屏風が滝

赤坂山や大御影山から若狭の海が望める時があったが、真近に雲谷山がよく見えていた。地理的には大御影山から連続する山地になるかと思うが、麓に滝がたくさんみられる。そのうちの一つ、屏風が滝を訪ねてみた。屏風が滝は整備された登山道の一番奥にあり、三面を岩壁に囲まれていることからその名がある。すぐ手前に大きな平滝があり、渓流沿いの道にはかなりの大きさの岩が川の両岸を覆っていて、高巻きになっているところもある。修験道の行場に使われていたというのも納得できるようなところだ。

さらにこの渓流沿いの道は雪のせいなのか、獣害の影響があまりないようで、結構な種類の植物が残っている。もうしばらくすれば、秋の花々が多くみられるかと思われ、春に来てもいいところのように思える。

鉄骨と木を組み合わせた立派な橋が数多くかけられ、石組みも歩きやすくよく整備された渓流沿いの道が続いている。屏風が滝手前の広場に祠があって、中に錆びた砲弾が置かれてあった。東屋の前に滝の解説があって、明治の日露戦争勝利の記念に、村の協力で整備され、その後も維持されてきたとあった。あまり人に教えたくないが、もっと有名になって、多くの人が訪れるようになってもいいところではある。

 

奥が屏風が滝

f:id:Jiroviolet:20170910223748j:image

 

サワオトギリ(オトギリソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170910223851j:image

 

ヤマジノホトトギスユリ科

f:id:Jiroviolet:20170910223911j:image

 

アブラギリ(トウダイグサ科) 

以前から若狭に多く生育しているのは知っていたが、昔は若狭と島根県が種子から油を取るためのアブラギリの二大産地だったらしい。毒性があるため獣害にも会わず、大量に野生化している。種子の油を灯油や和傘の撥水剤として用いた。

f:id:Jiroviolet:20170910223929j:image

 

気持ちのいい清流が続く

f:id:Jiroviolet:20170910223957j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170910224017j:image

 

キタヤマブシ(キンポウゲ科) 

近畿北部に分布するトリカブト

f:id:Jiroviolet:20170910224031j:image

 

 

f:id:Jiroviolet:20170910224055j:image

 

 ヤマアカガエル

 f:id:Jiroviolet:20170910224115j:image

 

乙女の滝

f:id:Jiroviolet:20170910224206j:image

 

静隠の滝 滝音は大きくそれほど静かな感じはしなかった

f:id:Jiroviolet:20170910224227j:image

 

ケンポナシ(クロウメモドキ科) 

この木が多かった

実ではなく果柄が食べられる珍しい植物

f:id:Jiroviolet:20170910224240j:image

 

かなりの巨岩の脇をすり抜けていくが道はよく整備されている 

f:id:Jiroviolet:20170910224251j:image

 

モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科) 

京都、滋賀、福井の限られた地域に分布する

f:id:Jiroviolet:20170910224347j:image

 

ムカゴイラクサイラクサ科)

葉の付け根の赤い部分がムカゴ(栄養生殖器官、種子ではない)

もちろんイラクサなので葉を触ると痛い

f:id:Jiroviolet:20170911145754j:image

 

キッコウハグマ(キク科)

開花まであと少し 螺旋状の白い菊のような花が咲く

キッコウは亀甲で六角形の葉の形から

f:id:Jiroviolet:20170910230002j:image

 

アキギリ(シソ科)

f:id:Jiroviolet:20170910224407j:image

 

イワタバコ(イワタバコ科)

咲き残りの一株 イワタバコ自体はかなり多く生育している

f:id:Jiroviolet:20170910225730j:image

 

屏風が滝手前の白滝(白練の滝)

かなり大きな岩を伝い落ちるナメ滝のようになっている

f:id:Jiroviolet:20170910225748j:image

 

屏風が滝手前の小滝 

f:id:Jiroviolet:20170910225803j:image

 

屏風が滝

奥と右も壁面になっている 

f:id:Jiroviolet:20170910225832j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170910225844j:image

 

不動明王十六善神が彫ってある

f:id:Jiroviolet:20170910225858j:image

 

屏風が滝解説

f:id:Jiroviolet:20170912090846j:image

 

帰りの農道沿いの田んぼの斜面にあったヒガンバナ

一株だけ白花があった

f:id:Jiroviolet:20170911150000j:image

突然変異なのか、全体は植栽されているようだが

九州に白花があるとは聞いたことがあるが

f:id:Jiroviolet:20170911150118j:image

 

