東海丘陵湧水湿地群のうちこの期間のみ一般公開されている矢並湿地を訪ねてきた。非常にこじんまりとした湿地であるものの、秋の湿性植物が開花するこの時期は、景観の優れた湿地だった。上下二段の湿地からなっていたが、一段目は一本のハンノキの周りを一面のサワヒヨドリが覆い、部分的にキセルアザミやコナギが開花していた。奥の二段目の湿地はこれとはうってかわって、一面のシラタマホシクサの所々にミカワシオガマの赤が散りばめられており、このように絵画的にも思える湿地は、広大な尾瀬のミズバショウやニッコウキスゲの時期をのぞけばあまりない。小規模だが訪ねて記憶に残る場所である。
ハンノキ(カバノキ科)と一面のサワヒヨドリ(キク科)
ヘビノボラズ(メギ科)
茎にトゲがありのぼれないことから
ウメモドキ(モチノキ科)
葉がウメに似ている
アオハダ(モチノキ科)
コガマ(ガマ科)
キセルアザミ(キク科)
ここのキセルアザミは集合花の部分がこうべを垂れない
スズカアザミ(キク科)
それほど大振りのアザミではない
ネズミモチ(モクセイ科)
サワヒヨドリ(キク科)
矢並湿地全体景観
二段目の湿地
シラタマホシクサ(ホシクサ科)とミカワシオガマ(ハマウツボ科)
シラタマホシクサ(ホシクサ科)