もう十年以上前から獣害がひどくなり、里の周囲には柵が設けられたが、普通に咲いていた山麓の花々はすっかり見られなくなってしまった。林道沿いに咲いていた植物も、トリカブトやハシリドコロなどの強い毒性のあるものか、キク科の植物以外はことごとく食べられてしまって、すっかり寂しい様相になってしまっていた。
ところが先日、少しだけ林道沿いに歩いてみたら、けっこう花や実が目に付いた。数年前から駆除が進んでいるために、徐々に回復してきたのかと思う。駆除自体がいいことかよくないことかよくわからないが、自然との接し方をおおもとから考えねばならないようにも思う。
ただ、本来あった植物がそこにまた戻ってきたのはありがたい。
マルバノホロシ(ナス科)
ナスもトマトもナス科で、小さなトマトのイメージはあるかもしれないがこれは毒草である
これほどカラフルな果実は他にはないかもしれないが、このブドウは食用にはならない
シロヨメナ(キク科)
ダイコンソウ(バラ科)
基部の葉が大根の葉に似ていることから
根はいわゆる自然薯で、食用になるムカゴが着く
葉が対生なので他のトコロなどと見分けられる
シシウド(セリ科)
クロバナヒキオコシ(シソ科)
マツカゼソウ(ミカン科)
これも毒草
アキチョウジ(シソ科)
アキノキリンソウ(キク科)
オトコエシ(オミナエシ科)
キタヤマブシ(キンポウゲ科)
近畿北部に分布するトリカブトだが、最近ではイブキトリカブトの斜状型とされる
もちろん有名な毒草
葉を噛んだだけでもピリピリする
オハラメアザミ(キク科)
茶色く見えるのがムカゴでこれによって無性生殖できる
ナルコユリ(キジカクシ科)
クサマオ(イラクサ科)
古代から繊維をとった植物でカラムシとも呼ばれる
イヌショウマ(キンポウゲ科)
いろいろなショウマがあるが、サラシナショウマよりひとまわり小さい
サネカズラ(マツブサ科)
赤く熟す実がきれいなので植栽されるが、つるなどから整髪料となる粘液が採れるので美男葛ともいう
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
ミカエリソウ(シソ科)
あまりにきれいで振り返って見ることから