梅雨時に瓜割の滝を訪ねて、久々にササユリに出逢った。以前は家の近くにもよく見かけたが、主に獣害と、さらには人の乱獲のせいもあるのか、ほとんど見かけなくなって久しい。それだけに思いがけず出逢うと、うれしく、また懐かしい。
葉がササの葉に似ているところからついた名前だが、時にはよくこれだけの葉でこれほどの大きな香りのよい花をつけるものだと感心する。
世界に百種あまりある野性のユリの中で、日本にはヤマユリ、ササユリ、カノコユリ、ヒメサユリ、ヒメユリ、テッポウユリなど、15種のユリがあり、しかも美しい。アジサイなどと同じく、シーボルトがヨーロッパに持ち帰って以来、脚光を浴び、一時は絹織物に次ぐほどの輸出量になった。明治期の日本は絹とユリで軍艦を作った・・・とまで言われる。現在、園芸で栽培、市販されるユリもほとんど原種は日本のものが多い。例えば有名なユリの女王と呼ばれるカサブランカ(Casa Blanca スペイン語で白い家)は、ヤマユリ、カノコユリ、タモトユリの交雑種。
ササユリ(ユリ科)