もうずいぶんと昔になるが
初めて イカリソウの花をみた時は驚いた
本当に船の錨(いかり)の形をしていて
しかもぶら下がっている
久々に群生しているところに出逢った
トキワイカリソウ(メギ科)
右手前に昨年の葉が見える
トキワイカリソウの名前の由来である
船のいかりの形
七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞ悲しき
古典の授業だったのか、国語の授業だったのか
とにかくほとんど聴いていなかった中で
このような歌や話は鮮やかに覚えている
太田道灌と山の中に住まう女性との話だが
なるほどなぁ・・
桜や薔薇でもそうだが
花弁というものはもともと蕊(しべ)が変化しているため
八重咲きのように、花弁が増えると生殖能力をなくしてしまって
種子ができない
この女性に教養があったのは確かだが
昔の人は 植物の基本的な知識を皆が知っていた
ヤマブキ(バラ科)
これが八重咲きのヤマブキ
これは植栽のものだが、野生で八重咲きはある
小学生の頃、絵の具の色に ヤマブキ色 というのがあった
この色である
ヤマブキが花の名前ということも知らなかった
多くの積雪があった冬だったが、桜の開花は少し遅れたくらいで立派に咲いてくれた。
順番はバラバラで
個々の名前はつけていないが
エドヒガンは開花時には花のみで、満開を過ぎると黄緑色の新葉が出てくる
それゆえ、桃色あるいは白桃色の花のみのもの、また
それらの花と黄緑色の新葉が出ているものはエドヒガンザクラで
ヤマザクラは開花と同時に茶褐色や淡黄色などの新葉が必ず展開してくる
黄緑色の新葉はヤマザクラにはまずない
なお 白い大きな花は コブシ(モクレン科)
ソメイヨシノの花と
キンキマメザクラの葉の画像が一枚ずつ混じっている。
いまだにあまり人混みには行けない状況だが、
多くの人はなんらかのかたちで桜を楽しんだのではないかと思う。
ここ湖西では
人混みを避けてゆっくりと桜を見ることができるのはありがたい。
毎年四月の初旬に
比良山地の北端にあるオグラス山(蛇谷ケ峯 標高900m)の西側山麓一面に
タムシバの花がいっせいに咲く
たぶん歌からかと思う
コブシを知っている人は多いと思うが
タムシバはあまり知られていない
ほとんどそっくりだが
見分けるには葉の形が異なるのと
花の開花時に
コブシは花の付け根に一枚の新葉が出るが
タムシバは出ない
またタムシバは花や葉や枝や植物全体にメンソール?のいい香りがするが
コブシはしない
それゆえタムシバは ニオイコブシ などとも呼ばれる
コブシ(モクレン科)
花の付け根に新葉が一枚出る
タムシバの花が咲き終わると
彩鮮やかな新緑が始まり
山々も本格的な春を迎える
積雪が多く、多くの植物の開花、芽吹きが遅れている今年
そろそろ瓜割の滝でも早春の花々くらいは咲き出しているかと行ってみたら
なんのことはない すべて一斉に咲き出していた
水温が一定の大量の湧水が一年中流れ出て
この谷筋は 夏は涼しく、冬は暖かい
森も同じようにそういった環境の変化を和らげる力を持っているが
今更ながら感心する
この瓜割の滝一体は 寺や神社を含めた公園となっており
裏山との境界には獣害防止柵が巡らせてある
そのこともあって本来の植生がしっかりと残っていて
季節ごとに数多くの花々が咲く
ここほどではなくとも 本来各地の植生は
もっと豊かだったのだが
今では伊吹山のお花畑ですら残念な姿になってきてしまった
スミレサイシン(スミレ科)
ワサビ(アブラナ科)
モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科)
チャルメルソウ(ユキノシタ科)
チャルメルとは中華の笛のこと
サンインシロカネソウ(キンポウゲ科)
ヤブニンジン(セリ科)
ショウジョウバカマ(メランチウム科)
ユリ科に分類されていたものを新分類体系で訳のわからぬ分類になった
DNAには逆らえない
トクワカソウ(イワウメ科)
いわゆるイワウチワだが日本海型のもの
花弁の色の鮮やかさには感心する
ヒメアオキ(ガリア科)
これも以前はミズキ科だったのだが・・・
クロモジ(クスノキ科)
スダジイ(ブナ科)
大師堂の前にある最も大きなシイの木
この辺りは海岸にも近いので照葉樹も混じる
名水百選に選ばれているこの瓜割の滝は
滝口にまで歩いてゆくと
滝にばかり目をとられるが
もとよりすべて湧水からなる
これ以上の水量を誇る湧水はあるかと思うが
ここはまったく普通の地質のよくある山の谷筋である
画像でもわかるとおり、滝のすぐ下の川底には岩が見られるので
広い範囲の岩盤があって 谷筋の雨水がここから湧き出てくるのかと思うが
かなりの水量で 一年中増減もない
なににせよ
滝口には 小さな祠が祀ってある(ほこらがまつってある)
ここより少し西の小浜寄りに行ったところの川筋に
