アブラゼミか何かのように思える

 

シオカラトンボ(トンボ科)

 

湖岸のヤナギやハンノキが生えた水際を歩いていたが

普通なら ヤブ蚊 や ブト などに噛まれそうな感じだがまったく大丈夫だった

後で土手の上から歩いてきたところを見てみると

たくさんのトンボが飛んでいた

頼もしい限りである

 

空中戦に秀でているものは

昆虫は トンボ

野鳥は ツバメ だろう

もちろん ハヤブサ や オオタカ などは別格として

 

夏雲

 

あまりにも暑い日々が延々と続き

異常が平常になってきている

 

台風によって少しは変化があるかと期待したが

数日の曇りがちな日の後、まったく変わらぬ日々が戻ってきた

 

元気なのは 夏雲のみ

 

先月から撮り溜めていたものを集めてある

 

 

 

夏雲


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見てもらえればわかるかと思うが

なにか引き込まれそうに感じるくらい発達したものもある

 

 

ワルツ 夏の庭

 

写真はずいぶんと前から、多分二十代の頃から撮っているが、動画などというものは最近になる

と言っても、もう七年前になるがイエローストーン国立公園のUpperfalls だったかLowerfallsかを上から覗き込んだ時に思わず初めて柵にカメラを固定して動画を撮ったのが初めだと思う

フィルムカメラの時はデジタルになると言われてもそんなばかな・・・

とくらいに思っていたが今や当たり前のようになり、動画もビデオカメラなど使わなくともカメラでしかも高精細な4Kというもので撮れる

何がありがたいと言って、過去の写真がPCの中で整理して保存でき、いついつのものもすぐに取り出せるのがありがたい

見返してみると来年で二十年になるが、それ以前のフィルムのものは残してはあるが探そうと思えば大変な労力が必要になる

 

ワルツ 夏の庭


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毎年庭のサルスベリの葉が落ちて蜘蛛の巣に引っかかってクルクル回っていることがある

その動画に音楽をつけたのが編集などというものの初めかもしれない

動画編集アプリなど知らなかったから、カメラの横で音楽を鳴らせて録画していた

今なら動画の長さを調節したりできるが、この時は偶然音楽と一致したのだろう

 

 


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いまや子どもたちは孫たちの日常を普通に動画で撮って送ってくる

理系のじいじとしても負けずにいろいろと挑戦してきた日々である

 

なお夏の庭の動画で蝉や野鳥の声が聞こえるが

これは実際のその時の声でイカルの声

イカルは奈良の法隆寺斑鳩(いかるが)のイカルである

キーコーキー という感じで聞こえるのを

聞きなしで

お菊二十四 とよく言われる

友人が

コーヒー紅茶ー などと言っていたが

確かにそうとも聞こえる

 

初動画 Yellowstone N.P.  Upper Falls


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続 これでいいのだ! 素朴な花火大会

 

写真とともに動画も撮ってあったのだが、湖岸の砂地に三脚を立てたため画面が傾いていた

工夫すればなんとかなるもので、短くまとめてあるが

いいところを抜き出しているわけではない

風の強い日だったので波の音が大きかったり

ピントが合っていなかったりするが

近くで子どもたちが喜んでいる雰囲気などがよくわかるかと思う

よければご覧ください

三分半ほどある

 


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これでいいのだ!

 

今年も昨年に続いて十五分の、球数も少ない花火大会がおこなわれた

たった十五分だがこれで 十分 いや 充分 である

十分は数量的なものを、充分は精神的なものに使うとある

やはりこの場合は充分である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


毎年 湖岸に座って見ているのだが
近くに町営住宅や障害者施設、老人施設などがあり

家族連れや車椅子の方やいろんな人がゆったりと楽しんでおられる

今年もすぐ近くで見ていた小さな子たちが大喜びしていた

 

これでよいのだと思う

 

 

 

 

生まれ育った湖都では今年は四年ぶりに有名になってしまった花火大会が行われるが

反対運動が起こっている

あまりにも多くの人々が訪れ身動きも取れぬようになり

地元の子供達ですらまともには見ることが出来ない

終われば至る所にゴミが散乱する

危険防止のためもあるかもしれないが

湖岸には有料観覧席が場所を占め

道路沿いには目隠しに四メートルの高さの壁が延々と設置される

花火のメイン会場はちょうど私の生まれ育った小学校区にあたり

反対運動もそこから出されている

 

実家のすぐ近くなのだが 

二十年ほど前に一度見に行ったきり

行ったことはない

中止せよとは言わないが

私もあり方を考え直すべきだろうと思っている

 

