梅雨明けとヒグラシと

あまりにも長く、雨量も多かった今年の梅雨・・・

さすがに昨日の夏雲を見た時は、やっと明けるのかと確信できた。

作物の出来も悪く、植物だけでなく、アリやハチなどの昆虫たちも普段とは違う行動をとっていた。地中からやっとの思いで出てくるセミたちも甲虫たちも今年は大変だったろうと思うが、よくぞ変わらず、鳴き交わしてくれるセミたちの声を聞いていると何かありがたくすら思える。

 

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若い頃にアメリカの西海岸を夏に旅していたことがある。サンフランシスコやシアトルやロサンゼルス、オレゴン州のセイレムやポートランドなど、そしてヨセミテ国立公園、いろんな街や山をを歩いて日々を過ごしていてずっと気にかかる・・というか何か変な感じがするのだが、ただそれが何なのかがわからなかったが、ある日、多分郊外の住宅地を歩いていた時かと思うが突然に気付いた。

夏なのにセミの泣き声がしないのである。というかアメリカの西海岸にはセミがいない。

その他の地域がどうなのかは知らない。ただ西海岸にはどこへ行ってもいなかった。

カリフォルニアに住む日系の二世が、日本の父祖の地を訪ねた時、部屋に突然ゼミが入ってきて『What a big fly!』と叫んだそうだ。確かに言われてみれば、セミを見たことがないものにとってはハエの化け物に思えるかもしれない。

また、夏にセミの声を、あるいは秋に虫の声を聴く感性は日本人だけが持つようで、海外の人にとっては雑音にしか聞こえないそうだ。

日本に生まれてよかったとは思う。

 


梅雨明けとヒグラシと