今年も昨年に続いて十五分の、球数も少ない花火大会がおこなわれた
たった十五分だがこれで 十分 いや 充分 である
十分は数量的なものを、充分は精神的なものに使うとある
やはりこの場合は充分である
毎年 湖岸に座って見ているのだが
近くに町営住宅や障害者施設、老人施設などがあり
家族連れや車椅子の方やいろんな人がゆったりと楽しんでおられる
今年もすぐ近くで見ていた小さな子たちが大喜びしていた
これでよいのだと思う
生まれ育った湖都では今年は四年ぶりに有名になってしまった花火大会が行われるが
反対運動が起こっている
あまりにも多くの人々が訪れ身動きも取れぬようになり
地元の子供達ですらまともには見ることが出来ない
終われば至る所にゴミが散乱する
危険防止のためもあるかもしれないが
湖岸には有料観覧席が場所を占め
道路沿いには目隠しに四メートルの高さの壁が延々と設置される
花火のメイン会場はちょうど私の生まれ育った小学校区にあたり
反対運動もそこから出されている
実家のすぐ近くなのだが
二十年ほど前に一度見に行ったきり
行ったことはない
中止せよとは言わないが
私もあり方を考え直すべきだろうと思っている