かなり特徴的な野草に出逢ったが、どこかで見たような感じはする。ただ、トウダイグサ科だろうとはすぐわかったので、調べてみたら…ショウジョウソウとあった。猩猩は伝説のサルの妖怪が酒を飲んで赤い顔をしている意味だが、猩猩寺のタヌキ囃子で有名な言葉だ。
赤い部分は苞葉
花は中心の部分だが実になっている
これはショウジョウソウだが、茎が木質化したものがあり、日本語名はショウジョウボクというが、一般にはポインセチア…という。なるほど!
我が家にはカツラの木が植えてあって、毎年秋のささやかな楽しみの一つとして、カツラが黄葉するときのキャラメルのような芳香を楽しみにしている。今年の黄葉はまだ早いが、今日訪れた公園のカツラがあたり一面に香りを放っていて、早くも甘い香りを楽しむことができた。10本くらいのカツラが植栽されていて、今年の台風や酷暑で痛めつけられたからか、早くも黄葉が進んでいた。これだけたくさんのカツラが一斉に香りを放つところは初めて訪れた。
カツラ(カツラ科)
植栽
残念ながらキャラメルの香りは届けられない
渓流沿いのカツラ
自然植生
これはかなりの大木
絶滅危惧種という言葉が使われるようになって久しいが、多くの生物にとってますます生育環境は狭められている。地域の山々だけでなく、伊吹山のお花畑や尾瀬の湿原ですら獣害等で植生が脅かされるようになってきているが、反面、探してみると意外にも希少種が残っていることも多い。
場所、時期は明記しない。
デンジソウ(シダ植物デンジソウ科)
クローバーの形をしたシダ
田の字…草
かつては水田に普通にあったが今ではまずない
イヌスギナ(シダ植物トクサ科)
ツクシ誰の子スギナの子…
スギナの胞子嚢穂が胞子茎に着く(ツクシのこと)のに対して
イヌスギナは栄養茎の先端に着く
関東や長野より北部に分布し近畿ではここのみ
ミズワラビ(シダ植物ホウライシダ科)
シダとしては珍しい水草
本州中部以南に分布
ナベナ(マツムシソウ科)
2メートルくらいになる越年草
シソクサ(オオバコ科)
シソの匂いがする
ウシタキソウ(アカバナ科)
ミズタマソウの仲間
カツラカワアザミ(キク科)
安曇川上流部に分布するアザミ
希少種というより固有種に当たるかもしれない
食害等でかなり少なくなっている
オグルマ(キク科)
ベニシジミとオグルマ
紅と白
カナムグラ(アサ科)
ハナタデ(タデ科)
ツリガネニンジン(キキョウ科)
クマバチ
葉がナンテンに似るがフタバハギともいう
オグルマとマルバルコウソウ
アキカラマツ(キンポウゲ科)
エノコログサ(イネ科)
ツルボ(キジカクシ科)
なぜか開花時期が遅れている
キツネノマゴ(キツネノマゴ科)
夜行性の蛾を呼ぶための蛍光色
クコ(ナス科)
野草ではなく木本に入るが
ツユクサは時期を少しずらすことが多いとはいえよく見ると、ニリンソウである
セイタカアワダチソウ(キク科)
ママコノシリヌグイの葉柄が葉の端から出ているのに対して、
イシミカワの葉柄は葉の少し内側に寄ったところに着く
秋分の日を過ぎて、あれほど暑かった夏を乗り越えて、一気に秋の野草が咲き出した。
今年は例年以上に秋の花々を見るとホッとする。
ワルナスビ(ナス科)
きれいな花だが畑では駆除の難しい雑草になる
紫がかった花色の個体もありナスの花にそっくり
このトゲがワルナスビの名前の由来かと
アズキの原種
キクイモ(キク科)
根茎にイヌリンを多く含み健康食品
ジュズダマ(イネ科)
実を繋げて数珠にして遊ぶが、これは花
エノコログサ(イネ科)のグラデーション
キンエノコロ(イネ科)
チカラシバ(イネ科)
シロバナサクラタデ(タデ科)
サクラタデ(タデ科)
こちらがピンク色のサクラタデ
タデとは思えないがミゾソバなどの花とは似ている
サクラタデとヨメナ
ヨメナ(キク科)
ノコンギクとともに秋のキクの代表
ツリガネニンジン(キキョウ科)
クルマバナ(シソ科)
キンミズヒキ(バラ科)
ママコノシリヌグイと似ているが、実がきれいになる
ヨシ(イネ科)
アシが 悪し…になることから
ヨシ 良し…を使うことが多い
ススキ(イネ科)
中秋のこの時期がもっとも風情がある
アキノウナギツカミ(タデ科)
コスモス(キク科)
野草ではないが、現代の秋の七草に入れてもいいくらいのイメージ
深泥池、深泥ケ池(みどろがいけ)
京都市の北部にある池、湿地であるが、希少種が残っていることは以前から聞いていた。
以前、車で通りかかった時、警備の人が椅子に座っていて何か希少種を警備していて、いまそこに行ってみるとミツガシワが広がっていたが、それを警備していたのかはわからない。