鵜の瀬(うのせ) がある
奈良の東大寺のお水取りで有名なところだが
ここも川底からの湧水であるという違いはあるが
かなりの水量の水が湧き出してきている
共通点があるのかもしれない
あまりにも降雪の多かった今年
早春に開花する花々もずいぶんと例年より遅れている
里にはほとんど雪が見られなくなってきたが
山麓や谷沿いにはまだまだ雪が残っている
ただ、木々も芽吹かず、山肌は白いままの山麓も
川の流れの勢いや、谷間に指す光の色は
やはり春が巡ってきたことを教えてくれる
あるドキュメンタリーで豪雪地方の農家の方が
「難儀すると・・・(冬の積雪のことだが)
芽吹きの時
それはもう素晴らしいものなんです」
と言っておられた。
ようやく ようやく
早春の花々が咲き出した
セツブンソウ(キンポウゲ科)
雪が溶け 芽吹き出したばかりのセツブンソウ
今年はこの時期になってもまだまだ雪に覆われたままの生育地も多い
ちょうど高山帯の雪田と同じで、開花期間を長く引き延ばしている
また、川面を飛び去ってゆく鳥は カワウ かと思う
例年になく多雪になった今年は、琵琶湖岸や河川沿い以外にはまだまだ圧雪が残っていて、早春の花々の開花も、いつもより遅れるだろう。
残念ながら、三月に入ってもまだ Memories に頼らざるを得ない。
毎年まだ新緑も見られぬ頃から真っ先に開花するセツブンソウやフクジュソウは、キンポウゲ科の植物に属する。
さらにキクザキイチゲやイチリンソウ、ニリンソウ、オウレンの仲間などスプリングエフェメラルと呼ばれるものだけでも数多くのキンポウゲ科の花々が早春に咲き出す。
セツブンソウ(キンポウゲ科)
野生のアネモネ
サンインシロカネソウ(キンポウゲ科)
春以降にも オダマキ、トリカブト、カザグルマ、バイカモ、レンゲショウマ、サラシナショウマ・・・
など・・・これらすべてがキンポウゲ科に属し
野草を知っておられる方ならよく目や耳にし、また魅力的に感じる花々ばかりかと思う。
なぜキンポウゲ科の植物にはこのような魅力的な、人を惹きつけるものが多いのか?
進化の上では、キンポウゲ科の植物は古い時代の植物にあたる。
逆に最も新しい時代に、つまりずっと後から進化してきた植物はキク科やラン科の植物がそれにあたる。
生物というものは進化の上で、新しい種が現れる時、既存の生物を押し退けて、あるいは生育地を奪ったりして出てくることはない。必ず新しいところを開拓し、あるいはより厳しい環境に耐えられるように進化した生物が現れてくる。海がいっぱいになれば上陸し、さらにより乾燥地や寒冷地に進出していくように。古い時代の生物を押しのけてはいない証拠に、今でもあのアメーバや細菌などの単細胞生物が立派に生きている。
ただこれだけ数多くの植物が増えてくると、生存競争も起こり、古い頃からの植物はそれなりの工夫をせざるを得なかったろう。それが、セツブンソウのように他の植物がまだ咲いていないもとで早春に開花したり、イチリンソウのように樹々が葉を展開するまでの間に急いで光合成を行ったり、あるいはトリカブトのように、体内に毒素を作って動物に食べられないようにしたりという特徴になっていったのだろう。
つまり、これらのキンポウゲ科の植物は、総じてずいぶんと厳しい環境で生きているものが多い。
そして、
なぜなのかはわからないが、人はこれら厳しい環境で生きようとする生物に惹かれるのではないかと思う。
高山でコマクサに感動した人は多いのではないかと思う。
稀なことだが、イヌワシが飛ぶ姿をみればたいていの人は感動するだろう。
みな厳しい環境で生き抜こうとしている生物である。
レンゲショウマ(キンポウゲ科)
いわゆる野生のクレマチス
シラネアオイ科とするときもある
なお、念のために・・・
カテゴリーのところで述べたように
Memories・・・
今回も、上記の植物の画像は以前からのものを抜き出したものである
初めにも述べたように、今年は湖西、湖北は大雪に見舞われてすべて根雪に覆われている
風景などは別にして、
当分、芽吹きや開花をとりあげられそうにない。
2022年は 2月19日(土)〜3月4日(金)が二十四節気の 雨水 にあたる。
雪が雨に変わるという季節だろうが、雪国では、今年ばかりはまだまだ一面の雪に埋もれている。今シーズンは十回の寒波が訪れたそうで、まだこれから降雪もありそうな予報も続いている。
ただ、朝に出かけると雪の上に霞(かすみ)と呼べばいいのか、この時期には真冬には見かけなかった景観が見られるようになってきた。
雪霞(ゆきがすみ あるいは せっか との記載もある)
と呼ぶようだ。
水蒸気が立ち上って景観が霞む様子だが、水平にみると見えても、少し上から見ると見えなくなる。
厳しい冬だが、まもなく 啓蟄 を迎える。
二十四節気など、昔からの暦は人々への励ましでもある。
コロナ禍の中、頑張って北海道を訪れた!
