飛来

 

今年もやはり飛来してくれた

このアサギマダラたちは

去年立ち寄ってくれたものたちの

次の世代の蝶だろう

 

そしてこの蝶たちはまた

フジバカマの蜜を吸って

遥か南西諸島まで渡ってゆく

 

 

 

 

アサギマダラ(タテハチョウ科)

フジバカマ(キク科)

 

 

 

 

今やほぼ絶滅しかけているフジバカマだが

現在のアサギマダラは同属のヒヨドリバナやヨツバヒヨドリの花を吸蜜している

ただ、すぐ近くにヒヨドリバナの花が満開であっても全く寄り付かず

フジバカマにばかり集まってくるのはやはりそれが本来の姿なのだろう

このような蜜だけで遥か千キロを越えてゆくのが不思議でならないが

自分達の知見が狭いようにも思う

 

山を越え、海を越え

なんとか遥か目的地に辿り着いてくれることを祈りつつ・・・

コスモス

 

なぜこのように撮れるのかというと、ここは手前から奥へごくわずか傾斜になっていて、後ろは少し空いて林になっている。ちょうどひな人形の飾り段のような感じと言えばわかりやすいか。

それほど多くの人が来るわけではなく、というかほとんど人は来ない。

弁当を持って毎年自分一人で楽しんでいる小さなコスモス畑だが、地域の方は毎年同じように育てておられる。

好きな場所の一つである。

 

 

 

 

 

ツリフネソウ

 

ずいぶんと少なくなったような感じがする

少し山に入り

水気の多いところには

いたるところで群生していたように思うが

もしかすると鹿によるものかもしれない

 

ひさびさに谷沿いの群生地に出逢った

ミゾソバとともに林床をおおっている

すぐ近くに

ひっそりとしたきれいに掃き清められた

神社があり

気持ちの落ち着く時間が過ごせた

 

 

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

 

野生のホウセンカ

ミゾソバとともに群生している

 

 

 

ミゾソバタデ科

 

 

三輪神社

奈良の大神神社の分社ということだろうと思うが

集落より少し山に入った静かな場所にある

 

誰も来ず静かなひっそりとした神社だが

きれいに掃き清められて

すごく落ち着いた時間が流れている

 

ヒガンバナ

 

昨年に比べるといくぶん遅めに咲きだしたのかもしれない。

十月に入った今も盛んに咲いている。

 

ヒガンバナヒガンバナ科

 

 

 

 

 

 





今年も湖岸の群生地は多くの人が訪れるようになり

他のインスタ映えスポットと同じようになってきた感がある。

湖西にはけっこうたくさんのインスタ映えスポットがあり、

驚くほどの人が訪れたり、

また問題が起きたりもしている。

 

マキノのメタセコイア並木

海図大崎の桜並木

白髭神社の鳥居

平池のカキツバタ・・・

 

若い人たちにとっての

インスタ映えスポットあるいは

パワースポットへの関心は

これだけインターネットとスマホの発達が進むと

当然のことだとは思うが

湖中の神様の鳥居の周りをジェットスキーや何十ものサップで取り囲んだり

海津大崎の道路は一般道なのだが通行料金を取ろうとしてみたり

何か昔からの自然との関わりを忘れてきているようにも思える

 

けれど若い人たちにとっても現在のような不安定な時代にあって

自然やあるいは霊的なものを求めるのも当然のことだろう・・・

 

ただ、うわー と来て わー と帰ってしまう

のはやめてほしい

できればゆっくりとそこにあるものと向き合っていってもらえたらと思う

 

 

 

 

アキアカネ 乱舞

 

このような赤トンボの乱舞を見られたことがあるだろうか?

ちょうど今の時期に高い山で過ごしていたアカネトンボが里に降りてきて飛び交うようで、山麓などで時折このような光景に出逢う事がある。

農家の友人がいつか有機不耕起栽培をしているととんでもないトンボが飛び交うと言っていた事がある。

童謡の赤トンボを作詞した三木露風兵庫県の龍野が故郷のようだが、少なくなった花々に限らず、トンボなどの昆虫も、おそらく現在では思いもかけぬほどの豊かさだったのだろう。

 

トンボは空中で他の虫を捕らえる。

蚊やブトやアブや私たちが嫌がる虫だけでなく

ウンカやヨコバイやハムシなどの作物にとっての害虫も食べてくれ

昔の人は小さい子にトンボをいじめてはいけないと伝えていた。

わざわざ農薬を撒かずともよいのである。

トンボの鳥版がツバメにあたる。

 

