オニグルミ と サワグルミ

 

ちょうど オニグルミ と サワグルミ が並んで生えているところがあった

樹形も果実の形も異なるので区別はつきやすいが

並んでいると尚更わかりやすい

 

奥に すっくと 立っているのが サワグルミ

手前の下に広がっているのが オニグルミ

 

 

成長するとサワグルミは20メートル以上の樹高になる

オニグルミは横に広がるのでせいぜい10メートルほど

 

オニグルミ 小さな果実ができている

 

サワグルミ

あまり横に広がらず まっすぐに伸びることが多い

 

サワグルミの果実

オニグルミとは違って数珠状に連なる

 

サワグルミの葉

幾分オニグルミよりもスッキリしているかもしれない

 

なお 今 クルミ として市販されているのはほとんどセイヨウグルミ

ペルシャグルミ、カシグルミ)で

信州などでで五平餅とかに塗られていたのはオニグルミだろうが

今はこれもセイヨウグルミが使われているのかもしれない

 

クルミはまず川沿いに生えているが

面白いことにオニグルミは湖岸によく生えている

多分果実が流されて湖岸に流れ着くのだろう

皐月

 

早いもので、もうまもなく春も終わり初夏になる

卯の花が匂い

ホトトギスがなく季節

(ほんとうは、卯の花、ウツギはほとんど匂わないが・・・)

 

皐月の景観や花々を振り返って・・・

 

アカメヤナギ(ヤナギ科)

 

キリ(キリ科)

 

 

 

タニウツギスイカズラ科)

 

フジ(マメ科

 

トチノキムクロジ科)

 

ヤマツツジツツジ科)

 

スイバ(タデ科

ムラサキサギゴケ(ハエドクソウ科)

 

大麦(イネ科)

 

サワオグルマ(キク科)

 

キショウブ(アヤメ科)

 

レンゲソウマメ科

この花は私は以前から レンゲ と呼んでいたが

もちろんそれでもよいのだろうが

蓮華(ハス)と混同するため レンゲソウ あるいは ゲンゲ がよいのかもしれない

 

キンラン(ラン科)

 

コバノタツナミ(シソ科)

 

皐月の色彩

 

この時期には灌木で 目立つ花を咲かせるものが多い

 

 

ノイバラ(バラ科

ジャケツイバラ(マメ科

 

これらは湖岸沿いの交通量の少ない道路沿いの土手に咲いている

日当たりという点では最良の場所だが

長い目で見ると不安定な場所かもしれない

ただ、斜面一面に咲き広がる姿は見事というほかはない

 

 

以前取り上げたが この青空は 皐月晴れ ではない

 

 

 

タニウツギスイカズラ科)

ウツギ と名のつく植物の中で最もきれいな花と言われる

咲き初めの頃は みずみずしい感じがする

 

 

ウツギ(アジサイ科)

卯の花も咲き出した

この花がいわゆる ウツギ

それゆえ旧暦(太陰太陽暦)では今はまだ卯月

 

以前 友人が ビヨヨヨーン と表現していた

覚えやすい表現ではある

 

 

鶏足寺

 



湖東、湖北には山麓に、かつての大規模な寺院跡がたくさんある。本堂へ向かう参道沿いに平坦な土地がいくつも並んでいて、七堂伽藍や僧坊跡など、仏教関係の建造物が建っていたのだろう。以前とりあげた湖東三山も、あれだけ近くにあれほどの規模の寺院が建ち並んでいたのには驚く。中世には天台系山岳寺院と呼ばれるものが数多くあった。

鶏足寺も以前は、己高山(こたかみやま)の山頂近く、あるいは山中の西側にかけてあったが、昭和の初めの火災以来、山麓の別院であったこの地(飯福寺)に降りてきている。行基、泰澄、最澄の名前が出てくるし、そして現在は真言宗寺院というから変遷が激しい。

 

ここ十年ほどか、秋の紅葉の時期には観光バスが連なり、とんでもない人の波が押し寄せてくるようになった。

紅葉というよりは、植物を見ながら山麓や寺院を歩くことが多いので、以前から時々訪れていたが、最近では秋の紅葉シーズンには来れないどころか、近くの交通渋滞まで引き起こすようになった。

 

