近くに行ったので山室湿原を訪れた。小さな湿原だが湿地特有の植物がいろいろある。ちょうどカザグルマの開花時期で大きな白色の花を咲かせていた。園芸種のクレマチスと同じくらいの大きさの花だがこの白花は野生種には違いない。ただ、ここの湿原のカザグルマがここ本来の植生なのか、植栽されたものなのかはわからないように思う。
庭のクレマチスと違い、野外で見ると品がある
トキソウ(ラン科)
サナエトンボ
春先の山麓のタムシバや5月中旬のシイの木など、花が咲いて急に気付く木々も多いが、ジャケツイバラもそういったものの一つかと思う。日当たりの良い藪のようなところに生えるため、ふだんはあまり気に留めないから余計に目立つし、幾分蛍光がかった黄色の花が一気にあたり一面を埋めるので驚かされるようなところがある。いつだったか林道沿いで落葉したジャケツイバラに出逢い、はじめは何なのか分からなかったが、トゲがあるのでやっと気づいたことがある。たいていは藪を覆うようにして広がっているが、中には他の木に絡んでずいぶんと上の方で花を咲かせているものもある。
この時期に所々で目にするが、それほどどこにでも咲いているわけでもない。たとえばクズがツルを伸ばしてあたり一面を覆うように拡がっていることをみれば、もっと数多く見られてもいいかと思うが、そうでもない。まったくの平地ではなく、ひらけた谷沿いや、道路の斜面に生えるように思う。
昼からの短時間、府立植物園を廻ったが、いつも行く自然生態園だけでなく北側通路を歩いて主に樹木を見て廻った。今回知ったが、園内に生育する主な樹木の分布を示した地図がスマートフォンアプリで記されていて、その地点や説明を確認できる。歩いてみると、今まで気づかなかった樹木が結構あって、中には自然植生の貴重なものや、戦前の台風などで倒れたものの、真っ先に起こされて大切にされてきたものなど、この植物園の歴史を担う樹木も結構ある。今日は時間がなかったが、一度ゆっくり廻ってみたくなった。
本来の自生も含めて神社によく植えられる木にナギやカゴノキやサカキ、そしてオガタマノキがある
アマテラスが天の岩戸にこもった時、アメノウズメノミコトが持って踊った木で、招霊(おぎたま)からの名前
トウオガタマ(モクレン科)
中国原産で上述のオガタマノキとは別種
花の香りが強いがオガタマノキは香ることはない
またオガタマノキの花は純白
高木でわかりにくいが花はすでに終わったようで、右上にかなり小さいホオノキの果実のようなものが付いている。
葉柄がトウオガタマよりかなり長い
ハネミイヌエンジュ(マメ科)
最近はイヌエンジュとして統一されたようである
エンジュ(槐木)は中国原産の樹木だが全国に古くから植栽されて利用されている
イヌエンジュは自生しており芯材が茶褐色、辺材がクリーム色で北海道の工芸品でよく利用される
ハリギリ(ウコギ科)
合板材などでセンと呼ばれる材質の白い木
イロハモミジ(カエデ科)
サカキ(モッコク科・ツバキ科)
この時期は蕾がたくさん付いている
オオバオオヤマレンゲ(モクレン科)
オオヤマレンゲの園芸種
タチバナ(ミカン科)
右近の橘のタチバナ
梅花という名だが花弁は4枚
横にあったがバイカウツギの園芸種かと思う
平賀源内がポルトガルからのオリーブと誤認して付いた名前
たしかに実がオリーブに似ている
この時期にオレンジ色の葉が目立つがユズリハのように葉の下部につく落葉
カザンデマリ(バラ科)
ヒマラヤトキワサンザシ
バラ科だろうと近づいて確認したら上記の記述があったが、コデマリか?と思ったが、