 

アキアカネとしたがナツアカネや他のトンボも混じっているのかもしれない。

近くにいた上の画像のトンボを見るとアキアカネのように見えるがもう一つはっきりはしない。

 


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秋の野草 ①

 

秋分も過ぎいよいよ秋本番になってきた。

秋の野草も一気に咲きだし野辺を彩るようになり

散策がもっとも気持ちのよい季節である。

農道や畦道を歩いて目についた

いわゆる野の花々をあげてみる。

とりあえず ① としたが、いつ ②  が出せるかはわからない。

 

フタバハギ(マメ科

ナンテンハギともいう

 

 

アキノノゲシ(キク科)

 

オオイヌタデタデ科

 

 

キンエノコロ(イネ科)

 

アキノエノコログサ(イネ科)

 

 

ツユクサツユクサ科)

この時期に咲くということは 

ツユクサは 露草 であって 梅雨草 でないのがわかる

 

 

マルバルコウソウヒルガオ科)

 

ゲンノショウコフウロソウ科

 

ゲンノショウコは赤と白がある

 

 

イボクサ(ツユクサ科)


 

コナギ(ミズアオイ科)

ミズアオイ科とある通りミズアオイは今では希少な絶滅危惧種

コナギはいくらでもある

コナギの名前はどこからきているのかと思ったが

ナギがミズアオイの別名とある

 

ヒレタゴボウアカバナ科

アメリカミズキンバイとも

琵琶湖はオオバナミズキンバイの繁茂に困っている

 

サクラタデ(タデ科

アップで見るとタデとは思えない

もっともきれいなタデだろう

 

キツネノマゴ(キツネノマゴ科)

 

アメリアサガオヒルガオ科)

栽培のものではない

ケイトウは畑の片隅に捨ててあったもの

 

 

ソバ(タデ科) と イネ(イネ科)

 

あかずながむ

 

かなり強い台風の直撃ということで

どこにも出掛けられず

Memoriesを・・

 

愚かな話かもしれないが・・・

西行法師や良寛さんが月を飽きずに眺めた・・

とのくだりで思い出したことがある

 

ノイバラ(バラ科

 


どの世代の人たちまで習われたのかは知らないが

小学校で習った「野バラ」という歌がある

童は見たり 野中のバラ・・

歌というものはすごいもので何年経っても歌詞を全て覚えているが

あかずながむ・・

というくだりは小学校の頃はわからなかった

そんなガムがあるのだろうか?

 

何十年も経って越前海岸のある漁港で釣りをしていた時

各漁港は朝昼夕の定時に音楽をかける

野バラがかかっていたので歌詞を口ずさんでいた

ところが、あかずながむ・・のところで急に

あ! あれは 飽かず眺む か!

飽きずに眺める という意味か!

感動したこと!

感動したこと!

赤砂ガムではなかった

 

歳をとって思うのは

当時はわからずとも

文語というものは趣があり

何か響というものを感じる

たくさんの文語の唱歌を習ったのも

意味のあることのように思え

明治、大正の頃の先人が

次代の子供たちに思いを込めて選び創られたのだろう

 

更に今少し調べてみると

もちろん元はドイツ語だが

あの曲はシューベルトの曲だと思っていたが

詩はゲーテ

曲はヴェルナーという人だった  

 

愚かな学生時代を過ごしたというのも

決して悪いことばかりではないかもしれない

歳をとっていくつもの感動が待っている

 

 

萩 芒 葛

 

 

萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花

 

秋の七草だが

このうち初めの三種

ハギ ススキ クズは

野草というイメージではなく灌木や空き地一面に広がる多年草

あるいは他の植物に覆いかぶさるつる植物で

後者とは少し異なる

 

ハギは灌木だが秋にふさわしい感じがする

漢字すら 萩 である

 

ヤマハギマメ科

 

 

 

 




ススキは空き地一面に生えてくる植物だが

誰も文句は言うまい

中秋に供えるくらい

日本人の感性に入り込んでいる

 

ススキ(イネ科)

 

 

 

 



問題はクズで

なぜこれが入っているのかがわからない

確かに根が有用で

葛粉がとれ、葛根湯の材料になる

けれど食用や薬用であれば他にいくらでもある

アケビの果実は美味しいし

ゲンノショウコの花も魅力的だろう

灌木や低木を覆い尽くすように繁茂する姿を見ると

これを入れずとも・・・と思ってしまう

 

クズ(マメ科

 

