愛知県
新城市
指定年月日:19340122
管理団体名:新城市(昭9・8・28)
史跡名勝天然記念物
三輪川ノ支流ナル乳岩川ノ峽谷ニシテ其上流ニ於ケル乳岩(洞窟)通天橋一名極樂門(天然石橋)及地獄洞門(天然隧道)ノ三者ハ風化及水蝕現象ノ最モ奇ナルモノトシテ見ルヘク乳岩ニハ大小數多ノ鍾乳石ノ懸垂セルアリ石灰岩以外ノ岩石ニ生シタル鍾乳石ノ例トシテ珍奇ノモノトス 峽谷ノ長サ約四キロメートル其ノ間ハ總テ緻密ナル流紋岩質ノ凝灰岩ヨリ成リ岩石節理ニ乏シキカ為ニ河床ハ一枚岩ノ觀ヲ呈シ兩岸ハ概ネ懸涯ヲ成シ蓬菜岩 瓢簟岩等ノ巨巖其ノ間ニ峙チ蔽フニ欝蒼タル美林ヲ以テス 溪流亦清淺ニシテ他ニ見ルカ如キ土砂ヲ流下堆積セシムルコト稀ナルカ為一帶ニ亘リテ景致明麗ナリ乳岩ト相待テ幽邃嫻雅ナル一勝區ヲ形成ス
この頃はテレビ番組の影響か、それだけでもないとは思うが、地質や岩石、地形の成り立ち等を考えてしまう。
愛知県三河乳岩峡を訪ねた。流紋岩質凝灰岩とあるから、火山性の流紋岩が火山灰や礫として噴き出して堆積した岩石であるが、石灰岩との関わりから鍾乳石が形成されたり、岩面が白く覆われたり、洞窟が形成されたりしたものかと思う。 乳岩洞窟の天井の割れ目から石灰分が浸み出し鍾乳石を作ったことから乳岩の名前がつけられており、岩盤自体は石灰岩ではなく、凝灰岩なのだろう。乳岩洞窟の鍾乳石からここの地名があるが、やはり歩いて驚くのは上記に記載される乳岩洞窟、通天橋一名極樂門、地獄洞門天然隧道のうち後者二つ、特に通天橋かと思う。帝釈峡の場合は雄橋の下を川が流れているから侵食作用だろうと推定できるが、ここのように岩盤の上部に空洞や天然隧道が形成されているのは流紋岩質凝灰岩という堆積岩の形成時の石灰岩や他の岩石との関わりからしか考えられない。まだよくわからない点が多いが、あーそういうことか…といつかわかった時、簡単にはわからぬから面白いのかもしれない。
乳岩山
ツルアリドウシ (アカネ科)
スズカアザミ(キク科)
桟敷岩と名付けられた滑りやすい岩を進む
水が溜まるとこのような色に
もっとも大きい淵
緑がかった茶褐色
このような岩を見ると堆積岩というより溶岩のようにみえる
ガンクビソウ(キク科)
サカキ(モッコク科)
サカキが多かった
イタビカズラ(クワ科)
黄色味がかった透明な淵
イワタバコ(イワタバコ科)
入仙橋という名の、しっかりとした橋を渡る
入仙橋から
ヤマモモ(ヤマモモ科)
これもしっかりとした鉄製の階段
白い部分はおそらく石灰分が流れ出しているのかと
この岩の上部は水分がしみ出てくるのか、多くの植物が着生している
地獄門(天然隧道)への取付き
上部は70°から80°の勾配がある
手すりのついた梯子
階段といえば階段
地獄門
右下の空洞を抜けていく
地獄門の上から
地獄門上部
通天橋(極楽門)
この空洞はどのようにしてできたのか?
奥に見える山が明神岳
少し下ったところにカゴノキ(クスノキ科)があった
鹿の子紋様から
乳岩洞窟
乳岩洞窟上部の乳岩
鍾乳石
子安観音
クマヤナギ(クロウメモドキ科)
キブシ(キブシ科)