近くの山道にあったママコナ

シコクママコナ(ハマウツボ科)

f:id:Jiroviolet:20170911150610j:image

f:id:Jiroviolet:20170911150623j:image

 

アクシバ(ツツジ科)の実

f:id:Jiroviolet:20170911150721j:image

 

 

 

 

 

高時川源流

春に訪れた高時川源流は先月の台風時の増水で道路が寸断され通行不可になっていた。菅並の集落のはずれに車を置いて歩いて行ったが、川の水はいくぶん白濁している。ハギの花が何種類か咲いていたが、まだそれほど秋らしい花の開花はなく、むしろ先月の上旬に見たかったイワタバコの花が少し咲き残っていた。夏と秋が交錯しているような時期なのかもしれない。花の写真を撮っているといつも以上に昆虫の姿をよく見かけた。

 

ヤマジノホトトギスユリ科

f:id:Jiroviolet:20170905203317j:image

 

カワミドリ(シソ科)

全草に独特の香りがある

シソ科はなぜ香りを身につけたのか、昆虫と関係するのだろうか?

f:id:Jiroviolet:20170905203336j:image

 

クズ(マメ科

f:id:Jiroviolet:20170905203347j:image

 

ミツバフウロフウロソウ科

f:id:Jiroviolet:20170906085337j:image

 

ヌスビトハギ(マメ科

かなり大ぶりなヌスビトハギがあった

派手な泥棒(果実の形が泥棒の足の仕草に似ている)

        ↓

どうもおかしい…と思いながら調べてみたら、これはヌスビトハギではなかった。


フジカンゾウマメ科

果実もヌスビトハギとそっくりだが大型なのと葉が羽状複葉になっているようだ

f:id:Jiroviolet:20170905203357j:image

葉は奇数羽状複葉

f:id:Jiroviolet:20170906083812j:image

全体

f:id:Jiroviolet:20170906083835j:image

果実が落ちてしまっているが、これがヌスビトハギ

見にくいが、葉は3小葉

f:id:Jiroviolet:20170906083924j:image

 

ヤマハギマメ科

f:id:Jiroviolet:20170905203411j:image

花柄(花序)が葉より突出する

f:id:Jiroviolet:20170906084516j:image

 

マルバハギ(マメ科

f:id:Jiroviolet:20170905203442j:image

花柄(花序)は葉より突出しない

f:id:Jiroviolet:20170906084625j:image

 

キハギ(マメ科

黄萩ではない  木萩

もちろん他のハギも木質化するが他のハギのようにしなだれないので

紫とクリームイエローの花弁

f:id:Jiroviolet:20170906084706j:image

 

イワタバコ(イワタバコ科)
夏の暑い盛りにこの紫は鮮烈に感じる

f:id:Jiroviolet:20170906084241j:image

 

ミズタマソウ(アカバナ科

説明がなくとも名前の意味がわかるかと

f:id:Jiroviolet:20170905203500j:image

 

この夏は台風の直撃以外にも雨が多かった

いくぶんかの白濁が残る

f:id:Jiroviolet:20170905203508j:image

 

つる植物

あまり遠くへ行けないこともあって、自宅周辺ばかりを散策していたが、そろそろ秋の花が咲き始めている。数年来、獣害対策のフェンスが山沿い、川沿いに設置されるようになって、以前とはずいぶん景観が変わってしまったが、その分、つる植物が目立つようになった。クズが覆い尽くしているようなところもあるが、種々の花が混じって花束にみえるようなところもある。あらためて考えて見ると、つる植物の花はこの時期に開花するものが多いように思う。

 

花束のように種々の花が咲き競う

ボタンヅル(キンポウゲ科ヘクソカズラ(アカネ科)ヤブツルアズキマメ科

f:id:Jiroviolet:20170901183403j:image

 

 

ヘクソカズラ(アカネ科)

f:id:Jiroviolet:20170902121626j:image

 

 

センニンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170901183452j:image

 

 

センニンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170901183529j:image

 

 

イシミカワタデ科

f:id:Jiroviolet:20170901183549j:image

 

 

マルバルコウソウヒルガオ科) 

f:id:Jiroviolet:20170901184801j:image

f:id:Jiroviolet:20170902121114j:image

 