山上憶良に文句を言うわけではないが

毎年秋になると悩んでいる

ただ一つ納得できるのは 花 である

マメ科の花は独特なものが多いが

これほどの色彩を持つ花も少ない

奈良時代の人は花だけを見たのだろうか

 

クズ(マメ科

 

あるいは今では里山という言葉で表される

これら人里と山林の間での生育の様子が

現在とは変わってきているのかとも思う

掘り起こして精製するのは大変に違いないが

今以上に葛粉は利用され

それほど繁茂していなかったのかもしれない

 

が・・・わからない

 

 

十六夜 ②

 

月の出がこれだけ感動するものとは知らなかった・・

また、月の出だけでなく中空に昇ってからも見飽きるということがない。

西行法師や良寛さんが月を見て飽きなかったというのが少しはわかったような気がする。

 

太陽は日の出や日没は誰しも感動的で、また思い出に残るようなこともあるかと思うが

ただ月のように中空に昇ってから眺め続けるということはあまりないだろう。

 

良寛さんなど、知人が訪ねてきてくれたので

里まで酒をもらいに行く途中、あまりに月がきれいなのでいつまでも眺めて

酒のことや知人のことを忘れてしまったという。

 

数分間の月の出の動画だが

これを見ても感動は伝わらない。

東に開けた場所があれば

実感できると思うので

一度時間をとって眺めてもらうきっかけにでもしてもらえればと思う。

私も含め、現代人は自然と共に生活することを忘れてしまっている。

ただ最近は以前はそれほど言わなかった、中秋の名月や七夕など

春の花見はもとより、古来大切にしてきた慣習を皆が振り返るようになってきているのは

よいことのように、また当然のことのようにも思える。

 

 

 

露出の関係で月が白っぽく見えるが、実際はオレンジがかっている

左の方にある明るい星が木星

わずかな雑音も入るが、波の音や虫の声が聞こえ三分半ほどある

 


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十六夜 ①

 

残念ながら昨夜はほとんど曇りではっきりと名月を見ることができなかった。

幾分東の空に雲が残っているものの、今日は大丈夫だろうと夕方に湖岸に行ってみて、

月が出てくるまでは不安なものだったが・・・

 

月の出がこれだけ感動するものだとは思わなかった。

十六夜(いざよい)の月・・・

日が沈んでまもなく東の空から出てくるが

いざよう・・ためらうような出方なのでこの名がある。

 

太陽と同じく

月の出の頃はオレンジがかって見える

 

 

中秋を過ぎてもやはりウサギは餅をついている

よく見るとやはり満月より右上がわずかに欠けてきている

 

月の左に明るい星が見えるので

これだけ明るいのは惑星だろうと思っていたが

後で拡大してわかった

 

木星だった

イオだかガニメデだか、衛星(木星の月にあたる)が見える

 

センニンソウ

 

至る所でセンニンソウの花が目立ち始めた

マメ科のクズやフジなどと比べれば控えめなツル植物だが

花の密度がすごく、一気に存在感が出る

 

センニンソウキンポウゲ科

 

 

赤は ヨウシュヤマゴボウヤマゴボウ科)

 

 

 

 

赤は ヤマハギマメ科

 



これは琵琶湖ではなく越前海岸



 

センニンソウの名は果実の綿毛が仙人の髭のように見えることから

これは昨年の画像

 

ノゲイトウ

 

 

おかしな言い方かもしれないが・・

時折、園芸種かと思えるような野草に出逢うことがある。

ノゲイトウもその一つで、群生しているのを見ると

誰かが植えたのかと思ってしまう

熱帯アジア、インドに自生するが

やはり セロシア という名の園芸種として流通しているようだ

 

ノゲイトウ(ヒユ科

 

もちろんこれらのノゲイトウは植物園のものでも植栽されたものでもない

野生化しているものである

赤の色が混じっているのは マルバルコウヒルガオ科)

葉月

 

前線がかかり続け、あまり夏らしくなかった夏

熱波で作物もまともにできない国々も多いと聞くのでまだましかもしれないが

やはり四季は四季らしくあってほしい

 

なんとか夏らしい風景を集めてみた

 

湖岸夕景 内湖より

 

海津大崎より

この後すぐ遥か対岸から河川氾濫によっておびただしい流木が流れ着くことになる

 

クサギ(シソ科)

 

ハス(ハス科)

 

ダイサギ(サギ科)

 

カワウ(ウ科)

 

 



積乱雲 夕景

 

アカシデ(カバノキ科)

 

タカサゴユリユリ科

 

