ずいぶん暖かい日々が続いていたが、やはりいきなり寒波がやってきて、広範囲の降雪になった。昨年もちょうど十二月の中頃に降ってきたのを覚えている。
暖かい日々が続いていたが、一気に冷え込んで冬至を迎えることとなる。
ブログというものは時間系列に従って記録するしかないと思っていた。自然や出逢った植物などを日記のように記録している面があり、それはそれでちょうどよい。ただ最近、このブログにはカテゴリーという機能があるのに気付いて、少しはホームページ風に今までの記事を整理できることを知り、取り入れてみた。と同時に、Weekly Photo や Monthly Photo など新しいカテゴリーも作ってみた。いずれ過去にいったことのある場所の記事なども取り入れられたらと思う。
カテゴリー
Landscapes 主に風景、景観を取り上げているもの
Four Seasons 四季の季節感をもとに植物や風景を取り上げているもの
Hiking 散策、周遊、軽登山等
Plants 個々の植物を中心に取り上げているもの
Monthly Photo 各月の景観、植物など
Weekly Photo 各週の景観、植物など
Animals 昆虫、野鳥、哺乳類などの動物
Temple & Shrine 神社仏閣
琵琶湖夕景
林の中を散策していたら、思いもかけず ナメコ に出会った。
平地のどちらかというと住宅地に近いような林である。
クヌギ、コナラの二次林というか、今でいう里山のようなところだが、もともと ナメコはこのようなところにはなかった。標高でいうと千メートル近いブナ林などでたまに出会った覚えがある。
もう20年ほど前からになるか、日本中で ナラ枯れ が広がったことがあった。カシノナガキクイムシという昆虫の成虫が 主にブナ科のナラやカシの幹の中に入り込んで道管を詰まらせ、樹木全体を枯れさせてしまい、山を歩いていても立派な古いミズナラやコナラが枯れていくのを見るのは残念だった。
ところが、その後、標高 四、五百メートルほどの 樹林帯にある ミズナラやコナラが同じ原因で枯れていった後に、ナメコがびっしりとついているのをよく見るようになった。
そのようなところにナメコが生えるとは思っていなかった。
そして今は平地の林の中でも生えてくるようになった。
よく、信州や東北の奥深い山の中で、秋にマイタケやナメコが採れるのは聞いていたし、イメージとしてもナメコは奥深いところに生えるものだと思ってしまっているので不思議な感じがする。
いいことなのか、よくないことなのかはわからない。
たくさんの山を歩いたが、マイタケは見たことがない。
ナメコやマイタケは栽培できる。天然のものには劣ると思うが。
マツタケは栽培できない。
栽培されて普通に売られているナメコをに比べるとずいぶんと大きくなるので
初めてみるとわからないかもしれない
これもコナラの木だろうと思う
公園を散策した時、あるいは道路沿いに植栽されたものを撮っている。
もちろんイロハモミジは山々に自生しているが、植栽されたものは個体内での色彩の変化が多く、やはりそう言ったものは園芸種の形質なのかと思う。
前半のアップされた画像は十一月後半のもの
後半の画像は十二月のものである
イロハモミジ(ムクロジ科)
なお、イロハモミジの名前は
いろはにほへと・・・
葉に七つの切れ込みがあることから来ている
もちろん、切れ込みが五裂のものも混じったりしてはいるが。
タカオモミジ、イロハカエデともいう
余談だが
色は匂えど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
仏教の無常感、あるいは悟りを四十七文字を各かなを一度ずつ使って表している
弘法大師が作ったとも言われるが
よくぞこんなことができたものかと驚くばかりである
初冬と言ってもよいかもしれない。
ただ、以前述べたように昨年も、今年もこの時期本来の冷たい時雨がほとんどなく、師走に入ってもあまり冬の感じがしない。
北西の季節風・・とよく言われるが、最近は西風が多くなって、近畿の中では多雪地帯に入る湖西、湖北地方も雪が少なくなり、その分、福井、石川、新潟などの北陸に集中するようになっている。
いつもであれば、日本海側から、伊吹、関ヶ原へと、季節風の抜け道になっているため、晩秋の冷たい時雨や、冬の大雪に悩まされることが多い。
ありがたいのではあるが・・・
そのためかどうか、この時期にあってもまだ紅葉や種々の色彩が見られる。
今年は年内にまとまった雪が降るのかどうか?