今回深泥池に行ったみると、一面にタヌキモの黄色い花が咲き広がっていた。フサタヌキモやヒメタヌキモの花は見たことがあるが、タヌキモの花がこれほど大きいとは思わなかったし、池一面に広がっているのにも驚いた。
今回は希少種のホロムイソウ(ホロムイソウ科)はわからなかった。東北や北海道に分布するが、氷河期の名残で深泥池にも隔離分布するようで、世界的にも南限のようである。池の北半分は陸地化して湿地になっているようで、そこにあるのかもしれないが、勝手に入るわけにはいかず、また機会があれば、周囲を歩いてみようと思う。
タヌキモ(タヌキモ科)
水面から5〜10センチくらいはあると思う
ミツガシワ(ミツガシワ科)
南端より北を望む
発泡スチロールも浮いていたりする
ある程度予想はしていたが、あまりにもひどかった。折れ、ねじれ、裂け、倒れ、ちぎれ、いたるところで無残な姿をさらしていた。チェーンソーの音が絶えず、テープ囲いや通行止めが多いためゆっくりと植物をみて廻る雰囲気ではなかった。
数十年、数百年の大木が倒れたり、幹や枝が折れたりしていて、台風が通過して二週間以上経っているにもかかわらず、落ち着きを取り戻せてはいないし、倒れなかった木々も枝や梢が引きちぎられたりしており、以前のような植物園には当分戻れないだろうと思える。
残念な限りである。
植物生態園はゆっくりと廻れず、それ以外のものをとりあげている。
分布は日本全土と表記するものもあるが、九州地方と済州島の分布と聞いたことがある
ヒガンバナは3倍体であり、種子ができない
キブネギク
キクの名はあるがいわゆるアネモネ
タヌキマメ(マメ科)
ワレモコウ(バラ科)
タコノアシ(ユキノシタ科、タコノアシ科)
説明は不要かと
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
シロバナ
アレチヌスビトハギ(マメ科)
トウテイラン(ゴマノハグサ科、オオバコ科)
中国の洞庭湖の澄んだ水の色の名があるが、海岸沿いに生育する植物
中国地方、近畿地方の北部海岸沿いに分布
トラノオの名が付いていてもよさそうな花
ミズキンバイ(アカバナ科)
琵琶湖で異常繁殖して駆除に困っているオオバナミズキンバイとは異なり
ガガブタ(ミツガシワ科)
エノキ(ニレ科)
木本をとりあげていないので…
芝生広場にある大木は無事
以前、家の裏に、ずいぶんと大きなクヌギの木があって、広い林床にはトキワイカリソウ、ノダケ、ショウジョウバカマ、ナルコユリ、キンランなど、それとたくさんのタムラソウがたくさん咲いておりました。ある日、仕事から帰ってみると、クヌギは根元からすっかり伐採されており、そのあと薪になってしまったようです。ずいぶんとがっかりしましたが、予想どおり、翌年から林床にあった植物はどんどん減っていき、やがてススキが拡がってきました。ススキを刈ったりしましたが、あれだけたくさんあったタムラソウもすっかり姿を消して、十年以上の月日が経ちました。
ところが…
この春家の裏に、思いがけず、タムラソウの株のようなものが生えており、今年の災害続きの、異常気象の夏も乗り越えて、先日花を咲かせました。
雨上がりの花にはオンブバッタが体を休めていました
自然というものは、弱い面もあり、同時に強い面もあることを教わったように思います
湖東の犬上川というのは、琵琶湖の対岸に近いこともあり、あまり行くことはなかったが、今回、中流の大瀧神社を訪ねてみた。湖東には北から芹川、宇曽川、犬上川、愛知川、日野川、野洲川・・・と大きな川が比較的狭い間隔で琵琶湖に流れ込んでいる。それだけ東部の鈴鹿山地の水源が豊かだということかと思う。ただ、今回、犬上川の流れを地図で確認してみると、上流は北谷と南谷に分かれており南谷の方に犬上ダムがある。犬上ダムを上り詰めて行くと愛知川の上流の政所や 杠葉尾(ゆずりお)に至るのは知っていたが、やはり湖東の川の流れや地勢はもう一つよくわからない。来年にでもゆっくりまわってみようと思う。
大瀧神社のすぐ側を犬上川が流れており、大蛇淵と呼ばれる渓谷になっていて、このような景勝地があるとは知らなかった。寝覚めの床や厳美渓とかまではいかなくとも、なぜあまり知られていないのか不思議に思えるくらい見事なところである。
大蛇淵
大瀧神社というが、ここの少し上流に犬上ダムができるまでは、滝のような規模の淵だった
神木の杉
大瀧神社
大蛇ケ淵
犬胴松
犬上川の名前の由来とも関係するかと思うが、愛犬の首をはねるくだりがもう一つよくわからない
南総里見八犬伝のように家臣のたとえだろうか?
