近江源氏佐々木氏の一族である高島氏の居城は清水山城であり、その流れを汲む高島七頭の一人、田中氏の居城とのことであるからせいぜい砦のようなものと思っていたが、数多くの曲輪を持つ規模の大きな城跡だった。歴史小説を読んでいて、宇治川の先陣争いで有名な佐々木氏は頼朝の旗揚げとともに功績のあった坂東武者の一人と思っていたが、もともと近江蒲生郡佐々木庄を基盤とする一族のようで、もともとの所領の守護に任じられたことになる。現在の安土の沙沙貴神社にヒトツバタゴの大木があるのを聞いたことがあり、北近江の京極、南近江の六角共の惣社ということならばいつか訪れてみたいと思う。なお調べてみたら、佐々木小次郎や乃木希典、黒田官兵衛、杉田玄白や、現在では前原一誠や佐々木蔵之介まで末裔とある。
この城跡へ行くのにも、集落から獣害防止柵を越えて行くが、やはりシカの食害によって野草は激減しており、ほとんどみられなかった。ただ、階段を登って曲輪に入った途端、圧倒的な植物群集に出会った。
オオイワカガミである。これほど群生しているところは初めてかもしれない。
オオイワカガミ(イワウメ科)
植物は種類ごとにまとめておらず、行程ごとに取り上げており、城郭の遺構は詳しく取り上げてはいない。
クサノオウ(ケシ科)
やはり毒草が残っている
ニガクリタケ
猛毒のキノコ
なぜこのような時期に生えているのかよくわからない
金比羅宮
ヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科)
かなりの面積一面に広がっている
堀切
ヤブツバキが覆いかぶさる
急に観音堂への階段が現れる
トウゲシバ(ヒカゲノカズラ科)
ナガバノスミレサイシン(スミレ科)
イヌマキ(マキ科)
観音堂の両脇に植えてあった
オオイワカガミ
ネジキ(ツツジ科)
ソヨゴ(モチノキ科)
オオイワカガミ
リトル比良 岩阿闍梨山
蛇谷ケ峰
比良 武奈ヶ岳
ネジキ(ツツジ科)
主郭跡
主郭の後部に狼煙(のろし)台があり、そこにもオオイワカガミが密生していた。
ほとんど白花に近い
後ろにある本来の色と比較すると違いがよくわかる
ギンリョウソウ(ツツジ科)
金比羅宮の近くにたくさんあったが、これも時期が早すぎるように思える
コジイ(ブナ科)
シイやカシの木は多い