気比の松原

 

 

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松原に行こうとしたのではなく、通りかかっただけだが、あまりにもウルシの紅葉がきれいなのでゆっくりと歩いてまわった。もはや今年の紅葉は終わりだと思っていたところ、思いもかけず、きれいな光のもとで木々が輝いていた。紅葉する木々の中でもウルシの仲間は真っ先に紅葉することが多い。それがこの時期に紅葉の盛りを迎えているのはなぜだろうか?広い松原ではあるが、市街地と海岸の間に海岸に平行に一本の細い道路が通っている。これらの紅葉している木々はその道路より市街地側のものである。海岸沿いの松原はやはりほぼマツ林でほとんどがクロマツだろう。市街地に近いところにマツに混ざって、アベマキやコナラやヤマハゼなどがたくさん生えているところがあり、おそらく遷移が進んで土壌なども砂地から幾分肥沃なものになり、陽樹が増えてきているのかと思う。ただそれにしてもこの時期にウルシが紅葉しているのはわからない。海岸近くの影響だろうか。

歩いていると何か調査をしている方がおられたので聞いてみると、以前から松が枯れてきているのでモニタリングをしているとのこと。松林の維持のために人為的に手を加えているのかと思ったがそうでもないらしい。

 

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よく通りかかったり、砂浜で海を眺めたりすることがあったのであまり気に留めなかったが、日本三大松原はどこなのかと調べてみたら、気比の松原は入っていた。静岡の美保の松原、佐賀の虹の松原、そして敦賀気比の松原だった。古く万葉の頃から歌にも歌われた歴史ある松原のようだ。

 


気比の松原

 

なお、ウルシは触るとかぶれることがあり、特にツタウルシは成分が強いので触らないように注意してください。また、動画中に野鳥の鳴き声がするが、BGMの中の鳴き声で、松林のものではない。

湖北夕景

 

北の湖岸は夕景がきれいで、日本の夕日百選に選ばれている。琵琶湖を通して対岸の湖西の山並みに沈む夕日がきれいなのだが、湖岸が遠浅であり、ヤナギやハンノキが、あるいは竹生島の島影が景観に豊かさを添えている。

明治になるまでは太陰太陽暦(旧暦)だったこともあり、月の満ち欠けが日々の生活と結びついていたし、あれだけ多くの和歌や俳句に歌われている様に、中秋でなくとも月を愛でる習慣があった。同じ様に人々は日の出、日没と結びついた生活をしてきたことだろうし、そういったことがどれだけ人々の心を正常に保ってきたか計り知れない様に思う。

朝日の昇る姿、夕日の沈む景観を眺めて過ごすと、あらためてすごいものだと感じる。

 

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湖北夕景

 

数年前からの異常な台風が来て被害を受ける前の湖岸風景

以前はここで夕景を撮影する人が列をなしていた

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ススキとオギ

 

ススキは秋の七草の一つに入っている。それだけ日本人の感性に馴染んでおり、誰でも見かける植物である。ただ、よく似た植物に オギ があり、荻原、荻田、荻窪…などよく名前は聞いていることと思うが、さて オギ というのはどの植物かというのはわからない人が多いと思う。

今オギは昔と比べるとずいぶん減ってきたらしいが、オギは湖畔や川縁、湿地に生えている。ススキが草原や土手、空き地、どこにでも生えてくるのに対して川沿いや湖岸沿いの湿気や水分の多いところに生え、さらに水際にはヨシが生える。

一度、近くの川や湖などに行ってオギを探してみて、ああこれがオギか!と気付くのも楽しいかと思う。

荻田さんや荻原さんの中にも知らない人がいるかもしれない。

 

ススキ(イネ科)

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オギ(イネ科)

これがオギ

規則正しく並んでいる様に見える

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白っぽい 触るとふわふわ

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茎が束生していない 真っ直ぐに林立している

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手前がオギ 奥がヨシ

このオギはヨシと背比べをしてきたので3メートル近くある

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左がヨシ 右がオギ

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ヨシ(イネ科)

ススキやオギに比べてずいぶん大きくなることが多くわかりやすい

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ススキとオギの違いは

ススキは小穂の先端に芒(のぎ)が出るが オギは出ない

ススキは株元から分かれて伸びるが オギは地下茎から真っ直ぐに伸びる

ススキの穂は幾分褐色がかっているが オギは真っ白

ただ一番わかりやすいのは 穂が開き切ったとき

ススキはザラザラするが オギはなめらか

オギはちょうどぬいぐるみを触っている様な感触がする

 

左から 

ススキとススキ開き切ったもの      オギ          ヨシ

ススキは少し褐色     オギはもっとも白っぽい ヨシはかなり褐色が濃い

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ヨシ

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オギ

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ススキ

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           ススキ       オギ        ヨシ

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ヨシの小穂

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オギの小穂

芒(のぎ)はついていない

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ススキの小穂

芒(のぎ 小穂の先端に伸びている部分)がついているのがわかる

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なお、以前から考えていたことだが

茅葺き(萱葺き)屋根・・というものの材料は何なのか?