 

 

伊吹山 ②

 

あまりにも悲惨で暗い報告、画像ばかりなので

今回なんとか出逢えた花々・・

西遊歩道になんとか保っている植生

を取り上げておく

 

二重の柵によって唯一残されている本来の植生

紫は ルリトラノオ(オオバコ科) 伊吹山の固有種 世界でここにしかない

赤は シモツケソウ(バラ科) 日本の固有種

 

メタカラコウ(キク科)

柵が写らないように工夫してとっているが

よく見れば柵がわかる

シシウド(セリ科)

大袈裟でなく本来はこんな植生だった

 

以下は過去の画像

在りし日の伊吹山

 

キバナノカワラマツバ(アカネ科)

 

ミヤマコアザミ(キク科) 伊吹山固有種

 

キンバイソウ(キンポウゲ科

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


このような景観は頂上のお花畑では普通に出逢えた

残念で仕方がない

 

毎年のように大きな災害が起こり

異常気象が平常のようになってきている

パンデミックなどというものまで全世界が経験しても

元に戻れば・・と思っている人がほとんどかもしれない

 

あらゆることが

人類に

おおもとを見つめ直せ・・

と警告している

 

ただこの頃思うのは・・

このようなひどい時代にあっても

前向きにすごい力を持って生きようとする若者が

出てきてくれている

 

そのことは

本当にありがたいことに思える

 

ブログに書くことではないかもしれない

ただ以前どこかで記したように

自然や植物に出逢った記録や

あるいは日記のようなものと思っている

許されたい

 

なお

伊吹山固有種は

イブキタンポポ コバノミミナグサ ミヤマコアザミ ルリトラノオ イブキアザミ コイブキアザミ イブキコゴメグサ イブキレイジンソウ の8種でこれに イブキヒメヤマアザミを加えることもある

もちろん固有種のみならず貴重な植物が数多くある

 

伊吹山 ①

 

伊吹山全山壊滅!

 

今回のブログはいつものものと違って報告のようなものになる

 

七月の中旬に大雨で伊吹山登山道が崩れ通行禁止になったと聞いた

五合目あたりとのことだったが

ある程度急なところはあっても崩れるような急峻な登山道ではない

 

ニュースの写真を見るといく筋もの土砂崩れが起こっている

 

S字状の登山道に土砂崩れの筋がかかっている

もとよりこのような筋はあったと思うが植生がなくなってむき出しになり

崩壊がひどくなっている

大きく崩れたのはこれより下の五合目あたり避難小屋がある付近かと思う

 

最近は五十年に一度、百年に一度の気象事象が頻繁に起こるので

そのためかとも思ったがそうではない

 

植生がなくなっている・・・

 

もとより体調面から下からの登山はできず

かつ登山道は通行禁止になっており

伊吹山ドライブウェイ九合目駐車場からも登れるかどうかくらいだったが

ゆっくりゆっくり歩けばなんとかなるだろうと

久々に訪れてみた

 

貴重な、それこそ本当に貴重な植物がほとんどなくなり

石灰岩が剥き出しになっているか

選択的な植生だけが広がっていた・・・

 

選択的な・・というのは 

ニホンジカの食性の である

 

十数年前からついに頂上のお花畑にも被害が出始めたので

ネットを張ったり駆除したりはしてこられたと思うが

ここ数年は頂上全周に柵を巡らせたとのことを聞いていたので

年数をかければ徐々に復活するだろうと思っていた

 

なんのことはない

頂上のお花畑も壊滅していた・・

西遊歩道の登り切ったところに一ヶ所だけ以前の植生が残っているところがある

田で言えば一反ほどの面積にしか過ぎないが

二重の柵で囲まれているためなんとかそこだけは残っている

 

今や唯一昔の植生を保っているその花畑の前で

友人がボランティアのガイドをしていたので聞いてみたが

 

頂上の花畑を守るべくネットを巡らせてはいるが

2.3mの高さのネットを鹿は飛び越えてくるとのこと

伊吹山全山には推定で千数百頭の鹿がおり

花畑に入り込んだ鹿を駆除しても

また入り込んでくる

ひどいものはネットを噛みちぎって入るという

昼は頂上にある樹林帯に身を隠し

夜に活動する  とのこと

 

鹿も 猿も 熊も・・・

あらゆる動物が

本来の状態ではなくなってきている

 

 

 

以前の画像を探してきたので比較してみる

 

北尾根登山道

         ⬇︎

 

 