ハグロトンボ(カワトンボ科)

 

アブラゼミセミ科)

 

 

 

ワンド

 



川や湖岸の一部が突出して岸を囲い込むようになった地形を

ワンド と呼ぶ

 

琵琶湖最北部に

月出のワンド と昔から呼んでいる所があり、古い言葉なのだろう

 

少し調べてみると

淀川の人工堤によって岸にできた地形をワンドと呼んだのが初めで

湾処の字をあてる とあったが

そんなことはないように思える

 

アイヌ語起源の言葉とする説もあるとのことで

アイヌ語では ワンドは  wa-un-to   岸ーにあるー沼 

私にはこちらからきているように思える

比良山も 比良 ピラー はアイヌ語の 崖 だろうと聞いたことがあり

地形などに古くからの言葉が残っていて当然だろう

 

月出のワンド

 

ずいぶんと前になるが

多分バスガイドさんに教えてもらったのだろう

積丹半島の シャコタン は シャク(夏の) コタン(村)  

知床半島の シレトコ  は シル(地) エトク(突き出た)  

とのことを聞いた時  うわー そうかー! と ある意味感動すらした

 

地形の呼び名だけでなく 地名ならば

北海道はもちろんのこと東北にもいっぱい残っているとのことで 当然だろう

 

トナカイ(トゥーナカイ)も ラッコ(ラッコ)も

アイヌ語そのもので

nonno(ノンノ)はアイヌ語の 花 だそうだ

 

なお最上部の画像は安曇川河口付近の地形で

ワンド にあたると思う

夏の花 秋の花

 

いつもなら夏の盛りのこの時期には一度は信州などの高地に行ってゆっくり花々を見たり、森や湿原を歩いたりする。

ところが昨年も今年もなぜか夏に  困った人?  の波のピークが来ていて、仕方なく近くのできるだけ涼しそうな場所を選んで歩いたりしている。

先月にキキョウやナデシコなどの秋の花々が咲き出していると取り上げていたが、今年の立秋が今月の7日・・・

秋の花々がたくさん咲き出しているもので、この暑い盛りではあっても、季節は確実に秋へと移り変わってゆくのだなぁと気付かされる。

 

フシグロセンノウ(ナデシコ科)

この花は感じとして夏の花なのかもしれない

もちろん同じナデシコ科のカワラナデシコ秋の七草に入っているが・・・

(この花は私の名前に似ている)

 

ボタンヅル(キンポウゲ科

クレマティスの野生種のようなもの

 

クサギ(シソ科)

確かに葉を揉んだりすると嫌な匂いがするのでこの名があるが

花はいい香りがする

 

クサギは夏の花だろう

 

ヤマノイモヤマノイモ科)

これがいわゆるヤマノイモ、自然薯

ただしそんな簡単に掘り起こせるものではない

 

川沿いにあったツルのピラミッド

ボタンヅル(キンポウゲ科) フジ(マメ科) サルナシ(マタタビ科)に絡まれて無茶苦茶になっている

元の木はよくわからなかったが梢(こずえ)をアップするとヒノキ(ヒノキ科)だった

 

ツリガネニンジン(キキョウ科)

これはだれが見ても秋の花だろう

 

 

ノブドウブドウ科

花より実がきれいな植物

 

 

イヌザンショウ(ミカン科)

サンショウのようないい香りはしない

 

アカソ(イラクサ科)

アカソの名前がよくわかる

 

ミゾホオズキ(ハエドクソウ科)

水辺に生え、夏の花の感じがする

 

ヌスビトハギ(マメ科

果実ができると名前の由来がわかる

ハギというからには秋に入れたほうが良い

 

オトコエシ(オミナエシ科)

オミナエシに対比する花で秋

 

ミズタマソウ(アカバナ科

果実が水滴のようになるためこの名がある

水玉が夏のイメージ

 

メヤブマオ(イラクサ科)

 

コバギボウシ(キジカクシ科)

これは夏の花だろう



 

キンミズヒキバラ科

ギリギリ秋に入るような感じの花

 

 

ミソハギミソハギ科)

盆花、精霊花という言い方もあるくらいなので夏の花

 

 

ソクズ(レンプクソウ科)

これは難しいが 夏

少し薄暗いところに咲く白が映える

 

 

ヤナギハナガサ(クマツヅラ科

いかにも夏

 


タカサゴユリユリ科

お盆になると急に咲きだすこのユリも

以前に紹介したヤマユリカノコユリと同じく夏の花に入るだろう

 

あくまで個人の感想です・・・