Indiansummer2

琵琶湖の湖西,あるいはその近辺の自然および植物の紹介です。時折県外や海外の自然になることもあるかと思います。

湖岸のハス

先月、早崎内湖のハスを紹介したが、迂闊にもそのすぐ近くの湖岸にハスの群生が見られるところがあった。湖北町の湖岸は琵琶湖のなかでもかなり沖合まで浅瀬が続いていて、付近はヤナギやハンノキが小さな島をつくっているところもあり、素晴らしい景観のところが多い。おそらくここのハスは来年以降もまだ拡がっていくように思え、今のところ気付いている人は少ないと思うが、いずれ以前の烏丸半島のように人が押し寄せるかもしれないと思う。また、ここのハスも早崎内湖のハスも、ピークは過ぎたもののいまだに多くの花を咲かせており、8月上旬が盛りだと思っていたが、この辺りのハスの個体群は勢いが強いのではないかと思える。烏丸半島のハスについて、土壌の変化や環境要因の変化が報告されていたが、自分はここのハスを見たりすると、ハスの群生はある程度の規模まで拡大すればいずれ数十年単位で自然と衰退していくように思える。平家物語ではないが.…。

中央奥の左が竹生島

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延勝寺浜と呼べばいいのかと思う

下の3つ並んでいる内湖が早崎内湖

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ヒルガオ

6月頃にヒルガオの花をよく見かけたが、8月の暑い盛りになって再び咲いているようで、これは別の種かと調べてみたら、どうやらヒルガオとコヒルガオの雑種、アイノコヒルガオのようである。コヒルガオは花の大きさがヒルガオの半分くらいですぐにわかるが、アイノコヒルガオヒルガオとよく似ている。

 

ヒルガオヒルガオ科)

苞葉の先端は鈍葉

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アイノコヒルガオヒルガオ科)

苞葉の先端は鋭葉

全体に言えることではないと思うがこの個体は花色が少し濃い

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ヒルガオヒルガオ科)

花柄にヒレ(翼)がある

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花柄にヒレがある

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比較のため  左コヒルガオと右アイノコヒルガオ

ヒルガオの花は半分くらい

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ハマヒルガオヒルガオ科)

もともと海岸性のものだが琵琶湖の湖岸には分布する

葉は腎円形

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伊吹北尾根

夜明け前に激しい雷雨があり、時折霧雨が降っていたが、伊吹北尾根の北半分を歩いてきた。国見峠から国見岳へはほぼ登り、国見岳から大禿山まではいったん降って登り返す。その先の御座峰まで行きたいが今日は縦走はできないので引き返す。歩いてわかったが、伊吹本峰から国見岳までは石灰岩が分布しており、国見岳を国見峠へ下る途中で地質が変わっている。春には花の多いコースではあるが、伊吹山の頂上とは異なり、この時期には少なかった。周囲はすべて霧の中で湿度もかなり高く、標高が1000m前後あっても蒸し暑かったが、この尾根はもともと水分が豊富なのではないかと思える。樹木が広がるところはほとんどがオオイタヤメイゲツ林と言ってもいいが樹皮や林床の石などには多くの着生植物やコケが見られる。驚いたのは、尾根筋にかかわらず、トチ、クルミ、フサザクラ、チドリノキなど、渓流沿いの樹木がたくさん生えていることだ。尾根筋にトチの大木があるのは初めて見たように思う。

 

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尾根筋に広がるオオイタヤメイゲツ林

ミズナラシナノキ、ミズキなどが混じる

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白い花はノリウツギアジサイ科)

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オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

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オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

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 大禿山頂上

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トチ(ムクロジ科)

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コシアブラウコギ科

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オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

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ツルマサキ(ニシキギ科) 

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チチタケ 

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ジンジソウ(ユキノシタ科) 

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ヒメフウロフウロソウ科

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ルイヨウボタン(メギ科)

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ルイヨウボタン群生 

これほどの群生は初めて見た

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オオバショウマ(キンポウゲ科

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ナギイチゴ(バラ科)

愛知県の猿投山に由来する

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フッキソウ(ツゲ科) 