イネやムギなどの茎(藁)は水を吸ってしまうのに対して

茅の茎は油分があるので水をはじき、耐水性が強い

 それゆえ、茅(萱) ススキ、オギ、スゲ、チガヤなどを屋根材に用いた様で

 茅(萱)の字は ススキのみを指す場合と スゲ、カヤを含めた全般を指す場合がある

ヨシは長く、太く、有用なので、ヨシズ などに使われている

 

 









 

五色の滝

 

姉川ダムの近く、姉川の支流である 起し又川 を遡っていったところに五色の滝がある。裏磐梯五色沼のように滝によって色が変わるわけではなく、また、水量も少ない渓流ではあるものの、植生は豊かで、カツラ、トチノキなどもあり、秋には紅葉が美しい。

ただ、残念なことに、近年の水害などのためか、渓流沿いの道が荒れており、滝沿いに歩いて行きにくくなっている。以前の画像も含めて紹介する。

 

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以下の滝は数年前のもので、今はこれらの滝のところは通りづらいかもしれない

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五色の滝

姉川上流 紅葉②

 

 

姉川の最奥部には甲津原という集落があり、その奥は渓流の様相を呈してきて、岐阜県との県境である伊吹山地の尾根筋も近づいてくる。この姉川沿の山々には植林が少なく、自然林が多く残されている。姉川、そして妹川(以前取り上げた高時川のこと)ともに、最奥部にはスキー場が開かれているのだが、ともに深い積雪のためか、獣害も少なく、今でも植生は豊かである。

 

オオモミジ(ムクロジ科)

このオオモミジは源流部の対岸にあったので、気付いて、ゆっくりと写真を撮っていたが、今、改めてなんと見事な枝振り、色合いなのかと感心する。

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上記のカエデを幾分右から撮った物を見ると、このカエデが一つの株だということが少しわかりやすいかもしれない。

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なお、動画のはじめに出てくる次のオオモミジは上記のものとは別の個体である。

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姉川上流 紅葉②

 

姉川上流 紅葉①

琵琶湖からほぼ東に姉川を辿っていくと、伊吹山地にぶつかり、そこから姉川は北方向に山間を遡っていく。いくつかの集落を過ぎて上流にまでくると、周囲の山々は自然林が多く残されており、春の新緑、秋の紅葉ともに見応えがある。伊吹山を含めたこの伊吹山地には、全国でも少なくなって来たイヌワシが生息しており、豊かな生態系が維持されていることがわかる。

 

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天狗岩 紅葉

 

人間界の都合など関係なく、今年も同じようにきれいに紅葉していた。

残念なことに、最近は湖岸や、林の中でもかつてない強風のために倒れたり、折れたりした木々が多い。両側が垂直に近い崖に挟まれて風を避けることができるせいもあるだろうが、ここ天狗岩に生える木々は、足場も悪く、土もまともにない中でもしっかりと根付いている。というか、そのような木々の方がいざというときは強いのかもしれない。

 

 

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天狗岩紅葉

公園樹

 

今年は、遠くへ行けないのは残念だが、そのぶん近くの自然をゆっくりと見て廻った。紅葉の時期に入ってきたが、山麓里山の林よりも、公園の木々は紅葉が進んでいる。木々の自生地が海外のものも多く、そのせいもあるかもしれないが、公園のカツラの木がほとんど葉を落としているのをみると、やはり市街地や公園では幾分紅葉、落葉が早く進むのかもしれない。

サクラやコブシはやはり春に目立つが、秋に目立つ紅葉のきれいな木々も多く植栽されている。

 

イチョウイチョウ科)

何億年も前、中生代から栄えて来た裸子植物で落葉針葉樹にあたる。

生きた化石

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モミジバフウ(フウ科)

