ススキとオギ

 

ススキは秋の七草の一つに入っている。それだけ日本人の感性に馴染んでおり、誰でも見かける植物である。ただ、よく似た植物に オギ があり、荻原、荻田、荻窪…などよく名前は聞いていることと思うが、さて オギ というのはどの植物かというのはわからない人が多いと思う。

今オギは昔と比べるとずいぶん減ってきたらしいが、オギは湖畔や川縁、湿地に生えている。ススキが草原や土手、空き地、どこにでも生えてくるのに対して川沿いや湖岸沿いの湿気や水分の多いところに生え、さらに水際にはヨシが生える。

一度、近くの川や湖などに行ってオギを探してみて、ああこれがオギか!と気付くのも楽しいかと思う。

荻田さんや荻原さんの中にも知らない人がいるかもしれない。

 

ススキ(イネ科)

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オギ(イネ科)

これがオギ

規則正しく並んでいる様に見える

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白っぽい 触るとふわふわ

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茎が束生していない 真っ直ぐに林立している

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手前がオギ 奥がヨシ

このオギはヨシと背比べをしてきたので3メートル近くある

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左がヨシ 右がオギ

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ヨシ(イネ科)

ススキやオギに比べてずいぶん大きくなることが多くわかりやすい

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ススキとオギの違いは

ススキは小穂の先端に芒(のぎ)が出るが オギは出ない

ススキは株元から分かれて伸びるが オギは地下茎から真っ直ぐに伸びる

ススキの穂は幾分褐色がかっているが オギは真っ白

ただ一番わかりやすいのは 穂が開き切ったとき

ススキはザラザラするが オギはなめらか

オギはちょうどぬいぐるみを触っている様な感触がする

 

左から 

ススキとススキ開き切ったもの      オギ          ヨシ

ススキは少し褐色     オギはもっとも白っぽい ヨシはかなり褐色が濃い

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ヨシ

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オギ

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ススキ

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           ススキ       オギ        ヨシ

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ヨシの小穂

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オギの小穂

芒(のぎ)はついていない

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ススキの小穂

芒(のぎ 小穂の先端に伸びている部分)がついているのがわかる

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なお、以前から考えていたことだが

茅葺き(萱葺き)屋根・・というものの材料は何なのか?

イネやムギなどの茎(藁)は水を吸ってしまうのに対して

茅の茎は油分があるので水をはじき、耐水性が強い

 それゆえ、茅(萱) ススキ、オギ、スゲ、チガヤなどを屋根材に用いた様で

 茅(萱)の字は ススキのみを指す場合と スゲ、カヤを含めた全般を指す場合がある

ヨシは長く、太く、有用なので、ヨシズ などに使われている