さらにピラカンサとあったのでわかった
実の時期が印象的すぎてわからない
エノキ(ニレ科)
芝生広場の北側に大木がある
すでに多くの実をつけている
ハシドイ(モクセイ科)
ライラック(ムラサキハシドイ)と同属
高木になる
ヤマボウシ(ミズキ科)
オヒョウ(ニレ科)
北海道で自生を始めて見て以来、好きな樹木の一つ
イボタノキ(モクセイ科)
以前ライラックを植えておいたらいつのまにかイボタノキになってしまった
同じ科なのでライラックの接ぎ木の台木に使われる
レモンを植えておいたらカラタチになったのと同じ
ナツツバキ(ツバキ科)
シャラの木
ツクバネ(ビャクダン科)
これは雄花だが果実が羽子板のツクバネ型になる
ズイナ(ズイナ科)
昨年に奈良の白川八丁で自生を見た
カナメモチ(バラ科)
垣根に用いるヨウカナメのように葉が赤化しないが同じ種類
トウカエデ(カエデ科)
北門から入って正面にある大木
昨秋に続いて岩籠山を訪ねたが、今回は市橋から渓流沿いを遡り、頂上、インディアン平原、妖精ブナ林を経て駄口へ下る周回コースをとった。思いもかけず、渓流沿いの植物相が豊かで、困難な徒渉地点が数多くあったこともあって稜線に出るまでに随分と時間がかかった。頂上やインディアン平原では見晴らしはいいものの、霞みがかって白山までは見えず、妖精ブナ林でゆっくりした後、尾根を下った。
妖精ブナ林
上から見たブナ林
ブナ林すぐ横の大崩壊地
インディアン平原
夕暮山 と 野坂岳
市橋登山口
最初の徒渉点
徒渉点は沢が切れるまで十カ所以上あった
水かさも深く滑る石もある
二段になる滝
もっとも大きな滝
上から
盤状の滝
二段の滝
S字状の滝
堰堤もいくつかある
中流部にいきなり石段や石垣が現れ、住居か寺かの跡かもしれない
ヤマナラシ(ヤナギ科)
イヌシデ(カバノキ科)
タンナサワフタギ(ハイノキ科)
ヤマコウバシ(クスノキ科)
ササユリ(ユリ科)
ツルニンジン(キキョウ科)
シラキ(トウダイグサ科)
チャルメルソウ(ユキノシタ科)
シロダモ(クスノキ科)
アワブキ(アワブキ科)
トクワカソウ(イワウメ科)
ヤマグルマ(ヤマグルマ科)
ウラジロノキ(バラ科)
ササユリも見える
オオウラジロノキ(バラ科)
ナツトウダイ(トウダイグサ科)
ケヤマハンノキ(カバノキ科)
ミズキ(ミズキ科)
ミズメ(カバノキ科)
この沢にはこの木が多い
カラマツソウ(キンポウゲ科)
イワタバコ(イワタバコ科)
ハンショウヅル(キンポウゲ科)
キッコウハグマ(キク科)
アキギリ(シソ科)
オオカニコウモリ(キク科)
シソバタツナミソウ. or. ナガバタツナミソウ(シソ科)
ハウチワカエデ(カエデ科)
ミヤマハハソ(アワブキ科)
オオバキスミレ(スミレ科)
沢の下部から尾根にかけて広範囲で見られた
ツノハシバミ(カバノキ科)
スミレサイシン(スミレ科)
トリアシショウマ(ユキノシタ科)
ヤマブキショウマ(バラ科)
ダイモンジソウ(ユキノシタ科)
クマシデ(カバノキ科)
タチツボスミレ(スミレ科)
咲き残り
ニシキゴロモ(シソ科)
シハイスミレ(スミレ科)
トキワイカリソウ(メギ科)
咲き残り
サワフタギ(ハイノキ科)
ウスギヨウラク(ツツジ科)
ブナ(ブナ科)
オクモミジハグマ(キク科)
マルバフユイチゴ(バラ科)
ここまであげてきたものが市橋からの渓流沿いのもので、いかに植物相が豊かかわかると思う
ほとんど獣害を受けていない
尾根分岐点ブナ林
ブナ(ブナ科)
オオイワカガミ(イワウメ科)
このオオイワカガミの葉はかなり大きい
