もう今から十数年前になるか、仲間と藤原岳の麓のセツブンソウを見に行ったことがあり、あとで近くに梅林があるとのことで、皆で行ってみたが規模も大きくいいところだった。近くに行く機会があったので、ちょうどいい時期になっているかと久々に訪れてみたら…以前とは打って変わってとんでもない人出になっていた。パンフレットには東海随一の規模とあり、駐車場もかなりの大きさに広がっていたように思う。
近畿圏では、南部(みなべ)や月ヶ瀬などの昔からの梅林が有名だが、ここ員弁(いなべ…と読む)の梅林は見栄えがするように種々の色の梅や、枝垂れのものなどを交えて植えてあり、上部から見下ろせるような地形にしてあったりする。マキノのメタセコイア並木は見せることを意識して植えられたわけではないが、ここはまさに見せることを考えて作られた所だろう。一年にたった一二週間ほどの人出のために、これほどの駐車場や施設をと思うこともあるが、今各地で過疎化や人口の減少が続く中、この梅林によって少なくとも員弁という地名は人々に知られるようにはなり、ちゃんと維持管理する限りいつまでも残るし、年月を経るごとに立派になっていく。しかもそのことを十数年前に(もっと前かもしれない)取り組んだというのは立派なことかもしれない。
中心部を展望地から
注連縄の巻いてある古木も数本ある
奥の一画に花色としては淡い、剪定されて樹高が揃っている梅林がある
白だけでなく淡い桃色の株もあるが、ここは実際に梅を収穫するための梅林かと思う
奥の山は藤原岳
サクラのようにも見えるがやはりガクの部分が異なる
山沿いに大きな枝垂れ柳が芽吹いていて緑との対比が鮮やかだった
強剪定といって枝を深く切り込むとシュートという新しい枝が数多く伸びてくる
インスタ映え…を意識して撮ってみました
梅林なのでというのも変な言い方かもしれないが、やはり年配の方や、ご夫婦が多かった。ところが、単独の女性や、若い女性なども多く、そういった女性はたいていカメラやスマホを構えていて、一眼レフのカメラを持っている人も多い。見ていると、水たまりに浮かぶ花の姿などを熱心に撮ったりしていて…あーそうか!と気づいた。
いわゆるインスタ映えといういま流行りの女性たちだろう。
私を含めた年配のものを除けば、なぜか男性でカメラを構えている人は少なかった。
何か皆が同じように行動するとどんなものなのかと考えたりしてしまうが、今の不安定な時代に、このようなことに一生懸命になってくれているのはいいことなのかもしれないとも思う。
枝垂れ桜のようにも見える枝垂れ梅