小石丸
小石丸の首を鎮めた祠
大蛇ケ淵の対岸にある
ヤマナシ(バラ科)の巨木
ヒメリンゴくらいの大きさがあり、かなり大きい
以下は大瀧神社のものではない
ナツハゼ(ツツジ科)
鈴生り
センブリ(リンドウ科)
コバノガマズミ(スイカズラ科)
ヤマトキソウ(ラン科)
キキョウ(キキョウ科)
オケラ(キク科)
新分類体系ではスイカズラ科になるが、マツムシソウの仲間と言われればなんとなくわかる
希少種で本来は2メートルくらいになる
この個体は刈られている
ウシタキソウ(アカバナ科)
ミズタマソウの仲間
麦草峠より少し下ったところにある八千穂自然園も獣害を受けており、園内のいたるところにフェンスが設置してあった。扉を開けてフェンス内に入ったとたん、シモツケソウやヤナギラン、ヤマユリなど急に色彩が豊かになるのはなんとも残念な限りである。
園内の紅葉滝
飛竜の滝
シラカバ(カバノキ科)
ツバメオモト(ユリ科)
ヤマトユキザサ(ユリ科)
トチバニンジン(ウコギ科)
ズミ(バラ科)
トモエソウ(オトギリソウ科)
ママコナ(ハマウツボ科)
ウスゲタマブキ(キク科)
シラネセンキュウ(セリ科)
イヌトウバナ(シソ科)
アズマレイジンソウ(キンポウゲ科)
ソバナ(キキョウ科)
オクモミジハグマ(キク科)
ミヤマタニソバ(タデ科)
オククルマムグラ(キク科)
オタカラコウ(キク科)
タムラソウ(キク科)
アズキナシ(バラ科)
メギ(メギ科)
ワレモコウ(バラ科)
熊穴
ヤナギラン(アカバナ科)
フシグロセンノウ(ナデシコ科)
アキノキリンソウ(キク科)
マルバダケブキ(キク科)
ヤマハハコ(キク科)
ハンゴンソウ(キク科)
ハナチダケサシ(ユキノシタ科)
十年ほどか前に訪れた頃と比べて、ほぼ遊歩道に木道が敷かれてあるのと、獣害がひどく一部では柵で囲われているようになっていた。
標高二千メートルほどの峠一帯はオオシラビソやコメツガの針葉樹林帯になっており、白駒池周辺は林床のコケの種類や量が多いので有名だが、この日は夏の日差しが続いているため、コケもしっとりせず、いくぶん乾いてみえた。
峠より茶臼山
コメツガ(マツ科)
オオシラビソ(マツ科)
左 ダケカンバ 右 コメツガ
麦草峠に草原が広がっており、種々の野草が開花しているが、周囲一帯はやはり柵で囲んである。
標高二千メートルを越えるここでも、獣害で本来の植生を保てなくなっているのは残寝なことだ。
ゴマナ(キク科)
ウツボグサ(シソ科)
シロバナウツボグサ
本来は湿地帯に生育するが…
シモツケソウ(バラ科)
キリンソウ(キク科)
キバナノヤマオダマキ
カライトソウ(バラ科)
ハナイカリ(リンドウ科)
ハクサンシャジン(キキョウ科)
エゾリンドウ(リンドウ科)
キソチドリ(ラン科)
テガタチドリ(ラン科)
たぶん
左シュロソウ(ユリ科)
右タカネアオヤギソウ(ユリ科)
ウド(ウコギ科)
マルバダキブキ(キク科)
ヤツタカネアザミ(キク科)
確定できないがおそらく
フタバラン(ラン科)
種までは特定できない
コイワカガミ(イワウメ科)
この周辺一帯が樹林がなくなり、庭園風になっている
葉は五葉
コメツガのマツボックリ
数センチ程、小指の先くらいでかなり小さい
ミヤマシグレ(スイカズラ科)
種名はわからない
コイチヤクソウ(イチヤクソウ科)
タケシマラン(ユリ科)
白駒池
ミネザクラ(バラ科)
おそらく…
托葉がある
ミネカエデ(カエデ科)
白駒池周回道にあるコケに覆われた樹林帯
木々の幹を覆うようにコケが盛り上がっている
ダケカンバ(カバノキ科)
このような暑さの中では咲いているものもないように思えるが、春や秋ほどではなくとも咲いているものはあるもので、印象的な花が多い。いつも通り、植物園は短時間しかまわることができなかったが、この植物園の植物生態園は、ゆったりとした時間を過ごすことができた。
西日本のササユリに対して、東日本ではこのユリに出逢う。
派手な印象の花だが、交配によるカサブランカの原種だと聞いたことがある
ハマカンゾウ(ワスレグサ科)
ノカンゾウに似るが、海岸沿いに咲き、常緑
アポイギキョウ(キキョウ科)
一輪だけ咲いていた
背は低く、花は大きい
カリガネソウ(シソ科)
咲き残りの一株
レンゲショウマ(キンポウゲ科)
本州の太平洋岸の温帯域に分布するとあり、少し遠くへ行かないと見ることのできない花だが、個性的な印象的な花でもある
写真に撮るのが難しい花でもある
フシグロセンノウ(ナデシコ科)
そういえばこの花は秋の印象でなく、比較的暑い時期に咲いているかもしれない