キンキマメザクラ

 

最近は河津桜が有名になって、早ければ二月くらいから開花しているようだが、自然林の中にあってはキンキマメザクラが三月の上中旬頃に咲き始める。

一般のサクラとは異なり低木で4〜5mくらいまでにしかならず、落葉樹林の林片や樹林中にポツポツと目立つこともなく咲いている。

 

キンキマメザクラ(バラ科

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この花は少し見上げて撮ったもので、ほとんどの花が吊り下がるように下向きに咲く

花の大きさは一般のソメイヨシノヤマザクラの半分ほどでずいぶんと小さい

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近畿の名がついているが北陸、中部、中国地方にも広く分布する

マメザクラは富士、箱根、伊豆を中心に南関東、中部に分布している

 


マメザクラ

キクザキイチゲ

 

アネモネの野生種・・といえば感じがわかるかもしれないが、カタクリフクジュソウなどのようには一般に知られていない野草かもしれない。ここのキクザキイチゲは川沿いの竹林の中に生えていて、見にくる人はまずいないように思う。春の妖精(スプリングエフェメラル)と呼ばれる花々の中でも早い時期に咲き出し、その開花期間も短い。

 

キクザキイチゲキンポウゲ科

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キクザキイチゲ

一番スミレ

 

毎年冬を越し、ようやく春の兆しが見えてきた頃に春の妖精(スプリングエフェメラル)と呼ばれる花たちに出逢える。ちょうど今は 早春賦 の歌詞にあるような時期にあたるが、そのような植物を探していると、あぁ咲いている という感じでスミレに出逢う。

今年ももうスミレは咲いているとは思わず、サンインシロカネソウ を探していたら、水辺に一輪早くも咲いていた。

たかがスミレであるが嬉しいものである。

水辺というのは雪が融けるだけでなく、周囲の気温も一定に保つ働きがあるのかもしれない。

 

スミレサイシン(スミレ科)

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以下の花も流れのある水辺に咲いていたものである

 

フキ(キク科)

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キクザキイチゲキンポウゲ科

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いよいよこれから春本番に向かって木々が芽吹き、花々が咲き誇る季節を迎える。

龍安寺

 

 

京都のすぐ近くに生まれ育ったが、行きたいとは思いながら、いまだに行っていないところが多く、いまだに祇園祭も見たことがない。

ただ、伏見稲荷などは小さい頃毎年のようにお参りに行っていたし、嵐山などは、物心ついてから、なんや、ここを嵐山というのか・・というような感じで、一般の人が観光に来られた時の感覚とは異なる場合が多かったように思う。

いつかは行きたいと思いながら、龍安寺も訪れたことがなかった。

今回も行こうとして行ったのではなく、病院の待ち時間が長すぎて、思いついただけである。

 

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有名な石庭であるが、初めてみるとどんな感覚を受けるのかと思っていたが・・

特別な感覚はなく、普通の感じだった。思っていたよりも石庭は狭かった。

ただ、幸か不幸か、今は訪れる人が比較的少なく、寺本来の落ち着いた境内の 気 の中で石庭を見、庭を廻ることができたように思う。

 

龍安寺が何宗の寺か意識していなかったが、やはり臨済宗の禅寺だそうで、なるほどこの庭を見ていると納得する。

十五の石があるが、どこから見ても全ての石を見渡すことはできないそうで、試して見たが、納得できた。いろいろな捉え方があるようだが、やはり深い意味での物の見方、捉え方を指し示しているように思える。人間の五感でなんでもすべて見える、捉えられると思い込むのは愚かなことだろう。

石庭の石は左から 五 二 三 二 三 の 十五 からなり 左の五と二(七)、中央の三と二(五)、右の三 の順に並んでいる。

七、五、三 は子供のお参りで知られるように 陰陽説の陽数にあたり、七、五、三を足した十五は十五夜の満月が示すように完全数になり、お宮参りも神無月の十五日にゆく。

三歳と七歳で女子が 五歳で男子がお参りに行くのは 雛祭りの 三人冠者、五人囃子と同じで、三月三日が女子の雛祭り、五月五日が男子の端午の節句であるのも同じである。

石庭を見た後、庭園を見て廻ったが、思ったより広く、裏山も含めるとかなりの敷地の禅寺だった。

やはり、人が少なく落ち着いて境内を廻れるのはありがたかった。

 


龍安寺

 