フウは中国原産だが、これは北アメリカ、中央アメリカに自生地がある

楓はカエデをさすが、中国では以前はフウの木を指した

今では日本と同じくカエデを指すようになった

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ユリノキモクレン科)

葉の形からハンテンボク

花の様子からチューリップツリーとも言う

街路樹に植えてあっても気付かないことが多いが、春にバスの窓からチューリップのような花が見えることがある

アメリカ原産

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カツラ(カツラ科)

日本、朝鮮、中国に自生するが、山間の渓流部に見事な大木が生育していることがある

秋に黄葉とともに芳香がするが、香出(かづ)が語源との説もある

以前紹介したが、キャラメルのような匂いがする

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ナンキンハゼ(トウダイグサ科

中国、台湾原産だが、ハゼの名の通り、実が真っ白になってロウ(蝋)が採れる

最近多く植栽されるようになって来たが、野鳥が運ぶのか、各地に野生化している

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公園樹

 

エノコログサ

 

ネコジャラシとしてほとんどの人が親しんできた植物かと思う。

 

エノコログサ(イネ科)

 

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キンエノコロ(イネ科)

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逆光に映える植物の代表だが、風によって花粉を運ぶ風媒花である。

イネやムギ、トウモロコシなど多くの主要穀物がイネ科の風媒花だが、花ということは、あのふさふさの部分が花であるということ。一般に知られている花のイメージとは異なるが、他にも草本ではカヤツリグサ科やイグサ科、樹木ではヤナギ科や、どんぐりのできるブナ科、スギやヒノキ、イチョウ、ソテツなどの裸子植物が風媒によって受粉する。

ただブナ科でもクリやシイは色や香りによって昆虫を集めて虫媒も併用し、キク科のヨモギやブタクサのように進化した虫媒花の仲間にあっても風媒で受粉しているものもある。

 


エノコログサ

 

秋真っ盛り

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ハロウィン満月

ハロウィン などという西洋の風習が知られるようになって久しいが、日本という国はそれがなんであれ、とにかく受け入れてしまうことが多いように思える。クリスマスイブやバレンタインデーなど、本来は一体何の日なのか知らない人も多いかもしれない。

若い頃、確かボストンの街だったか、人々が異様な身なり、あるいは仮装をして平気で歩くのを見て、衝撃というかかなり驚いた覚えがある。グレイハウンドのバスでどこへ行ってもオレンジの顔の形のカボチャが並んでいたのは、まあ何かのお祭りか風習かとは思ったが。

昨日の夕方にきれいな月が昇るのを見かけたので調べてみると、ちょうど今日ハロウィン の日が満月で、重なるのは46年ぶりとのこと。

知り合いのクリスチャンに聞いてみると、ハロウィン というのはキリスト教とは全く関係がないと言う。調べてみると、アイルランドスコットランドなどケルト民族の風習らしく、収穫祭と妖精、精霊、怪物、死者などへの儀式を兼ねた意味合いのもののようだ。

 

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右手前の島が竹生島、右奥の山が伊吹山

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月が昇ってくるときにオレンジがかって見えるのは、朝日や夕日が赤く見えるのと同じ。

上空では白く見えるが、角度が低いと光が大気の層を通る距離が長くなるので、波長の長い赤や橙の色だけが届いてくるため。

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湖面に月の光がさして映るのは琵琶湖ならではかもしれない。

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前半に野鳥の鳴き声がするのはモズ(百舌鳥)

後半で、湖面に映る月の光がきれいなのがわかるかと・・・

 


ハロウィン 満月

 

アトリ

これほどの野鳥の群れを初めて見た。
野鳥に詳しい友人に聞いてみると、

「アトリ」とのことで、この時期にシベリアから渡ってきて各地に分散していくらしいが、当初は数千から数万羽になるという。

まさに圧巻の群れに出逢った。

 

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アトリの群

 

監修 宮田 正春

 

秋の野の彩

 

まもなく森や山々の紅葉が始まるが、それに先んじて野の花たちは最後の彩りを見せる。結果としてそうなっているともいえるが、木々は草花よりも遅れて芽吹き、遅れて紅葉、落葉する。自然界の中で植物全体がひいては生物全体が共生している。

秋に咲く花には青、紫が多く、春に咲く花には黄が多いと聞いたことがあるが、たしかに秋にはリンドウやキキョウが目立ち、春にはタンポポやナノハナが目立つ。夏に森の中に咲く木々は白い花を咲かせるものが多い。昆虫や太陽光の波長などの関係かと思うこともあるが、必ずしもそうではないかもしれない。

