アカガシとシラカシ

 

以前にも取り上げたかもしれないが

湖北地方には各集落に 野神(のがみ)の森

というものがあって

集落のはずれにあるところもあるが

集落内に驚くほどの大木があるところも多い

 

木之本町黒田には

黒田のアカガシ と呼ばれる野神があり

この木は 新日本名木百選 に選ばれている

(この黒田の集落は司馬遼太郎の小説にも出てくるが

 黒田官兵衛 の先祖の集落との説もある)

 

アカガシ(ブナ科)

 

 

 



黒田の集落の側を余呉川が流れており

少し下ったところには 大音(おおと)と呼ばれる

生糸の産地でよく知られた集落がある

 

この集落のはずれには

シラカシの大木があり

この木もやはり大音の野神にあたる

 

シラカシ(ブナ科)

株元が空洞になっていたりするが

多雪地帯にも関わらず幹、枝を大きく広げ 樹勢は盛んである

地元では 一ノ宮の白樫 と呼ばれている

 

余呉

賤ヶ岳(しずがたけ)の麓にあたる

大音の集落は前方の集落の少し右

黒田の集落は手前(上流)右にある

 

湖北にはこれら以外にも

ほぼ全ての集落に野神があると言っていいほどで

驚くほどの大木、古木、名木も多い

 

季節風の影響を受け多い時には1メートルを超える雪が積もる

冬の厳しい地方なのだが

その分 自然との結びつきを大切にしてきた地域でもある

 

また 信仰の厚い地域でもあり

観音の里 と呼ばれていて

これも野神同様に各集落におられると言ってもいいほどの観音堂がある

もっとも有名なものが

国宝 渡岸寺の十一面観音 である

 

湖北には 昔からの人々が残し受け継がれてきた

人々の心の支えになるものが数多くある

 

 

なお

アカガシ シラカシ の名は

材の色からつけられたもので

樹皮の色ではない