いまだに琵琶湖の水位は下がったままである。
年明けには大雪になることがあるだろうとは思う。
湖北に虎御前山という標高224mの低い、南北に伸びた丘状の山がある。
(琵琶湖が標高85mほどあり、湖北の平野部ですでに100m近くある。)
北端のすぐ目の前に、歴史で有名な浅井家三代の小谷城跡があり、織田信長の小谷城攻めではここが砦、城となった。南から歩いてゆくと、丹羽長秀、滝川一益、堀秀政、織田信長本陣、木下秀吉陣跡と、よく聞く戦国武将の陣跡の碑がある。先端の木下秀吉陣跡から小谷山までは数百mしかなく、怒鳴れば十分に聞こえたろうし、姿も見えたと思える。
と同時に、この山は数多くの古墳の山でもある。戦国時代に、堀切りや、竪掘りなどといった土木工事がおこなわれてはいるが、歩いていても古墳の形ははっきりと残っている。というか、砦、陣を作るのにも都合がよかったはずである。
歩いてゆくと、所々から伊吹山、霊仙山、小谷山、琵琶湖などが見え、落葉樹の多い尾根歩きは紅葉の真っ盛りで、紅葉のトンネル歩きができた。
虎御前山より小谷山(おだにやま)
対面する二つの山が小谷城跡だが、主郭は右の低い方の尾根にある。
手前の尾根の虎御前山の方が高く見えるが、もちろん小谷山の方が高い。
左奥の大嶽(おおずく)でほぼ500m、右の主郭で400m
霊仙山
やはりここが最高地点にあたる
この頃は、羽柴でも豊臣でもなかった。
小谷城攻めの後、湖北長浜の城持ち大名となる。
最北端、最前線の秀吉陣地より北は、流石に二重三重の段差があり、攻めにくくなっている。
なぜか秀吉陣地跡にはイロハモミジがたくさん植栽されている。
アベマキ(ブナ科)
この尾根はほとんどアベマキが優先種になっている。
クヌギにそっくりの木だが、樹皮がコルク化している特徴がある。
アカシデ(カバノキ科)
アカシデ(カバノキ科)
アカシデ(カバノキ科)
リョウブ(リョウブ科)
リョウブ(リョウブ科)
タカノツメ(ウコギ科)
この木が亜高木となっていてよく目立ち、ほとんど黄色の林になっているところが多い。
このタカノツメは少しグラデーションになっている。
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
タカノツメ(ウコギ科)
アベマキ(ブナ科)
樹皮がコルク化している
アベマキ(ブナ科)
信長陣近くのこのアベマキがもっとも大きかった
コナラかと思うがなぜこのような曲がり方をしているのかわからない
雪の多いところではあるが、このように幹の真ん中から曲がるのは見かけない
コセンダングサ(キク科)
ヒノキ(ヒノキ科)
ヤマコウバシ(クスノキ科)
落葉樹だが、冬にも葉が落ちず、受験生のお守りにされることがある。
香りが良い。
なお、虎御前というのは、昔この付近にいた伝説の美女で、蛇あるいは龍の化身のような女性である。産んだ子供が、のちにこの付近のそれぞれの集落の長者になったとある。
ここの地名は虎姫町、駅名は虎姫が使われている。
ゆえに、阪神タイガースファンが時折訪れるところでもある。
カツラ(桂) の木
トチノキと同じく、ずいぶんと山奥の源流部にまで行かないと出逢えない木だが
すごく魅力的な木ではある
ただ、姿の美しい木なので、公園などによく植えられていて
私たちの世代?といえばいいかどうか
以前は女性の名前に 桂子 や 桂 がよく使われた
カツラ(カツラ科)
植物園のもの
よく株立ちする性質があり、何本もの幹が林立するものもある
琵琶湖岸に植栽されたもの
葉は丸くハート形
紅葉(黄葉)の色
ほぼ淡黄色になり、この頃には以前紹介したようにキャラメルのような甘い香りを放つようになる
これは黄葉時ではなく、新緑の頃
龍双の滝のカツラ
やはりカツラは水の豊かなところに生える
天生湿原のカツラの門
カツラは本来は深山幽谷に生える木
これらのカツラの画像は過去に撮った色々な時期のものを集めてある
カツラは早春に葉が展開する前に赤いシベのみの花を咲かせるが
撮ってはあるのだが見つからない
以前オークビレッジの稲本正さんが
カツラは春に深山の中でワインレッドの輝くような色を放つ日が1日だけある・・
と言われていたことがあった
早春の花、芽吹き、新緑、姿、秋の黄葉、香り・・・
なににしても魅力的な木である
10月の下旬から11月にかけては、蕎麦を含めて、タデ科の花が盛りを迎える。
毎年通りかかるところに、見事なタデ科の花畑を呈する休耕田があり、一部の区画にタデが密集するところはあっても、これだけ広がっているところはあまり見かけない。たぶん、すぐ横に水路が通っており、水分が多いからかと思うが、花壇や植物園か、とも思えるくらいの規模ではある。
赤く見えるところはヤノネグサ(タデ科)
これがほとんどを占める
褐色に見えるのはチカラシバ(イネ科)
全体を見渡すとこのようなところ
いつまでもこの状態が続くとは思わないが、わたしにはすごく魅力的な花畑にみえる
誰も停まって見ようとはしないと思うが・・・
ただ、農家の友人が言っていたが、作物を作っても損をする
維持するだけでも損をする…