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オニルリソウ(ムラサキ科

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ツルガシワ(キョウチクトウ科) 

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左 ヒメノキシノブ 右 ノキシノブ 

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ミヤマノキシノブ 

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ヒトリシズカ(センリョウ科)

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マルミノヤマゴボウヤマゴボウ科)

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ヒヨクソウ(オオバコ科)

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ハナイカダハナイカダ科)

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早崎内湖のハス

北の湖岸にある早崎内湖では内湖全体を埋め尽くすほどのハスが花を咲き誇っている。内部の通路は立入禁止になっていて周囲からしか見ることはできないが、年々規模を増しているようで見ごたえがある。ただ、あまりに増えすぎると光を遮って水質を悪くするようで、ビオトープ管理の立場としては増殖を遮光シートなどで抑えているようである。

この早崎内湖の少し南に奥琵琶スポーツの森という施設があり、そこの池のハスがかなりの規模だったが、近年消滅してしまった。また、南湖の烏丸半島の大規模なハスも一部を除いてほとんどなくなっている。

消滅の原因として、土質の変化による粘土層の消失やメタンガス濃度の上昇およびハスが増えすぎたことによる土壌の酸欠などがあげられているが、一ヶ所だけでなく同時に同じことが各地に起こったのだろうか?

 

 早崎内湖のハス

このような規模のビオトープが三箇所ある

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 後ろの山は山本山

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後ろ左  小谷山  後ろ右  虎御前山 

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ひらいたひらいた  なんの花がひらいた レンゲの花がひらいた  ひらいたとおもったら  いつのまにかつぼんだ

 

この歌がハスの花のことを歌っているとは知らなかった  レンゲは畑のレンゲかと漠然ととらえていたが、蓮華である

 

ハスの花は早朝の開花と昼の閉花を3日繰り返し、4日目には花弁が落ちてしまう

写真の左のものは2日目  右のものは3日目だろう

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現在の烏丸半島の様子

外来水草オオバナミズキンバイアカバナ科

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 外来種の除去

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 北東の一角のみわずかに残っている

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2014年8月3日

後ろは三上山

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京都府立植物園

府立植物園には日本の森 植物生態園というところがあり、自然に近い形で1000種近くの植物が植栽してある。春や秋によく行くが、この時期はあまり咲いているものはあるまいと思っていたが、そんなことはなかった。この夏の時期に高山以外で花々に出逢うとかえって新鮮な感じがする。生態園は周囲を樹木で囲まれており、比較的涼しく散策できる。

 

レンゲショウマ(キンポウゲ科

キンポウゲ科の植物には個性のある花々が多いが、この花はその中でも独特の雰囲気を持っていて、下向きに咲く薄紫がかった花も、少し薄暗い木々の下で咲く雰囲気に合っている。随分と前に三つ峠で初めてこの気品のある花を見たときは驚いた。ただ、薄暗い林下であちこちにばらけて咲くこの花の写真は撮りにくい。

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カリガネソウ(シソ科)

対生の葉の付け根から花茎が出て三分し二つずつ花を付けるが、計5つの花をつけることが多い。ホカケソウ(帆掛草)ともいい、いい雰囲気の花だが、匂いはたいてい嫌われる。確かクマツヅラ科だったと思うが新分類体系でシソ科と言われてもピンとこない。

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ヒオウギ(アヤメ科)

ヒメヒオウギスイセンと紛らわしいが、こちらのヒオウギが本来の種でヒメヒオウギスイセンは交雑によって作り出されたもののようである。祇園祭の飾り花として欠かせない花。緋扇子。

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 この葉の形から扇(オウギ)の名がついたのだろう

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ヒメヒオウギスイセン(アヤメ科)

むしろこちらの方が原種に見える

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 こちらの葉は扇型にならない

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フシグロセンノウ(ナデシコ科)

もちろん科も種も異なるが、夏の樹下で緋色の花を咲かせるという点ではヒオウギと似ている。

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ヤマユリユリ科

突然変異種のようで紅筋ヤマユリとあった。本来のヤマユリはと調べてみたら黄色の筋が入っている。

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キキョウ(キキョウ科)

