梅雨の花 ①木本

 

なにも好き好んでこの時期に咲かずとも・・・

とは思うが

植物はゴールデンウィークやお盆に集中するようなことはしない

寒さや乾燥などの悪条件さえなければ全体としてまんべんなく開花時期を迎えている

まだ寒々しい時期に開花するものもあれば

この雨の多い梅雨に咲くものもある

 

春などはあまりに変化が早く一週間どころか一日で様相が変わるくらいだが

あえて大雑把に捉えれば

 

三月の早春に始まり

四月五月の春本番

五月中旬から六月初旬の初夏

そして梅雨の時期を迎え

七月中旬の梅雨明けから夏本番

と移り変わってゆく

 

雨ばかりだと昆虫や野鳥あるいは風媒による受粉に不利なように思うが

平地では むしろ梅雨明け後の条件が良さそうに思える夏本番の方が

花を咲かせる種類は少ない

 

①木本    ②木本 蔓性   ③草本 に分ける

 

ネジキ(ツツジ科)

これほどたくさんの花をつけたネジキには初めて出逢った

ツツジの仲間だが一般に植栽されるツツジではなく

ドウダンツツジのタイプの花

釣鐘状の花は雨には強い

 

ヤマボウシ(ミズキ科)

アメリハナミズキの日本版だと思えば良い

時期が進むと苞(ほう、花弁に見える部分)が赤みを帯びる

ヤマボウシ(山法師)は武蔵坊弁慶あるいは上杉謙信の頭の法衣と説明している

 

クマノミズキ(ミズキ科)

ミズキは初夏五月に咲くがこちらはほぼ一月遅れで咲く

 

アワブキ(アワブキ科)

枝木を燃やすと泡が出るのでこの名がある

 

ムラサキシキブ(シソ科)

良い名をもらった花の代表だが

もとはムラサキシキミからきているとのこと

きれいな紫の実をつける

 

 

クリ(ブナ科)

ネコヤナギのところで述べたが

ブナ科の花は一般に風媒花だが

クリとシイの仲間は虫媒に変化している

香りと蜜で昆虫を呼び込んでいる

中央のイガが雌花

太いブラシ状のものが雄花

 

これら以外にもまだまだこの時期に咲く樹木も多い

リョウブ、ノリウツギあるいはナツツバキなど

これらは微妙だが 梅雨明けの時期に入れた方がよいのかとも思う