今年は1月から2月にかけての異常な寒気の影響だろう、梅の開花がずいぶん遅れている。ただ、セツブンソウはいつも通りに咲いてくれていた。
セツブンソウやフクジュソウはキンポウゲ科の植物だが、とにかく春一番に開花する。受粉のための昆虫すらまだ活動しているのかわからないくらいの時期に花を咲かせたりするのは、厳しい高山で夏の一時期に開花、結実するコマクサなどの植物と似かよったものがある。キンポウゲ科の植物は進化の過程では古い時代からの植物である。一番新しいのはキク科やラン科だが、開花時期を早めたり、トリカブトのようにエネルギーを使ってまで毒性を持ったりするのは他の植物との競争を避けているのだと思える。
高山植物と同じく、これら早春の植物にひかれるのは、厳しい環境で生き抜いていることが理由なのかと思う。厳しい環境でも生き抜く強い植物であると同時に、生態系の中での競争には弱い植物なのかもしれない。
花弁に見えるのはガク片で、青っぽい雄しべの葯を囲んでいる黄色いものが本来の花弁で、退化している。
左の雄しべが白っぽく見える個体は、時期的に早いからとも思えない。
色素を無くした白化個体なのかと思う。
ただ、花束のようできれいだ。