 


秋の野の彩り①

 

ヨメナ(キク科)

ヒガンバナヒガンバナ科

ツリガネニンジン(キキョウ科)

シロザ(アカザ科

オグルマ(キク科)

セイタカアワダチソウ(キク科)

 


秋の野の彩り②

 

高時川源流 ②

県最北部の集落、中河内(なかのかわち)。年によっては積雪が4〜5mになることもある豪雪地である。高時川はこの集落の北側にある栃木峠(とちのき峠)に源を発し、この集落から東に折れて今は廃村となったいくつもの集落のある深い山間を流れ下ってゆく。

 

中河内の集落のはずれにうっそうとした巨木の生える森があって、毎年4月の中頃に林床にザゼンソウの群生がみられ、キクザキイチゲやハルトラノオなどの早春の植物とともにユキツバキやスミレサイシンなどの日本海要素の植物とも出逢うことができる。

早春のまだ木々の葉が展開していない頃か、新緑の頃に、多くの友人と訪れていたのであまり気付かなかったが、今回秋に一人で行ってみると独特の雰囲気を感じた。トチノキやカツラの巨木が生える森だが、木の根本に小さな祠があり、もともと鎮守の森だろう。神社は本来森が御神体で、社殿はのちの時代になってからできたものということがよくわかる。

 

この写真で少し感じが分かるだろうか

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右端に平均的な杉が生えているのでカツラやトチノキの大きさも分かるかもしれない

 

この森には集落を流れてきた川を橋を越えて歩いて渡ってゆくが、この川沿いに花畑かと思えるほどの野草が咲き誇っていた。

 

ミゾソバタデ科

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ミゾソバタデ科) ユウガギク(キク科) イヌタデタデ科

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ユウガギク(キク科)

柚香菊のことだが柚の香りはしない

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ツリフネソウ(ツリフネソウ科)f:id:Jiroviolet:20201009181245j:plain

 

ゴマナ(キク科)

葉がゴマの葉に似ていることから

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サワアザミ(キク科)

近畿から北海道まで、日本海側に分布

頭状花序は普通のアザミよりかなり大きい

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高時川はこの集落から東に折れて、狭い耕作地を抜けて流れてゆくが、集落のはずれにお地蔵様がおられて、きれいに草刈りや掃除がしてあった。

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高時川源流 ②

 

高時川源流 ①

以前から時折訪れている高時川源流。県の最北部に位置し、もっとも降雪量の多いところで、おそらくそれがために近年の獣害を比較的受けておらず、植生が豊かなままで残っている。

歩いていて、何種類もの植物の群生に出逢った。

もともと植物は条件にさえ恵まれれば群生するものも多いはずである。

 

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久々にツリフネソウの群生を見た。

そう言えば、以前は秋には少し川沿いに入るとよく見かけたが、ずいぶんと減ったように思う。

 

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

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ヤナギタデのこれだけの群生は初めて見た

 

ヤナギタデ(タデ科

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葉を噛むとかなり辛い

鮎の蓼酢(たでず)に使うタデ

 

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サクラタデ(タデ科

これもタデ科だが、タデと思えぬくらい見栄えのする花を咲かせる

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紅葉の少し手前にあたるが、独特の深い緑色をしている

 

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ケヤキ(ニレ科)

川沿いにケヤキの大木が多い

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高時川源流 ①

 

追記

 

今回源流沿いの道は工事がおこなわれていて通行止めになっていた。通行禁止の札の手前に車を停めて歩いているが、道路の側壁を削り取って拡幅していて、今まであった貴重な植生はほとんど失われていた。ここは丹生ダムの工事予定場所だったが、工事は何年も前に中止になっており、また道沿いは廃村ばかりなのだが、どこまで削り取っていくのか心配になってくる。それゆえ、高時川源流②では大きく迂回して北側から入っている。

キクイモ

 

 

知らない人は誰かがヒマワリを植えたのだろうと思うかもしれない。川の土手や、空き地に時々生えている。最近では自然食ブームでキクイモの塊茎が売られていたりするが、天然のインスリンとか善玉菌を増やして腸を活性化するとか言われれば売れるのもうなずける。

いつころから見かけるようになったかよく覚えていないが、アメリカ原産の帰化種である。

 

キクイモ(キク科)

 

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土手や空き地の日当たりの良いところに咲いているかと思えば、少し日陰の林の縁にに咲いていたりする 。

 

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キクイモ