ブナ(ブナ科)
ヒトツバカエデ(カエデ科)
アズキナシ(バラ科)
下りの尾根
アカガシが多い
アカガシ(ブナ科)の新芽
ナツツバキ(ツバキ科)
沙羅双樹に似ることからシャラともいう
ガンピ(ジンチョウゲ科)
昨秋に訪れた屏風が滝に行ってみたが、やはりこの渓流はイワタバコやオオバギボウシの群生などが多く、本来の植生が残されている。滝の冷気で遅れるのか、この時期に、鮮やかなユキグニミツバツツジが屏風が滝のすぐ前で咲いていて印象的だった。もう一つ驚いたことに、標高は200m程度しかないのに、オオバキスミレに出逢えた。この渓の上部には雲谷山があり、たしかに大御影山などと峰続きといえばそうなるかもしれず、分布していてもおかしくはないかもしれないが、この標高で突然に出逢うと驚いてしまう。
屏風が滝
落差20m
三方を壁に囲まれた左の壁面から落ちる
乙女の滝
静隠の滝
清隠の滝下流
しだれの滝
この滝のすぐ直下を通るので迫力がある
右の岩はかなりの大きさがある
左の大きな岩と右の沢に迫った崖の間を抜けて手前のしだれの滝の方に入る
白滝
白練の滝
スケールとしてはこの滝がもっとも大きい
新緑
屏風が滝手前にある四阿(あずまや)
手前はコハウチワカエデの大木が数本ある
秋には四阿周辺はきれいだろう
サワグルミ(クルミ科)
アブラチャン(クスノキ科)
ハウチワカエデ(カエデ科)
トチバニンジン(ウコギ科)
イタヤカエデ(カエデ科)
アマチャヅル(ウリ科)
イワタバコ(イワタバコ科)
オオバキスミレ(スミレ科)
まさかこのようなところで出逢うとは思わなかった
もっと早くから咲いているらしく、ほとんどは二番花
アワブキ(アワブキ科)
ヤマアイ(トウダイグサ科)
キタヤマブシ(キンポウゲ科)
この地域のトリカブト
サルナシ(マタタビ科)
キブシ(キブシ科)
コハウチワカエデ(カエデ科)
ケンポナシ(クロウメモドキ科)
この木が多い
ケンポナシの樹皮
ケンポナシの大木
サワシバ(カバノキ科)
イワガラミ(アジサイ科)
昨年の花が残っている
コバノトネリコ(モクセイ科)
静隠の滝の上部に覆い被さるように咲いている
オオモミジ(カエデ科)
チドリノキ(カエデ科)
葉を見るとカエデに見えないがカエデの仲間
ちょうど花が咲いていた
カナクギノキ(クスノキ科)
イタヤカエデ(カエデ科)
屏風が滝の手前の四阿の奥にある大木
左がイタヤカエデ、中央奥アカガシ、右フジ
モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科)
イワタバコ、モミジチャルメルソウ、ウワバミソウ
トリアシショウマ(ユキノシタ科)
タニギキョウ(キキョウ科)
フジ(マメ科)
ニガキ(ニガキ科)
多分ニガキかと思う
屏風が滝の対面の岩壁に咲いていたがこれほどみずみずしいツツジはあまり知らない
静隠の滝のコバノトネリコといい、何か滝の気のようなものがあるのかとさえ思える
久々に天増川(あますがわ)を歩いてみたが、ここも鹿の食害だろう、林道沿いの草本はほとんどなくなっていた。かつては、奥深い渓流の代表のようなところで、一面のワサビやコンロンソウをはじめ、希少種も多くみられたところだけに残念なかぎりだ。
クルミやケヤキの高木は以前のままで、新緑の芽吹きの季節を迎えていた。
川面に映る新緑
新緑の中のフジの色が鮮やか
オオモミジ(カエデ科)
アカガシ(ブナ科)
オニグルミ(クルミ科)
赤い部分が雌花、雄花は垂れ下がった穂の部分
ケナシヤブデマリ(スイカズラ科)
ヤブツバキ(ツバキ科)