植物を見るのも、寺院を廻るのも、やはり静かな時間に歩きたい

ふと 青もみじ・・・

という言葉を思い出して、鶏足寺に寄ってみた。

ゆっくりと時間を過ごしたが、誰にも会わなかった。

 

けっして秋の紅葉に劣るものではない

 

 

 

 

 

 

紅葉時にはこの参道に紅葉が散り積もった写真がよく撮られている

 

少しなら紅葉がなくもない

 

クリンソウサクラソウ科)

木が添えてあった株もあったので植栽かもしれないが

本来生育していそうな場所に生えていた

 

ミツバ(セリ科)

 

シロダモ(クスノキ科

 

シラカシ(ブナ科)

 

クマシデ(カバノキ科)

 

シナノキアオイ科

かなり背が高いのでわかりにくいがたぶんシナノキだろうと思う

周囲の木々の中でまっすぐに伸びている

長野県の 信濃・・の由来になった木

 

すぐ近くに石道寺(しゃくどうじ)という寺院があり

有名な観世音菩薩がおられる

湖北は 観音の里 と呼ばれ、信仰心の厚いところである

鶏足寺の十一面観音は 己高庵 というところに移されている

 

アヤメ科三姉妹

いずれアヤメかカキツバタ・・・

以前取り上げたことがあるが

開花に先んじて・・・

 

アヤメ(アヤメ科)

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外花被片に網目模様(あやめ)がある

三種の中ではもっとも渇いた場所に咲く

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アヤメ 白花

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カキツバタ(アヤメ科)

外花被片に白いスジの文様がある

三種の中では もっとも水辺に咲く

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ハナショウブ(アヤメ科)

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外花被片に黄色いスジの文様が入る

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よく菖蒲と言われているものはハナショウブ(花菖蒲)で

ハナショウブを改良して作られたものにあたる

それゆえハナショウブの外花被片には必ず黄色のスジの紋様がある

 

ショウブはこれらアヤメ科の植物とは全く異なるショウブ科の香りのよい植物

 

 

 

キショウブ(アヤメ科)

外来のアヤメ科の植物

最近よく増えてきた



なお、現在すでにアヤメが咲き出してきているが、キショウブ以外は、これらの画像は昨年以前のものである

 

新緑

 

それにしても 緑色とはいえ なんと多彩な色のあるものか。

緑色の色素 クロロフィル だけでなく

赤、紫、黄などの色素も混じっていて

さらに 葉の表面の繊毛 や 光の反射 等

さまざまな組み合わせで成り立っているのだろう

 

これらに加えて 春には多くの木々に種々の色の花が咲く

 

深緑に落ち着くまでは、まざまざと生命の力強さを実感させられる

 

 

 

 


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琵琶湖

 

ちょうど琵琶湖の景観を取り上げたので 琵琶湖 について

 

 

もちろん日本においては最も大きな湖であるが

面積は 674 平方キロメートル 

滋賀県の面積のほぼ 1/6 にあたる

貯水量は 275 億立方メートル

滋賀県に降る雨の 5年分 にあたり

淀川水系の人々が使う量の 10年分 以上になる

 

 

それゆえ 大阪や京都の方々が 琵琶湖しかないやん・・

というのに対して

水止めたろか!

ということになる

 

東西の幅が最も狭くなる堅田〜守山間が 1.35 kmで

ここに琵琶湖大橋が掛かっているが

これより南を 南湖

北を北湖 と呼んでおり

面積では 北湖は南湖のほぼ10倍

体積では 北湖は南湖のほぼ100倍ある

よく大津の湖岸や名神インターのSAから

広いなぁ・・と言われていることがあるが

見えている南湖は 10分の1 である

 

南湖の最深部は 8m  で 平均深度は 4m

北湖の最深部は 104m で 平均深度は 40m

南湖はすごく浅い

 

よく驚かれるのは・・・

琵琶湖の断面を描いてみて・・と言うと

たいていの人は ちょうどお椀のような よくある池の断面のような絵を描く

北湖の東西幅が最長の所では 22.8km あるが

最も深い所でも 104m  である

と言うことは 22800m に対して 104m

つまり断面図は 薄い薄い ちょうど雨の後に道路のくぼみにできる水たまりのような

あるいはそれ以上に薄い断面をしている

 