なお、庭園のある方丈の畳の間には仕切りがしてあって入れないが、方丈の間に入って石庭を見ると、一箇所だけ全ての石が見渡せる場所があるそうである。

 

キバナセツブンソウ

 

この前セツブンソウを見に行ったおり、一株だけ明らかにつぼみの黄色い個体があった。

 

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葉の着く様子はセツブンソウと似ているが、セツブンソウのようには切れ込んでいない。近くに行く機会があったのでもう一度行ってみると・・・

 

 

キバナセツブンソウ(キンポウゲ科

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ちょうどフクジュソウのミニ版のような花だが葉の形態が異なる。ミスミソウスハマソウの花と似ているがこれも葉が全く異なる。

 

キバナセツブンソウだった。

ヨーロッパ原産のものでヨウシュセツブンソウともいう。

ということは明らかに植栽の個体である。

 

ここは伊吹山麓の寺の伽藍の跡地で、元から生育してはいたが、住職のかたがタネを巻いて増やしておられる。

 

アメリカには黄色のカタクリがあるのは知っていたが、こんなものがあるとは知らなかった。

 

また、以前からセツブンソウを虫媒している昆虫は何なのかと疑問に思っていたが、偶然に犯人の一人を見つけた。

 

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左上をアップすると・・・

 

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ジョウカイボンなどの甲虫の仲間に見えるが、足に花粉をつけており、花粉を食べているように見える。他にも虫媒している昆虫はいるのだろうが、やはりこのような気温の低い時期でも活動し出している。

 

偶然にも今日は 啓蟄 だった。

 

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アズマイチゲキンポウゲ科

残念ながら気温が低くて葉が展開していなかった。

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如月 

 

まもなく三月に入り啓蟄を迎える

寒の戻りはあったとしても開花や芽吹きの季節が徐々に進んでゆく

二月中になんとはなしに撮っていた画像をいくつか・・・

 

伊吹山朝景

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霜の降りたススキ

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オオイヌノフグリ(オオバコ科)

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ヤブツバキ(ツバキ科)

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湖岸夕景

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余呉

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ハンノキ(カバノキ科)

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フキ(キク科)

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セツブンソウ

 

 

まだまだ寒気におおわれることもあるとはいえ、雨水を過ぎると春めいた日が増えてくる。

セツブンソウが咲き出すと、ようやく長かった冬も終わりに近づいてきた実感がある。

フクジュソウとともにその年の春の訪れを知らせてくれる

 

 

セツブンソウ(キンポウゲ科

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セツブンソウ

ザゼンソウ

今から四十年前、今津中学校の生徒が見つけて理科の先生に報告したことからこの群生地は知られるようになった。

今では毎年、二月から三月にかけて数多くの人が訪れ、観光バスが来たり、ザゼンソウ最中(もなか)が売られていたりもする。

メタセコイア並木がインスタ映えで知られるようになり、カフェや売店が林立し、メタセコイアチョコが売られるようになったのと同じである。

どんなものなのか・・・

このほかにも海津大崎の桜並木や白髭神社の鳥居など

近年では桂浜のヒガンバナも知られるようになった

湖西の近隣にはインスタ映え等で有名になったところが多い

 

ザゼンソウサトイモ科)

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ザゼンソウ

 

 

 

ミズハコベ(オオバコ科)

中央上部くらいから水が湧き出している

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ツバキ(ツバキ科)

これはヤブツバキでなく植栽

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余呉湖 雪景色

滋賀には湖が二つあると言われても知っている人は少ないかと思う。

琵琶湖の北に隣接してある余呉湖。

周囲7キロの小さな湖だが、多くの伝説があり、また賤ヶ岳の合戦など歴史の舞台となった場でもある。

県の最北部にあるが、ここをさらに北にゆくと県でも最も積雪量の多い柳ヶ瀬、椿坂、中の河内の集落へと続く。

 

天女の羽衣伝説の桐畑太夫の住んでいた川並の集落

湖の北の湖岸に天女の羽衣掛け柳がある

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湖の東西南面は周囲の山が迫っており、北側のみ平地が開けている

南面の山が賤ヶ岳でその尾根の向こうには琵琶湖がある

 


余呉湖雪景色

 

湖岸夕景

 