アオツヅラフジ(ツヅラフジ科)

f:id:Jiroviolet:20170901184824j:image

f:id:Jiroviolet:20170902121152j:image

 

ヤマノイモヤマノイモ科)

f:id:Jiroviolet:20170901184929j:image

 

ヤブツルアズキマメ科

アズキの原種に当たる

 f:id:Jiroviolet:20170904181429j:imagef:id:Jiroviolet:20170901194024j:image

 

ノアズキ(マメ科

ヤブツルアズキに似ているが果実が鞘状

f:id:Jiroviolet:20170904180300j:imagef:id:Jiroviolet:20170904180325j:image

葉はヤブツルアズキに比べて小さくクズの葉の形に似ているのでヒメクズの名がある

f:id:Jiroviolet:20170904180337j:image

 

ツルマメ(マメ科

ダイズの原種に当たる

f:id:Jiroviolet:20170901194316j:image

f:id:Jiroviolet:20170901185057j:image

 

ノササゲ(マメ科

f:id:Jiroviolet:20170902121654j:imagef:id:Jiroviolet:20170902121734j:image

 

コバノカモメヅル(ガガイモ科)

希少植物だがこのフェンスにはいっぱいある

f:id:Jiroviolet:20170901185150j:imagef:id:Jiroviolet:20170901185154j:image

 

ガガイモ(ガガイモ科)

f:id:Jiroviolet:20170901185222j:image

 

スズメウリ(ウリ科)

f:id:Jiroviolet:20170901185352j:image

 

スズメウリの果実

f:id:Jiroviolet:20170902121224j:image

 

ゴキヅル(ウリ科)

f:id:Jiroviolet:20170902121258j:image

 

ゴキヅルの実

熟すと写真の果実の上下で別れ蓋つきの器のようなので合器蔓の名がある

f:id:Jiroviolet:20170902121335j:image

 

カナムグラ(アサ科)

f:id:Jiroviolet:20170901185450j:image

f:id:Jiroviolet:20170902121405j:image

 

クズ(マメ科

花だけを見ると秋の七草に入れられているのもうなずけるが

f:id:Jiroviolet:20170902121449j:image

 

クマバチ

f:id:Jiroviolet:20170901185515j:image

 

 

 

 

 

 

 

 

白川八丁

吉野山大台ヶ原を訪れたことはあるが、黒滝村天川村などは名前を聞くだけで行ったことはなかった。観音峯やみたらい渓谷といった地名を聞いていたが、今回すぐ近くの白川八丁を訪ねる機会があった。奈良県は北と南でまったく地形が異なる。吉野川を渡って標高を上げ、長いトンネルを越えると一気に山深い渓流沿いの地形になった。まず渓流の淵の水の色に驚く。この色にひかれてか数多くの人が川遊びに訪れていた。

道路から派生している傾斜の穏やかな林道を遡っていくが、さすがに初めて出会う植物にたくさん出逢う。2、3キロか登った後で道が分かれ、左の川に降りる方の道ををしばらく下ると白川八丁と呼ばれる所に出た。周囲には巨岩が、川沿いには土石流によって流れてきた白っぽい石が一面に広がり、川の水は伏流になっているようで、たしかに白い石の川が上流にずっと続いている。白川八丁の一部しかいく時間はなかったが、上流に向かってさらに延々と登り詰めていくと大峰山の弥山に通じているようだ。サワグルミ、トチ、ケヤキ、イタヤカエデ、チドリノキ、ミズナラ、イヌシデ、アワブキ、アサガラ、エゴノキ、ブナなど多種の木々があったが、ほとんどは上記の白い石の川に数メートルは埋まってしまっていて、木々の葉をすぐ目の前で見ることができる。周囲の川岸には部屋から家の大きさもありそうな巨岩が並んでいた。

エメラルドグリーンといえばいいのか.…。

f:id:Jiroviolet:20170823140723j:image

青味がかっているところもある

f:id:Jiroviolet:20170823140738j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170823140817j:image