100m に対して 22400m だから深さに対して湖面の長さが224倍

1:224 の 断面図になるので

上の絵でも深すぎる

 

大きいから大丈夫・・と思っていると

取り返しのつかないことになる

 

幸い 湖国の人は高度経済成長の時のヘドロや赤潮などの経験をもとに

ある程度の環境意識を持てるようになってきた

「 Mother Lake 琵琶湖  預かっているのは滋賀県です 」

県庁の方が考えつかれたそうだが いいキャッチコピーだと思う

 

 

ただ、環境意識の向上と共に

革新県政が続いて 

飛行場や新幹線の駅を もったいない・・ で 中止してきたが

北陸新幹線までなぜか湖国を避けて 京都の北山の山中を通るようになってしまった・・

京都市内の人は地下に大きなトンネルを掘るのだから反対するだろうに

きれいな水を届けているのになぁ・・・

 

 



 

安曇川北流河口より

 

安曇川は河口より上流2キロメートルほどのところで、

南流と北流に分かれて琵琶湖に注ぎ込んでいる

以前とりあげた安曇川河口は南流であり、今回のものは北流河口になる

 

琵琶湖の最深部(104m)はこの安曇川河口より北西方向に数キロメートルのところにある

 

 

 

 


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琵琶湖には 竹生島沖島、多景島 の3つの島があるが

このうち人が住んでいるのは沖島のみで小学校もある

というか 日本の湖の島で人の住むのは沖島のみである

竹生島に 宝厳寺や都久夫須麻神社が

多景島に 日蓮宗塔寺 があるが常住ではない

 

ただ正確にはもう一つ島(岩といった方がよいかもしれないが)

沖の白石がある

 

ちょうど北湖の中央部付近にあたり

この岩を知っている若い人たちは やはり パワースポット

と呼んでいるようだが

 

湖面標高が20m

湖底まで80mあり、100mの岩が湖底より突き出ていることになる

 

上の映像では 荒神山 と表記される手前に

小さな点が見えるが それが白石にあたり

安曇川河口からは晴れれば肉眼で見え

北流河口からは四つの島すべてが見えることになる

 

安曇川北流河口より 沖の白石 望遠

 

卯月

 

平野部や山麓では

四月は一年のうちで最も変化が激しく忙しい季節にあたる

 

あちらこちらで木々が芽吹き、開花し、新緑に色付き

野に山に 種々の花々が咲き競い

昆虫が 野鳥が 魚が 活動を本格的に始め

 

季節のありがたさが最も感じられる季節になった

 

 

 


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フデリンドウ

 

 

秋に咲く一般の リンドウ に対して

春に咲く

ハルリンドウや フデリンドウ がある

 

下のフデリンドウは大きく写っているが

せいぜい5cmくらいの背丈しかない

ハルリンドウはそれより幾分大きいが

それでも秋に咲くリンドウよりはずっと小さい

 

フデリンドウは平地にあるが、

どこにでもあるものでなく

時折 ふっと見かけるような感じで

よほど良い天気でないと花が閉じていることも多く、

見落としてしまっていることも多いように思う

 

春に出逢うと嬉しい植物の一つである

 

 

フデリンドウ(リンドウ科)

 

 

これはフデリンドウだが

ハルリンドウは幾分大きいのと

根生葉がついているという違いがある

 

 

トキワイカリソウ

 

もうずいぶんと昔になるが

初めて イカリソウの花をみた時は驚いた

 

本当に船の錨(いかり)の形をしていて

しかもぶら下がっている

 

久々に群生しているところに出逢った

 

 

トキワイカリソウ(メギ科)

 

右手前に昨年の葉が見える

トキワイカリソウの名前の由来である


船のいかりの形

 

 

 

 

 








ヤマブキ

 

七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞ悲しき

 

古典の授業だったのか、国語の授業だったのか

とにかくほとんど聴いていなかった中で

このような歌や話は鮮やかに覚えている

 

太田道灌と山の中に住まう女性との話だが

 

なるほどなぁ・・

 

桜や薔薇でもそうだが

花弁というものはもともと蕊(しべ)が変化しているため

八重咲きのように、花弁が増えると生殖能力をなくしてしまって

種子ができない

 