雪国のユキバタツバキかと思ったが違った
渓流沿いで気温が低くまだ咲いているのだろう
イヌシデ(カバノキ科)
アワブキ(アワブキ科)
シラキ(トウダイグサ科)
ヌルデ(ウルシ科)
エノキ(ニレ科)
石田川
一部寒川のものもあるが、いずれも閉鎖になった道路周辺の植物で
国道と川によって鹿も来にくいのか、幾分植生は残されていた
イタヤカエデ(カエデ科)
ミツバウツギ(ミツバウツギ科)
こちらでミツバウツギを見かけるのは珍しい
ハクサンハタザオ (アブラナ科)
鹿がいたら真っ先に食べられていただろう
フジ(マメ科)
ズミ(バラ科)
ズミのことをコナシともいう
ウワミズザクラ(バラ科)
すごく端正なウワミズザクラ
川沿いに生えている
若狭の上中に名水百選のひとつである瓜割の滝がある。夏でも冷気が漂い、滝の前にある台座に寝転んで昼寝でもできるくらいの涼しさである。もっとも最近は近隣の人ばかりか、観光バスまで来るようになって、ゆっくり寝ていられなくなったが。
ここは水辺の植生が豊かで、この地域独特の植物も多い。代表がユキミバナで、名前の通り、盛夏から雪の降りだす年の暮れくらいまで花が見られる。そのほか、サンインシロカネソウ、サンインクワガタ、モミジチャルメルソウなど、地域固有の植物を数多く見ることができる。
瓜割の滝
この滝の上の岩の割れ目から湧出している
夏場も水が冷たく、瓜をつけていても割れるとの例えから名がある
シャガ(アヤメ科)
モミジチャルメルソウ( ユキノシタ科)
滋賀、京都、福井の限られた地域に分布する
サンインクワガタ(オオバコ科)
オオバコ科とあるが、要するにオオイヌノフグリの仲間
近畿北部から山陰地方にかけて分布する
クワガタというのは戦国時代の兜の前飾りのことで実の形を見れば納得する
サンインシロカネソウ(キンポウゲ科)
やはり近畿北部から山陰地方にかけて分布する
サバノオの仲間で、実が鯖の尾の形になる
ヤマアイ(トウダイグサ科)
アイの名がつくがタデ科の藍ではない
緑色の染料には利用されてきた
これは雄株
いわゆるキンポウゲ
英語ではバターカップという
タチネコノメソウ (ユキノシタ科)
トキワイカリソウ(メギ科)
ツルニンジン(キキョウ科)
ジイソブとも
タニキキョウ(キキョウ科)
箱館山には林道が周回しており、カキツバタの平池、大正時代に造られた人造湖である淡海湖(処女湖)、紅葉が圧巻の天狗岩等を周回することができる。早春は残雪や倒木、落石等で通行できないことが多いが、例年5月の連休までには通行できる。登山道も荒れてきており、獣害の影響もあって、以前のように植生は豊かではないが、特に樹木を中心にこの時期の花を一通り見ることができる。
天狗岩
ヤマザクラ(バラ科)
エドヒガンザクラ(バラ科)
カスミザクラ(バラ科)
リョウブ(リョウブ科)
マルバマンサク(マンサク科)
イタヤカエデ(カエデ科)
花の最盛期には鮮やかなレモンイエローに見える
アカシデ(カバノキ科)
ウラジロノキ(バラ科)
ザイフリボク(バラ科)
ウワミズザクラ(バラ科)
コバノトネリコ(モクセイ科)
アオダモとも
オオシマザクラ(バラ科)
植栽
オオカメノキ(レンプクソウ科)
ヤマナシ(バラ科)
高木で見えにくかったがおそらくヤマナシかと
淡海湖
手前から
蛇谷ケ峰(手前)、釣瓶岳(右端)、武奈ケ岳(奥)
イワウチワ(イワウメ科)
オオイワカガミ(イワウメ科)
ヒメエンゴサク(ケシ科)
ヤマエンゴサクかと思ったが、ヒメエンゴサクにあたると思う