うそ!
残念ながら北海道どころか、県外にも出られない。
災害に近いほどの積雪だが、ふだん見慣れている農耕地を一面の銀世界に変えてしまう。
以下、雪景色を・・・
おそらく 04豪雪 と呼ばれるだろうと思う。
1日の降雪量過去最多 との報道も各地であり
北海道、東北、北陸 各地では 積雪量最多記録
ただ、同じ県内でも 湖北、湖西 以外の人にとってはほとんど実感がないだろう。
関西各地に在住の友人に 自宅周囲の画像や動画を紹介すると あまりの凄さに絶句していた。
(このブログでは取り上げない)
ニュースは国道や高速の大雪での立ち往生ばかりを取り上げるが、
北海道や日本海側各地での日々の大変さをもう少し伝える工夫があってもよいのではないかと思う。
もちろん、コロナや紛争や 大雪以上に大変な状態なのはわかるが、
感染者や紛争に巻き込まれている人たちの報道とも関係してくるように思う。
コナラ(ブナ科)
普通のコナラがこんなふうになる
二本の巨木が並んでいるが、最近では手前に ハチク(イネ科) いわゆる竹林 が生えて見えなくなっていた
ご覧の通り重たい雪にすべてなぎ倒されて、竹林は埋まってしまっている
この二本のサクラは一般のソメイヨシノの大きさでなく、かなりの巨木である
県内のスキー場でも積雪量が多すぎてリフトが埋まりすぎ、運行できないため開設を見合わせているところもあると聞く
予報では一週間ほどは雪マークはなくほっとしているが・・・・
撮った後で画像を見てみると、雰囲気のいい降雪が写っている。
こういうのは、撮ったのでなしに、撮れた・・・画像にあたる。
被写体は私が エノキ三兄弟 と呼んでいる湖岸のエノキの木だが
撮影時にそれほど雪が降っていた覚えがない。
翌々日に分かったが
ボタン雪が、それも特に軽いものが降っている時は、よく写る。
琵琶湖岸 カモがいる
望遠系のレンズで撮ると降りしきっているように見える
わかりにくいが広角系のレンズでも写っている
琵琶湖岸
夜にフラッシュを焚いて降雪を撮ると幻想的に写るのを聞いたことはあるが
フラッシュは持っていないので、夜はダメである。
一般に、植物はフラッシュの光で撮らぬほうがよいと思っている。
なお、ボタン雪は 牡丹雪 ということらしい
なるほど牡丹の花びらに例えて妙である。
この色を ミルキーブルー(Milky Blue) と表現していいのかどうか。
ちょうど硫黄を含んだ温泉がこのような色をしていることがある。
ずいぶんと昔だが、カナディアンロッキーを流れる ボウリバー(Bow River)が
この色をしていて、さらに光るように見えるので、わざわざ川岸まで行って水をすくってみた憶えがある。
琵琶湖の場合は、温泉やボウリバーとは異なり、成分が溶け込んでいるのでなしに、気象、水質、水温、光の状態などの条件によってまれにこのように見えるのだろう。
空が関係しているようにも思える。
2017/01/26 17:15
2017/01/26 17:15
2022/01/22 16:12
2022/02/10 16:24
2022/01/22 15:59
2021/02/02 15:38
日時を確認してみたが、共通しているのは冬場の積雪のある日の夕方であるということ
湖面全面がミルキーブルーになるわけではないこと
いわゆるカラー写真なのだが、この時期は白黒なのかと思える画像が多くなる。
今年はまだまだ降雪が続く。