西遊歩道

         ⬇︎

西遊歩道は駐車場に近いので まだ比較的ましだが柵の上と下でまったく植生が異なるのがわかる

 

 

雪崩防止柵付近

         ⬇︎

 

 

表登山道

         ⬇︎

これだけ植生がなくなれば土砂崩れも起こるのがわかる

 

登山道頂上部付近

         ⬇︎



 

 

ニホンジカは至る所に見られ

よほど近づかぬ限り逃げずに草を食んでいる

これは八合目付近

頂上部では昼間は樹林帯に隠れて姿は見せない

 

柵の外と内で全く異なるのがわかる

木々の葉は鹿が背伸びをして食べられる高さまでなくなっている

 

きれいな花畑があるではないか!

これはキク科のキオンの群落で

鹿はキク科の植物を食べないため選択的に広がっている

同じくキク科のマルバダケブキの群落

 

頂上付近

ただの草原になってしまっている

ここは一面の花畑だった

 

秋口に咲き出すキンポウゲ科サラシナショウマ

毒性があるのかこれは残っている

選択的に残っているのは

これとイブキトリカブトキンポウゲ科

一部フジテンニンソウ(シソ科)など

それに鹿の嫌いなキク科の植物が加わる

 

途中で鉄製の雪崩防止柵の画像があったと思うが

あの規模の冬の積雪にも耐えられる柵を頂上の外周に巡らせれば

とりあえず貴重なお花畑の植生は守れるのだが

中途半端な対策しかされてこなかった・・・と

友人は嘆いていた

行政ばかりのせいにするつもりはないが

新幹線駅や飛行場など優遇はされずとも

環境を保ってきた滋賀がなぜなのかと思ってしまう

伊吹山は滋賀岐阜両県にまたがっているが頂上部は滋賀県に属する)

 

取り返しがつかない・・・という言葉があるが

伊吹山だけではないが

何万年、もっと言えば何億年かけて培われてきたものを失ってしまう

環境問題にせよ、災害にせよ、経済にせよ、人心にせよ・・・

すべて推し並べて不安定に、取り返しのつかぬ事態になってきている

 

大本は 鹿ではなく 人間にある

 

 

 

信州 ⑦ 白駒池

 

何かおかしいとは思いながら・・

八ヶ岳白駒池を跳ばしていた

 

あらためて・・

 

八ヶ岳は夏沢峠を境にして

岩峰の目立つ南八ヶ岳

針葉樹を中心とした森に覆われている北八ヶ岳に分かれる

男性っぽい南と

女性っぽい北に分かれ

御泉水のところでも出てきた蓼科山が妻に当たるのもうなずける

 

 

 

 


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白駒池を周回しても樹木が中心で花自体は少ない

麦草峠周辺や八千穂自然園の花を加えてある

 

 

 

 

 

ニホンジカ(シカ科)

いわゆる子鹿のバンビであり可愛いものだが・・・

この鹿の写真は蓼科の別荘地内で撮っている

しかも二度目の遭遇で この鹿は親とともに三頭で悠々と空き地の草を食んでいた

 

今回信州で植物の生育地を廻ったのだが

八島ヶ原湿地、御泉水自然園、八千穂自然園、麦草峠 

にはすべて防獣柵が張り巡らされていた

八島ヶ原湿地に至っては延々と全体を囲む柵が設置されていた

 

伊吹山のお花畑のことは以前に書いたが

今やアルプスの高山帯まで危なくなっていると聞く

 

逆に 朝鮮半島や台湾、ベトナムではすでに絶滅したと聞くが

鹿島神宮や奈良の鹿でもわかるとおり

鹿は古来 神の使いとされてきた動物である

 

鹿だけでなく

自然全体との接し方を考え直さねばならないように思える

 

 

 

 

 

 

 

 

信州 ⑥ 尖石縄文遺跡

 

尖石縄文考古館というところがあったので少し寄ってみたが、なんと国宝を間近にふたつも目にすることができた

若狭にも縄文時代の博物館があり5000年前とか7000年前とかの縄文土器を間近にみたことはあるが、いつもながら私などには作れない素晴らしいものばかりなのでいつも感心してしまう

 

縄文土器の縄文(縄目模様)は 中の水に対する結界だと聞いたことがあるが

なるほどそうかもしれない

神社などのしめ縄に現在でも残っている

 

 

黒曜石の矢尻

このような精密な矢尻は作れない

 

諏訪湖周辺の遺跡の分布

なんと密度の高いことか

黒曜石も産して 縄文時代の大都会のようなところだろう

 