以前に二度ほど訪れたことがあり、トチノキやカツラ、オヒョウなど奥深い深山の木々が多く生えていた。まだ肌寒いが、以前見かけたエイザンスミレなどがないかと、白滝谷を登れるところまで歩いてみようと出かけた。林道の終点まではよかったが、白滝谷の登山道は荒れていた。落ち葉が深く積もって道がわかりにくく、以前渡渉点にあった橋がすべてなくなっていて、ロープが一本張ってあったが、決して安全なものではなかった。一本めの場所では、ここでは無理だろう…とさらに上へ行くともう一本ロープが張ってあってそこを渡渉したが、一旦渡ってみるとあまり気軽に戻る気になれず、結局白滝山まで登って周回のコースを下りたためずいぶんと時間がかかった。近年は登山ブームになって多くの人が山を訪れるようになったが、なぜか登山道は荒れてしまっているところも多くなったように思える。
白滝谷の奥まったところにある小さいが印象的な滝
以前に訪れた時のことをよく覚えていた
ここより上に小さい滝が連続して続く
オオバヤシャブシ(カバノキ科)
フサザクラ(フサザクラ科)
ケヤマハンノキ(カバノキ科)
ヒメヤシャブシ(カバノキ科)
ヤマザクラ(バラ科)
林道周辺のものは落花していたが
上流部ではまだ咲いていた
上流部のヤマザクラ
アカシデ(カバノキ科)
カツラ(カツラ科)
なぜかミツバツツジの開花もこの株だけしか見なかった
アスナロ(ヒノキ科)
アスナロの葉裏
ヤマグルマ(ヤマグルマ科)
この渓流沿いに多い
イヌブナ(ブナ科)
以前は上流に詰めていくに従ってイヌブナがよく目立ったが、上流部ではまだ葉が展開していなかった
ブナは頂上部周辺に少しあるくらいでブナ林と言えるものはない
渡渉地点のカツラ
カツラの大木がかなり多い
ヤマブキ(バラ科)
ヤマブキの開花はこの株だけだった
テツカエデ(カエデ科)
珍しいテツカエデが固まって生えている
チャボガヤ(イチイ科)
イヌシデ(カバノキ科)
モミ(マツ科)
ミズメ(カバノキ科)の大木
アカシデ(カバノキ科)の大木
ウリカエデ(ムクロジ科)
ヤマザクラかと思い近づくとウリカエデだった
トチバニンジン(ウコギ科)
コチャルメルソウ(ユキノシタ科)
モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科)
タチネコノメソウ (ユキノシタ科)
イワウチワ(イワウメ科)
花が少ない中で唯一多くみられたのがこの花
夫婦滝近くから白滝山への一帯はバイケイソウ、ハシリドコロ、キタヤマブシの毒草三兄弟だらけ
ハシリドコロ(ナス科)
トリカブトの葉が多くある中でこれはもしかするとニリンソウか?と思えるものがあったが、歩いて行くと後で並んで教えてくれる株があった
ただこれだけトリカブトが多いと葉のみ単独での判断は決めかねる
左はトリカブト
キタヤマブシ(キンポウゲ科)
ツクバネソウ(ユリ科)
オオイタヤメイゲツ(カエデ科)
白滝山の頂上部周辺はオオイタヤメイゲツ林となっている
ただまだ全く芽吹いてはいない
白滝山頂上 1022m
音羽池 頂上の少し下にある小さな池
ワサビ大滝
伊藤新道を下ったところにある
登山道が荒れているのは、台風や大雨で道や橋が流されたままになっているのかと思うが、おそらく結構な人が渡渉時にはまったり、道に迷ったりしているかと思う。
幾分時期が早いとはいえ、草本の花がほとんど見られなかったのはやはり鹿の食害かと思える。上流部の平坦地では毒草のバイケイソウ、ハシリドコロ、トリカブトばかりが群生していた。この谷の植生は非常に多様なのだが残念だ。
