湖東、湖北には山麓に、かつての大規模な寺院跡がたくさんある。本堂へ向かう参道沿いに平坦な土地がいくつも並んでいて、七堂伽藍や僧坊跡など、仏教関係の建造物が建っていたのだろう。以前とりあげた湖東三山も、あれだけ近くにあれほどの規模の寺院が建ち並んでいたのには驚く。中世には天台系山岳寺院と呼ばれるものが数多くあった。
鶏足寺も以前は、己高山(こたかみやま)の山頂近く、あるいは山中の西側にかけてあったが、昭和の初めの火災以来、山麓の別院であったこの地(飯福寺)に降りてきている。行基、泰澄、最澄の名前が出てくるし、そして現在は真言宗寺院というから変遷が激しい。
ここ十年ほどか、秋の紅葉の時期には観光バスが連なり、とんでもない人の波が押し寄せてくるようになった。
紅葉というよりは、植物を見ながら山麓や寺院を歩くことが多いので、以前から時々訪れていたが、最近では秋の紅葉シーズンには来れないどころか、近くの交通渋滞まで引き起こすようになった。
植物を見るのも、寺院を廻るのも、やはり静かな時間に歩きたい
ふと 青もみじ・・・
という言葉を思い出して、鶏足寺に寄ってみた。
ゆっくりと時間を過ごしたが、誰にも会わなかった。
けっして秋の紅葉に劣るものではない
紅葉時にはこの参道に紅葉が散り積もった写真がよく撮られている
少しなら紅葉がなくもない
木が添えてあった株もあったので植栽かもしれないが
本来生育していそうな場所に生えていた
ミツバ(セリ科)
シロダモ(クスノキ科)
シラカシ(ブナ科)
クマシデ(カバノキ科)
かなり背が高いのでわかりにくいがたぶんシナノキだろうと思う
周囲の木々の中でまっすぐに伸びている
長野県の 信濃・・の由来になった木
すぐ近くに石道寺(しゃくどうじ)という寺院があり
有名な観世音菩薩がおられる
湖北は 観音の里 と呼ばれ、信仰心の厚いところである
鶏足寺の十一面観音は 己高庵 というところに移されている