湖北に虎御前山という標高224mの低い、南北に伸びた丘状の山がある。
(琵琶湖が標高85mほどあり、湖北の平野部ですでに100m近くある。)
北端のすぐ目の前に、歴史で有名な浅井家三代の小谷城跡があり、織田信長の小谷城攻めではここが砦、城となった。南から歩いてゆくと、丹羽長秀、滝川一益、堀秀政、織田信長本陣、木下秀吉陣跡と、よく聞く戦国武将の陣跡の碑がある。先端の木下秀吉陣跡から小谷山までは数百mしかなく、怒鳴れば十分に聞こえたろうし、姿も見えたと思える。
と同時に、この山は数多くの古墳の山でもある。戦国時代に、堀切りや、竪掘りなどといった土木工事がおこなわれてはいるが、歩いていても古墳の形ははっきりと残っている。というか、砦、陣を作るのにも都合がよかったはずである。
歩いてゆくと、所々から伊吹山、霊仙山、小谷山、琵琶湖などが見え、落葉樹の多い尾根歩きは紅葉の真っ盛りで、紅葉のトンネル歩きができた。
虎御前山より小谷山(おだにやま)
対面する二つの山が小谷城跡だが、主郭は右の低い方の尾根にある。
手前の尾根の虎御前山の方が高く見えるが、もちろん小谷山の方が高い。
左奥の大嶽(おおずく)でほぼ500m、右の主郭で400m
霊仙山
やはりここが最高地点にあたる
この頃は、羽柴でも豊臣でもなかった。
小谷城攻めの後、湖北長浜の城持ち大名となる。
最北端、最前線の秀吉陣地より北は、流石に二重三重の段差があり、攻めにくくなっている。
なぜか秀吉陣地跡にはイロハモミジがたくさん植栽されている。
アベマキ(ブナ科)
この尾根はほとんどアベマキが優先種になっている。
クヌギにそっくりの木だが、樹皮がコルク化している特徴がある。
アカシデ(カバノキ科)
アカシデ(カバノキ科)
アカシデ(カバノキ科)
リョウブ(リョウブ科)
リョウブ(リョウブ科)
タカノツメ(ウコギ科)
この木が亜高木となっていてよく目立ち、ほとんど黄色の林になっているところが多い。
このタカノツメは少しグラデーションになっている。
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
アベマキ(ブナ科)
樹皮がコルク化している
アベマキ(ブナ科)
信長陣近くのこのアベマキがもっとも大きかった
コナラかと思うがなぜこのような曲がり方をしているのかわからない
雪の多いところではあるが、このように幹の真ん中から曲がるのは見かけない
コセンダングサ(キク科)
ヒノキ(ヒノキ科)
ヤマコウバシ(クスノキ科)
落葉樹だが、冬にも葉が落ちず、受験生のお守りにされることがある。
香りが良い。
なお、虎御前というのは、昔この付近にいた伝説の美女で、蛇あるいは龍の化身のような女性である。産んだ子供が、のちにこの付近のそれぞれの集落の長者になったとある。
ここの地名は虎姫町、駅名は虎姫が使われている。
ゆえに、阪神タイガースファンが時折訪れるところでもある。