ずいぶんと以前に裏磐梯の紅葉に感動した時、案内の人が、春はもっときれいですよ…と言われて何のことかわからなかったことがある。春の木々の芽吹きは、気候によって、あるいは木々が持つ習性によって幾分変化するが、灰色の山々が一気に色付いていく様は、やはり命の息吹と重なってうれしくもあり、ありがたく思える。
百瀬川が、平野部に出たところに、一般に軍艦山と呼ばれている低い山があり、自然植生でかなりのサクラが密生して生えている。年によっては、他のアカシデやケヤキなどと芽吹きが重なって彩を増すことがある。
エドヒガンザクラ(バラ科)
開花時は紅色の濃い色の蕾が開くにつれて白くなり散り際に黄緑色の葉が出てくる
ヤマザクラ(バラ科)
開花とほぼ同時に葉が開いてきて葉の色の変化が多い
国道沿いの斜面
蛇谷ケ峰、地元ではオグラス山と呼ばれる標高900mの山の西側斜面
毎年他に先駆けてタムシバが開花し、年によっては一面に雪がかぶったように見える
黄緑色に見えるのはイヌブナ(ブナ科)
山麓から山の斜面に生える
全体に良い香りがするためニオイコブシともいう
コブシ(モクレン科)
平地や川沿いに生える
開花時に花の付け根に葉が一枚展開する
ヒメコブシとも
昔より京都から大津へ行くにはよく歌に詠まれている逢坂山を越えて行くが、この東海道の間道にあたるのか、小関(おぜき)越えという道がある。今回は京都の山科から大津の長等までを歩いた。
山科からはしばらくは琵琶湖の水を京都まで送る疏水(そすい、明治時代に作られたもの)沿いに歩くが、ここは以前からサクラが植えてあり、花見をしながら歩ける。今年はもう花はほぼ終わりかけではあったが。
クヌギ(ブナ科)
こちらではずいぶん木々が芽吹いていた
イロハモミジ(カエデ科)
ジロボウエンゴサク(ケシ科)
他の地域では普通の種かもしれないが県内では稀
お地蔵さんとジロボウエンゴサク
瓦屋根のジロボウエンゴサク
ジロボウエンゴサクに対するタロボウ(太郎坊)というのはスミレのことで春に馴染みのある花を指す言葉
八日市(東近江市)に巨岩で有名な太郎坊宮があるが、それに対する次郎坊は鞍馬寺のこと
セキショウ(ショウブ科)
香りが良く端午の節句に風呂に入れたショウブと同じ仲間
ショウブと、アヤメのようなハナショウブとは全く異なる
ウワミズザクラ(バラ科)
クサイチゴ(バラ科)
テリハノイバラ(バラ科)
イズセンリョウ(ヤブコウジ科→イズセンリョウ科→サクラソウ科)
珍しい植物で実が白くなる
照葉樹林帯の植物
イヌガシ(クスノキ科)
カシの名が付くがブナ科ではない
赤い部分が花
ヤブツバキ(ツバキ科)
アリドオシ(アカネ科)
ツルアリドウシはよく見かけるが同じように実が二つずつ付く
タラヨウ(モチノキ科)
葉に油分を多く含み昔から文字を書くのに使われた
アオキ(アオキ科、ガリア科)
カスミザクラ(バラ科)
山道の林道(舗装された車道)沿いに何本か大木があったがもしかすると植栽された園芸種かもしれない
薄暗い中では白い花が映えていた
ショカッサイ(アブラナ科)
諸葛孔明が戦地で栽培したことから
サクラの季節になっても以前はふつうに見に行くことができたが、ここ10年ほどになるか、とんでもない人出で、湖西ばかりか湖北に廻る道にまで延々と渋滞が続くようになった。今年はここのサクラも他にもれず、随分と早く満開を迎え今週末がピークかと思われる。
昨日思い立って、朝の6時に訪れてみたが、ゆったりと見て廻ることができた。朝の光も綺麗で、なかなか気付かないが、意外と簡単なことで全く違った時間を過ごせるものだ。