春の突風
「比良の八講荒れじまい」という言葉がある。春先に比叡山の行者が比良山の水を琵琶湖に注ぐ宗教上の行事のことを比良の八講というが、例年3月下旬のこの時期には比良おろしの突風が吹くことが多く、有名な四高のボート部の遭難もこの時期に起こっている。
4月5日の夕方に所用で大津方面から湖西バイパスを北に向かって車を走らせていると、とんでもない風が吹いてきた。道路上には木々の枝葉が散乱し、すべての車はスピードを落として走行していたが、トラックなどは横風を受けると倒れるのではないかと思えるくらいの強風だったように思う。湖西バイパスは琵琶湖面からの標高差が50メートルくらいはあるが、途中、志賀か比良のあたりだったかと思うが、湖面を見て目を疑った。とんでもない波が見えたのである。車は止められないし、iPhone しか持っていなかったので、まともな写真ではないが、ピントがずれているなりに湖面の感じはわかるのではないかと思う。
画面の上部、左上に向かって白い線が伸びているのが湖西線で、その奥が琵琶湖の湖面だが、おそらく湖面はとんでもない状態だろう
湖西バイパスを下りて国道を北に向かい、白髭神社の南での映像
比良を過ぎて、ここの風は穏やかだが、それでもときおり体を飛ばされそうになっている
水平線のように見える対岸の境界付近が白い帯になっている。対岸は近江八幡の長命寺から南が見えているが、そこの浜から湖西の比良の湖岸にかけて、比良おろしの突風が叩きつけるように吹いている。とんでもない波だろう。ボートが遭難するどころか、琵琶湖に就航している大型の客船でも転覆するのではないかと思える。
この突風は比良の八講ではないが、春にこのような突風が吹くのを目の当たりにして驚くばかりだった。
対岸の長命寺沖のアップ
白い部分は湖水を巻き上げていて、とんでもない状態だろう
当日の夕方の天気図である
前線の通過時ではある