湖西は平野部の幅が狭く、山が迫っていることがあって、夕景がきれいなことは稀で、かわりに琵琶湖越しの伊吹、鈴鹿山地から昇る朝日は見事なことが多い。

逆に湖北や湖東からは琵琶湖越しの夕景がきれいで、感動する様な情景に出会うことも多い。

ただ、朝日の昇る早朝にいつも湖岸に行っているかというと、なかなかできないことで、反対に夕日であれば、今日は夕景がきれいかと予想して見に行く機会は多い様に思う。

それでも一つだけ利点がある。

夕映え・・である。

日が沈む夕方に琵琶湖岸から逆方向の東を見ると、山々や湖面が紫や桃色に染まって見えることが多く、時には雲の広がりなどによってすごくきれいなことがある。

 

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これは夕日の沈む西方向の夕焼け 

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鈴鹿山地は少し霞むのと、画質が少し落ちているので判別しにくいかもしれないが

北の方から横山岳、金糞岳、伊吹山竹生島、霊仙山、御池岳と続き

最後、夕日の左の黒い山並みが比良山地

 

なお、今気付いたが・・・

PC やタブレットの画面で見る場合、画質を歯車マークをクリックして手動でHD画質にすると高画質になる


湖岸夕景

 

湖岸雪化粧

今年は厳しい寒波が何度か訪れるが、二度目の積雪は幸いに量が少なく、後にきれいに晴れ上がった日があった。 

 

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海津大崎の裏山の東山だが、サロベツ原野から見た利尻島かと思えるほどきれいに化粧している

実際に行ったことはないが・・・ 

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ヨシ原とヤナギやハンノキなどの湖畔林 

後ろの山は野坂山地

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カンザキハナナと比良山

もうずいぶんと前から春先の菜の花の鑑賞地、撮影地として知られた所だが、極寒のこの時期からほぼ満開を迎えていた。ちょうど琵琶湖越しに雪化粧した比良山との取り合わせがきれいで、毎年多くの人が訪れる。

 守山市今浜町第一なぎさ公園 琵琶湖大橋東岸北

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菜の花はもともとアブラナ(油菜)として採油のために栽培されてきたが、近年では食用や観賞用が増えてきている

以前紹介したセイヨウアブラナやセイヨウカラシナが野生化して広がっているがせいぜい三月から四月の開花になる

(検索欄で セイヨウアブラナ と検索すると記事が出てくる)

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それにしてもこの時期にほぼ満開を迎えるというのはどうしたことかと不思議に思う

自生のフクジュソウやセツブンソウに対してこれら菜の花は地中海原産とある

そういえば同じ様な時期に咲き出すニホンズイセンも地中海原産で中国を経て日本に伝わったと聞く

地中海性気候は冬に幾分の降雨があり比較的温暖なことから、原生地の開花期がこの時期なのだろうと思うが、それにしても年が明ける前から咲き出しているのには驚く

カンザキハナナ  寒咲花菜 だが 極寒咲花菜 が適正かもしれない

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湖岸より西岸を望む

左が比叡山 右が比良山

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比良山 左側 中央 蓬莱山 (1174m)

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比良山 右側 左奥の雪をかぶるのが最高峰 武奈ヶ岳(1214m)

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厳寒の朝

厳寒の朝

2021年の元旦は雪の朝になった。

まともには出歩くことができないので、過去の画像になるが、朝の景観をまとめてみた。

 

鈴鹿、霊仙山からの日の出

左は伊吹山

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大津湖岸より

左奥 伊吹山  右奥 霊仙山

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海津大崎 東山

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以下の二枚は普通の田園地帯

極寒の朝にはこの様な光景になることもある

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厳寒の朝

初 雪

 

間も無く冬至を迎える。 

昨年度は異常な年で、年を超えて翌年の二月上旬になってやっと初雪が降ったが、例年であれば、十二月に入ると初旬か中旬、まれに下旬までには初雪が降る。

比較的暖かい日々が続いていたが、今年はいきなり寒波がやってきた。

紅葉も終わり、寂しい日々に入るが、植物と同じように耐えるしかない。

ただ、観る余裕さえあれば、落葉した木々が芸術作品のようになったり、

普段見かける山々はアルプスの山肌のように装う。

 

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初雪

 

 

 

 

 



 

初 冬

 

今年はまともに外へ出かけることができず、特に今は出られない。

幸い、家の周囲は林や田園が広がっているから散策はできるのでありがたいが…。

今年は比較的暖かい日が多いが、どの植物も着実に冬支度を整えている。

まもなく一面の銀世界におおわれる季節になる。

 

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初冬