高時川源流 ②植物

 

この源流域は植生が豊かで、歩いていて数多くの植物と出逢える。

ただ、県内ではもっとも降雪量が多く、春の訪れが平地より半月かひと月近く遅れることもあり、厳しい環境には違いない。伊吹山地のように地質が独特で植生が変化に富むわけでもないのに、これだけの植物が生育しているのは、その厳しい環境の故のように思える。

この高時川源流には1980年頃から、丹生ダムという、ロックフィルダムとしては日本第一位の規模を持つダムの建設が決まって、進められていた。住民の移転も済んだ後で、数々の変遷はあったものの、2006年の知事選挙後、方向性が変わり、最終的に2016年にダム建設中止が決定されている。

予定されていたダムの貯水量は1.5億立方mで、琵琶湖の貯水量は275億立方mである。

京阪神への利水、及び流域を含めた治水とのことだったが、どんなものだろう。

県内でももっとも優れた植生の地域だが、源流に沿って旧集落を結ぶ道路が続いていて、その道路壁にも豊かな植生の植物が生育している。一面のイワタバコやオオバギボウシの岩壁が見られたし、名前は挙げないが希少な植物も数多く生育している。

ただ、最近また工事が始まっていて、いつの間にか道路が拡張され貴重な植生の道路壁は削り取られてしまっていた。すでにすべて廃村になってしまった集落をつなぐ道路だが、何のための工事かわからない。ただ、通行止めになっている。

 

貴重な植生の壁面

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一面のイワタバコが続いていた

これらの壁面は削り取られて今はもうない

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