近くに、以前、写真家の今森光彦さんによって紹介され知られるようになった生水(しょうず)の郷がある。針江という集落を中心に霜降、深溝という集落にかけて、豊富な湧水が今でも生活に結びついている。敷地から湧水が自噴し、集落を網の目状に水路が通り、やがて針江大川と呼ばれる川に集まって琵琶湖に注いでいる。川端(かばた)と呼ばれる湧水を家に引き込んだ場所で炊事、飲用等に用いられてきた。
湧水が集まって流れるこのような水路がいくつもある
上記の水路が集まって流れる針江大川
集落を流れ、田畑を通って琵琶湖へ流れこむ
ほとんどが湧水からなる
水量が多く、流れも急で、それほど花をつけていない
上 バイカモ
下 オオカナダモ
アオサギ(サギ科)
魚が多いので、それを狙う野鳥も多い
正しい夏休みの過ごし方をしている子供たち
テーマパークの乗り物よりはるかに楽しいかと
所々にコイが飼われている
というか半野生のような感じである
川端(かばた)
映像でもあったが、コイがいて食器を洗った残飯を食べる
鉄管を10mほど打ち込むと水が自噴してくる
ハグロトンボ(カワトンボ科)
針江大川の琵琶湖岸付近
考えてみれば、今では水道を当たり前のように思ってしまっているが、全国に普及していったのはおそらく戦後のことだろうし、もともと集落や街はまず第一に水が確保できる場所であることが成立条件だったろう。今では新興住宅地は、・・台、・・ヶ丘などという名前がつけられているところが多いが、それ以前は日本人は基本的に、谷(たに、やつ) に住んできたという。高台に住んでいては湧き水は望めないし、いくら井戸を掘ったところで水が出るはずがない。