秋の七草であるが、考えてみればこの時期に咲くのは少し早すぎるようにも思える

秋の野に咲きたる花を指折り(およびおり)かき数ふれば七種(ななくさ)の花

萩の花  尾花葛花  撫子の花  女郎花また藤袴  朝貌(あさがお)の花

万葉集  山上憶良

このうち 朝貌(あさがお)がキキョウだろうと言われているが

キキョウとナデシコは7月下旬くらいから咲き出す

秋の野に というのがどこなのかわからないが、あまりに印象的な二種の花は外せなかったのかもしれない

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ウバユリ(ユリ科

開花時に根生葉がなくなる(葉がない=歯がない)ことからウバ(姥)ユリの名がついた

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ウラン(ラン科)

単純かつ風情のある名前をもらったランである。野生の個体に出会ったことはないが、バニラのようないい香りがする。

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スズカケソウ(ゴマノハグサ科

園芸植物として江戸時代から知られていたが、自生地がわからなかった謎の植物。牧野富太郎も探したようで、岐阜県徳島県に自生とみられるものがあるが由来がわからないようである。中国にあることから古い時代の移入かとも言われる。

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雪野山

「あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る」

額田王の有名な歌だが、この歌の舞台は雪野山の周辺だと聞いたことがある。たしかに紫  野ゆき  標  野ゆき  の野ゆきは  雪野(ゆきの)を指すのだろう。

それとともにこの山は古墳だらけの山でもある。山麓から頂上あるいは尾根筋にかけていたるところにある。

近くに行き、時間が空いたので、この時期だが、どんなところか歩いてみた。植物は単調だろうと思っていたが、結構な種類の花に出逢えた。さすがにムラサキ草はなかったが…。

 

雪野山  龍王山ともいい竜王の地名のもとになっている

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登り口にある古墳群

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石畳が続く

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上部に八幡神社の旧社殿跡がある

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サワガニ

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 アキノタムラソウ(シソ科)

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 サジガンクビソウ(キク科)

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ノギラン(ユリ科

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ママコナ(ハマウツボ科)

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白い部分が米粒にみえる

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 尾根筋には巨岩が多い

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この岩なども古墳だろう

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ガンピ(ジンチョウゲ科)が多い

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ネズミサシ(ヒノキ科)

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 ナツハゼ(ツツジ科)

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奥が頂上  手前は前方後円墳の前方墳にあたる  頂上部は発掘されて平らになっている

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多くの埋葬品が出てきたようで詳しい説明板があった

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 埋葬部の写真

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 サカキ(モッコク科)

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カナメモチ(バラ科)

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コバノミツバツツジツツジ科)

この時期に見るとコバ‥の意味がわかる 

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リョウブ(リョウブ科)

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ヒメヤシャブシ(カバノキ科)

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オオバノトンボソウ(ラン科)

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 頂上より鏡山  左奥に三上山

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左  繖山  と  右  箕作山

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箕作山  右端に太郎坊宮

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繖山(きぬがさ)  観音寺城

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伊吹山

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雪野山南端

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エノコログサ(イネ科)

ずいぶん早く穂が出ている

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カラスノゴマアオイ科

以前はシナノキ科だったが

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ネジバナ

ラン科の植物はキク科とともに最も進化が進んだ植物で、細菌と共生して生育している。野生のランとの出逢いはそれほど頻繁でなく、時には稀なランに出逢うと心踊ることが多い。ただネジバナは例外で公園でも湖岸でもどこでも見かけることが出来、必ずシバに生えているのは、何かこれも共生関係にあるのではないかと思える。この時期、家の近くにネジバナが群生するところがあり、これだけ野生のランが生育しているのは圧巻である。

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野生のランの林立

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 拡大して見るときれいなランの花

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 見ての通り螺旋が右巻きのものと左巻きのものがある

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 ヒメジョオン(キク科)

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 アカツメクサマメ科

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色の淡い桃色のネジバナは見ることがあるが純白のものは見たことがないと、このブログをアップする時に思っていたが…

アップして一週間もしないうちに白の個体に出逢った。

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求めていると出逢ったり、望んでいると得られたり、不思議とそういうことが多い。ただし、欲はなしに…