この女性に教養があったのは確かだが

昔の人は 植物の基本的な知識を皆が知っていた

 

ヤマブキ(バラ科

 

 

これが八重咲きのヤマブキ

これは植栽のものだが、野生で八重咲きはある

 

 

 

小学生の頃、絵の具の色に ヤマブキ色 というのがあった

この色である

ヤマブキが花の名前ということも知らなかった

 

 

 

多くの積雪があった冬だったが、桜の開花は少し遅れたくらいで立派に咲いてくれた。

 

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順番はバラバラで

エドヒガンザクラ(バラ科)と

ヤマザクラバラ科)を取り上げている

 

個々の名前はつけていないが

 

エドヒガンは開花時には花のみで、満開を過ぎると黄緑色の新葉が出てくる

それゆえ、桃色あるいは白桃色の花のみのもの、また

それらの花と黄緑色の新葉が出ているものはエドヒガンザクラで

 

ヤマザクラは開花と同時に茶褐色や淡黄色などの新葉が必ず展開してくる

黄緑色の新葉はヤマザクラにはまずない

 

なお 白い大きな花は コブシ(モクレン科)

 

ソメイヨシノの花と

キンキマメザクラの葉の画像が一枚ずつ混じっている。

 


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いまだにあまり人混みには行けない状況だが、

多くの人はなんらかのかたちで桜を楽しんだのではないかと思う。

 

ここ湖西では

人混みを避けてゆっくりと桜を見ることができるのはありがたい。

 

オグラス山のタムシバ

 

毎年四月の初旬に

比良山地の北端にあるオグラス山(蛇谷ケ峯 標高900m)の西側山麓一面に

タムシバの花がいっせいに咲く

 

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たぶん歌からかと思う

コブシを知っている人は多いと思うが

タムシバはあまり知られていない

ほとんどそっくりだが

見分けるには葉の形が異なるのと

花の開花時に

コブシは花の付け根に一枚の新葉が出るが

タムシバは出ない

またタムシバは花や葉や枝や植物全体にメンソール?のいい香りがするが

コブシはしない

それゆえタムシバは ニオイコブシ などとも呼ばれる

 

タムシバモクレン科)

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コブシ(モクレン科)

花の付け根に新葉が一枚出る

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タムシバの花が咲き終わると

彩鮮やかな新緑が始まり

山々も本格的な春を迎える

瓜割の滝 春 ② 植物

 

積雪が多く、多くの植物の開花、芽吹きが遅れている今年

そろそろ瓜割の滝でも早春の花々くらいは咲き出しているかと行ってみたら

なんのことはない すべて一斉に咲き出していた

水温が一定の大量の湧水が一年中流れ出て 

この谷筋は 夏は涼しく、冬は暖かい

森も同じようにそういった環境の変化を和らげる力を持っているが

今更ながら感心する

 

この瓜割の滝一体は 寺や神社を含めた公園となっており

裏山との境界には獣害防止柵が巡らせてある

そのこともあって本来の植生がしっかりと残っていて

季節ごとに数多くの花々が咲く

ここほどではなくとも 本来各地の植生は

もっと豊かだったのだが

今では伊吹山のお花畑ですら残念な姿になってきてしまった

 

キクザキイチゲキンポウゲ科

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スミレサイシン(スミレ科)

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ワサビ(アブラナ科

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モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科)

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チャルメルソウ(ユキノシタ科)

チャルメルとは中華の笛のこと

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サンインシロカネソウ(キンポウゲ科

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ミヤマカタバミカタバミ科

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ヤブニンジン(セリ科)

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ショウジョウバカマ(メランチウム科)

ユリ科に分類されていたものを新分類体系で訳のわからぬ分類になった

DNAには逆らえない

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トクワカソウ(イワウメ科)

いわゆるイワウチワだが日本海型のもの

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イワナシ(ツツジ科)

花弁の色の鮮やかさには感心する

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ヒメアオキ(ガリア科)

これも以前はミズキ科だったのだが・・・

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クロモジ(クスノキ科

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ヤマザクラバラ科

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スダジイ(ブナ科)

大師堂の前にある最も大きなシイの木

この辺りは海岸にも近いので照葉樹も混じる

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