(もちろん大規模で経営すると話は変わると思うが)
とのこと
農は国の基(もとい)なり…
と習ったのだが…
よく取り上げている 瓜割の滝 へ行く途中の、若狭上中町の三宅という集落に、信主神社という神社があり、
以前、若狭の知人が神社の木を教えてほしいというので、訪れたことがある。
すごい古木が何本も生えていて、うっそうとした森になっている。神社はもともとその地域の森を御神体にしているところが多いからあたりまえといえばあたりまえだが、ほとんどの人が知らないこの神社にこれだけの古木があるのには驚いた。
コジイ(ブナ科)
シイノキは常緑樹の中でも、下から見上げると樹冠の色が他のものと異なっている
一枚一枚の葉裏は金色がかっているのだが、全体的に見ると暗い灰色のような感じ
シイノキを見分けるのは五月の中頃がいい
黄金色の花が咲き、遠目でも生えている場所がすぐわかる
コジイ(ブナ科)
コジイ(ブナ科)
コジイはツブラジイともいう
海岸沿いにはマテバシイが多いが、ここのものはコジイだった
なお、この神社は、海岸から十数キロ内陸に入ったところにある
コジイのどんぐり
シイの実はアクがなく食用になる
ケヤキ(ニレ科)
千年ケヤキとあるが、たしかにずいぶんと年月を経ている
シュロをはじめ、たくさんの植物が着生している
ここがいちばんうっそうとしている
モチノキ(モチノキ科)
エノキ(ニレ科)
エノキ(ニレ科)
エノキの実
モミノキ(マツ科)
たもの木 とあるが
海岸沿いに多い木
この木があったのに驚いた
カゴノキ(クスノキ科)
分布は 関東、福井以西、四国、九州 とあるからほとんど北限の分布になる
幹の鹿の子模様からカゴノキの名がある
以前、石清水八幡宮にこの木があったので、兵庫の加古川の友人に名前を言うと
加古川 と言う地名も 子供の鹿(バンビ)が河川にいたことからついたように聞いているとのこと
漢字は後に当初の字と異なるものを当てていることが多い
鹿子川 である
聞いて初めて あぁ〜そうか! となる
知人が聞いてきたのはこの木
ヨノミの木 とあるが 地方名だろう
ムクノキ だった
ムクノキ(ニレ科)
以前訪れた時は春だったが、今はこの幾分青みがかった実がたくさん落ちているのですぐにわかる
この神社の本殿
信主神社・・・
なにかキリスト教のようなイメージの名前がついた神社だが
八幡神社、弓削神社、秋葉神社・・等の神社と違って、まず読み方がわからなかったし
祭神が誰なのかもわからない
初めて訪れた時は木々に圧倒されて知人から神社名も聞いていなかった
調べていると、同じようにこの神社の木々に驚いた人がいて神社名に気付いていた
しんしゅ神社・・・と読むのだろうが
信主・・は 人偏と言 に分けると 一言主(ひとことぬし) とも読める
一言神社 とか 一言主 とか言うのは聞いたことがある
たぶんそれで正しいように思う
もう十年以上前から獣害がひどくなり、里の周囲には柵が設けられたが、普通に咲いていた山麓の花々はすっかり見られなくなってしまった。林道沿いに咲いていた植物も、トリカブトやハシリドコロなどの強い毒性のあるものか、キク科の植物以外はことごとく食べられてしまって、すっかり寂しい様相になってしまっていた。
ところが先日、少しだけ林道沿いに歩いてみたら、けっこう花や実が目に付いた。数年前から駆除が進んでいるために、徐々に回復してきたのかと思う。駆除自体がいいことかよくないことかよくわからないが、自然との接し方をおおもとから考えねばならないようにも思う。
ただ、本来あった植物がそこにまた戻ってきたのはありがたい。
マルバノホロシ(ナス科)
ナスもトマトもナス科で、小さなトマトのイメージはあるかもしれないがこれは毒草である
これほどカラフルな果実は他にはないかもしれないが、このブドウは食用にはならない
シロヨメナ(キク科)
ダイコンソウ(バラ科)
基部の葉が大根の葉に似ていることから
根はいわゆる自然薯で、食用になるムカゴが着く
葉が対生なので他のトコロなどと見分けられる
シシウド(セリ科)
クロバナヒキオコシ(シソ科)
マツカゼソウ(ミカン科)
これも毒草
アキチョウジ(シソ科)
アキノキリンソウ(キク科)
オトコエシ(オミナエシ科)
キタヤマブシ(キンポウゲ科)
近畿北部に分布するトリカブトだが、最近ではイブキトリカブトの斜状型とされる
もちろん有名な毒草
葉を噛んだだけでもピリピリする
オハラメアザミ(キク科)
茶色く見えるのがムカゴでこれによって無性生殖できる
ナルコユリ(キジカクシ科)
クサマオ(イラクサ科)
古代から繊維をとった植物でカラムシとも呼ばれる
イヌショウマ(キンポウゲ科)
いろいろなショウマがあるが、サラシナショウマよりひとまわり小さい
サネカズラ(マツブサ科)
赤く熟す実がきれいなので植栽されるが、つるなどから整髪料となる粘液が採れるので美男葛ともいう
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
ミカエリソウ(シソ科)
あまりにきれいで振り返って見ることから