照葉樹の森

 

五月は照葉樹にとっても 落葉と同時に 新葉展開 の時期にあたる

 

ナラやサクラ、ケヤキなどの夏緑樹は落葉するが

シイやカシ、ツバキなどの照葉樹は常緑である

常緑樹という言葉を鵜呑みにすると 一年中葉をつけているように思えるが

そんなことはなく やはり葉を更新している

その時期が初夏の今にあたる

 

湖北 湖西にも 照葉樹は生育しているが

照葉樹の森 となると県南部へ行かねばみられない

伊勢神宮の森や奈良春日大社の森へ行ければよいが

いつもは三井寺の裏山あたりを歩く

 

ほぼ照葉樹の森

手前の黄緑は大津市歴史博物館の植栽のケヤキ

もう少し早ければシイの木が花や新芽を芽吹いて黄金色に輝くのだが

 

 

 

コジイ(ブナ科)

いわゆるシイの木 この木が最も多い

 

 

 

三井寺にある椎の古木

 

 

アラカシ(ブナ科)

樫の木の代表

この木も多い

 

カナメモチ(バラ科

一部の葉が赤くなっているが レッドロビンと呼ばれるヨウカナメモチでは全体が真っ赤になる

 

この時期にはこの花が圧倒的によく目立つ

園芸種の樹を植栽したのかと思うほどの花が咲く

 

 

 

アオスジアゲハ(アゲハチョウ科)

 

 

クスノキクスノキ科

シイやカシと共に照葉樹の代表種

 

リンボク(バラ科

桜の仲間は多くは落葉で春に花を咲かせるが

この木は常緑で秋に花を咲かせる

葉は細く 波打つような鋸歯に特徴がある

 

タラヨウ(モチノキ科)

多羅葉 葉の裏に字を書くことができる

インドで経典を書くのに用いた多羅樹から

 

サカキ(モッコク科)

神社で神前に供える榊だが 珍しく垣根に仕立ててあった

サカキ アラカシ ヤブニッケイなどの樹木が垣根に仕立てられていた

刈り込んでいったらこうなったのだろう

 

チャノキ(ツバキ科)

いわゆるお茶の木だが 花芽が付いている

 

ヤツデ(ウコギ科

ヤツデというが普通は九つに切れ込んでいる

ただこの葉は状態がよいのか十一に切れ込んでいる

 

 

テイカカズラキョウチクトウ科

この花もよく目立った

藤原定家の家にあったのでこの名がある

 

 

ウメモドキ(モチノキ科)

 

ムクノキ(アサ科)

この木は夏緑樹で 冬に落葉する

 

アリドオシ(アカネ科)

 

ムラサキカタバミカタバミ科

穴太積みの石垣に生えている




三井寺から北 近江神宮のあるあたりを 皇子ヶ丘 とか 皇子山 という

子供の頃から普通にその地名を呼び親しんでいたが

その皇子というのは誰なのかということに気付いたのはつい最近である

天智天皇の皇子 大友皇子 である

壬申の乱大海人皇子に敗北して亡くなった皇子である

あぁ〜 そうだったのかぁ!

愚かにもそのようなことが多い

 

大友皇子はこの三井寺に近い皇子ヶ丘あたりで亡くなったらしく

御陵も三井寺の北端にある

明治になってから付いたらしいが 弘文天皇 とある

 

少し北へゆくと 以前紹介した坂本城跡であり

その山手には穴太の集落があり

さらに少し北へゆくと坂本の門前町日吉大社がある

山を登ると比叡山延暦寺である

近江は至る所 歴史だらけである

 

残念なことに

ずいぶん歳を経てからそのことに気付いた・・・