国宝 縄文のビーナス

間近で見ると迫力がある

 

国宝 仮面の女神

現在はあらゆるところでどんどんデザインが進んできているが

ぜんぜん負けていない

 

考古館で尖石遺跡というところはどこですかと聞いてみたが

なんのことはない 歩いてすぐのところだった

というか尖石遺跡のとなりに尖石縄文考古館を建てたということだった

多くの住居跡 土器等が出土したが 今は埋め戻されて芝生に覆われている

住居跡の復元

 

ここが尖石の名前の元となったところ

斜面を少し下ったところにある

尖石の後ろにカラマツが三本生えていた

昔から住民に 尖石様 と呼ばれてきた

頂上部が石器を作る砥石に使ったようで削れて凹んでいる

 

信州 ⑤ 諏訪大社

 

以前から信州の霧ヶ峰八ヶ岳に行くことは多かったが

諏訪大社・・・は気にはかかるものの四社もあり

上社本宮 上社前宮

下社春宮 下社秋宮

はたしてどこへ詣ればよいのかわからずいつも通り過ぎていた

 

出雲大社大国主神の国譲りの話にかかわり

次男の建御名方神タケミナカタノカミ)を祀っているとのことで

意を決して 上社本宮 に詣った

 

社務所におられた巫女さんに聞いたところ

四社とも同じ祭神なので

どこをお詣りされてもよい・・とのこと

 

弊拝殿

本殿ではない

祭典や神事を行う場所とのこと

ただ一般にはここで詣っている

諏訪大社本宮には本殿はないとのことで

いわゆる奥宮 守屋山 が祈りの対象なのだろう

これは正面の鳥居ではなく東側の鳥居

 

入口御門とありこの先の廊下が布橋

四脚門 本宮最古の建造物

左が弊拝殿だが、この門の正面奥に硯石と呼ばれる磐座がある

勅願殿

私事の祈祷を行う場所

一の御柱の後ろにある磐座

ユキノシタユキノシタ科)がびっしりと生えている

ちょうどこの時期なので 茅の輪くぐり があった

楽殿

とんでもない大太鼓が二台据えてあった

 

有名な 御柱 一の御柱

すべてモミの木だという

 

二の御柱

 

三の御柱

この三の御柱は普通に大社を詣っていれば気付かない

帰りに東の鳥居の外に小さな川が流れていて、細い道があり

植物を見ながら少し遡っていったところで気付いた

後でわかったが小さな川は御手洗川というらしい

 

四の御柱

奥に見える

 

 

 

二の御柱横にある大欅

ケヤキ(ニレ科)

 

キササゲ(マメ科

雷避けになるとのことで神社仏閣に植えられたとある

 

 

コウヤマキコウヤマキ科)

 

カツラ(カツラ科)



 

 

かつては広大な社領に数多くの建物があったらしく 以下はそこに生えていたもの

 

ムクノキ(アサ科)

 

スギ(ヒノキ科)

五本杉 とあったが 近くに坂上田村麻呂云々との説明があった

やはり諏訪の神は軍神だからか

 

イカチ(マメ科

大きな木だが マメ科には違いないがなんだろうと近づいてみたら

大きなマメの鞘がぶら下がっていた

 

中央奥が御神体の守屋山

 

欄干の角にジョウビタキがとまっている

冬鳥のジョウビタキがなぜ今ここにいるのかと思ったが

八ヶ岳周辺で繁殖が確認されているそうでそういった個体かもしれない

これは広角レンズで撮っている

すぐ近くなのだが 人懐っこくずっと欄干周辺にいてくれた

 

 

さて 途中で取り上げた有名な 御柱 だが

さすがにこれは調べてもわからない

いろんな説があるようだが

考古学や歴史の素人には何も言えない

ただわかったのは

御柱諏訪大社だけではないということ

各地の諏訪神社はもちろん 諏訪の金刀比羅神社にも立っていた

何か近年では警察署や官公庁にまで立てるらしい

 

さらに先日偶然友人に誘われて加賀の那谷寺(なたでら)にいってみると

入り口に 御柱 があった

ここでは御柱が鳥居の役目を果たしている

 

確かに昔から神様のことを 柱 というが

諏訪大社で 御柱が 祈りの対象のようになっていたようにも思えない

 

わからずとも何百年何千年も続けてゆく

というのは大切なことのようにも思える

 

なお 祭神の 建御名方神(たけみなかたのかみ)だが

植物を学ばれた方は 南方熊楠(みなかたくまぐす)を知っておられるかもしれない

偶然かもしれないがこれもよくわからない