近くを散歩していて久しぶりにヤママユを見つけた。しかも鮮やかな黄緑色で、冬の雑木林の中でよく目立つが、これでも一般の人は気付かないのだろう。ヤママユを人工飼育しようとすると簡単なことではないようで、自然条件下で育つ個体もいくつもの困難を乗り越えている。夏に成虫に羽化するようだが、今から半年間も繭の状態なのだろうか …
と思い込んで、いろいろ調べているうちに、このまゆはヤママユガのまゆではないことに気付いた。
これは ウスタビガ のまゆらしい。
片方の端が平たく閉じたようになっていて、ヤママユにもいろんな形があるのかと思っていたが、やはり種類が違った。このまゆは独特の形から ヤマカマス と呼ぶようだ。しかも春の木々の芽吹きとともに孵化(ふか)し、幼虫で脱皮を繰り返して梅雨頃にまゆを作り、秋に羽化して成虫となって卵で冬を越す…とあるから、このまゆは、もぬけの殻 ということになる。半年間もまゆのままというのは、やはり変だと思ったが。
それにしてもきれいなものだ。けれど、ヤママユの天蚕とちがって、生糸をとるのには利用されていないようだ。
晩秋にとっておいたカラスウリ(ウリ科)が気が付くときれいなグラデーションになっていた。
赤や黄色の色素をカロテノイドといい、赤から橙色に変化するのはよくあることだが、この時期に見ると鮮やかなものだ。
こんなふうに色が変化しているゲンノショウコ(フウロソウ科)があった