白川八丁  石はけっこう大きく歩きにくい

f:id:Jiroviolet:20170823140902j:image

川の周囲の巨岩

f:id:Jiroviolet:20170823140918j:image

 f:id:Jiroviolet:20170823191521j:image

オオクマヤナギ(クロウメモドキ科)

f:id:Jiroviolet:20170823143740j:image

ズイナ(ズイナ科)府立植物園で見たことはあったが、野外では初めて見た

f:id:Jiroviolet:20170823143752j:image

メグスリノキ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170823143841j:image

クサギ (シソ科)以前はクマツヅラ科

f:id:Jiroviolet:20170823143954j:image

ツガ(マツ科)

f:id:Jiroviolet:20170823144015j:image

ヒナウチワカエデ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170823144056j:image

チドリノキ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170823144142j:image

エゴノキエゴノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170823144227j:image

イヌブナ(ブナ科)

f:id:Jiroviolet:20170823165019j:image

タニタデ(アカネ科)

タニソバはタデ科

f:id:Jiroviolet:20170823165730j:image

ミヤマタニタデ(アカネ科)

ミヤマタニソバはタデ科

ややこしいが「ソバがタデ科でタデはアカネ科」タデがタデ科でない.…と憶える。

f:id:Jiroviolet:20170823202419j:image

これがミヤマタニソバ(タデ科

スマートなミゾソバだと思えばいい。ミゾソバタデ科

f:id:Jiroviolet:20170824115231j:image

クモキリソウ(ラン科)

f:id:Jiroviolet:20170823165751j:image

コバンノキ(コミカンソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170823165813j:image

シシラン(イノモトソウ科)正確にはナカミシシラン

f:id:Jiroviolet:20170823165829j:image

ボタンヅル(キンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170823165851j:image

ハナビゼリ(セリ科)

f:id:Jiroviolet:20170823165909j:image

イヌトウキ(セリ科)

f:id:Jiroviolet:20170823202458j:image

 

余談だが八丁とはどれくらいの距離か調べてみた。一丁は60間でほぼ109m。ということは、800m強。登っていないが、1kmくらいあるのかもしれない。その上は水流が現れるのかと思う。これは以前に聞いたことがあるが、八丁味噌岡崎城から八丁の距離のところに味噌屋が集まっていたらしい。ハッチョウトンボの由来はわからない。

それと吉野川を渡る際に、これは紀ノ川か吉野川かと考えていたが、これも調べてみたら、奈良県では吉野川和歌山県に入ると紀ノ川に名前を変えるようだ。瀬田川も京都で宇治川、大阪で淀川になるようなものかもしれない。なお、今回遡った川は弥山(みせん)川という。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖岸のハス

先月、早崎内湖のハスを紹介したが、迂闊にもそのすぐ近くの湖岸にハスの群生が見られるところがあった。湖北町の湖岸は琵琶湖のなかでもかなり沖合まで浅瀬が続いていて、付近はヤナギやハンノキが小さな島をつくっているところもあり、素晴らしい景観のところが多い。おそらくここのハスは来年以降もまだ拡がっていくように思え、今のところ気付いている人は少ないと思うが、いずれ以前の烏丸半島のように人が押し寄せるかもしれないと思う。また、ここのハスも早崎内湖のハスも、ピークは過ぎたもののいまだに多くの花を咲かせており、8月上旬が盛りだと思っていたが、この辺りのハスの個体群は勢いが強いのではないかと思える。烏丸半島のハスについて、土壌の変化や環境要因の変化が報告されていたが、自分はここのハスを見たりすると、ハスの群生はある程度の規模まで拡大すればいずれ数十年単位で自然と衰退していくように思える。平家物語ではないが.…。

中央奥の左が竹生島

f:id:Jiroviolet:20170819085442j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170819085503j:imagef:id:Jiroviolet:20170819085512j:image

延勝寺浜と呼べばいいのかと思う

下の3つ並んでいる内湖が早崎内湖

f:id:Jiroviolet:20170819085528p:image

ヒルガオ

6月頃にヒルガオの花をよく見かけたが、8月の暑い盛りになって再び咲いているようで、これは別の種かと調べてみたら、どうやらヒルガオとコヒルガオの雑種、アイノコヒルガオのようである。コヒルガオは花の大きさがヒルガオの半分くらいですぐにわかるが、アイノコヒルガオヒルガオとよく似ている。

 

ヒルガオヒルガオ科)

苞葉の先端は鈍葉

f:id:Jiroviolet:20170817195507j:image

f:id:Jiroviolet:20170817195525j:image

アイノコヒルガオヒルガオ科)

苞葉の先端は鋭葉

全体に言えることではないと思うがこの個体は花色が少し濃い

f:id:Jiroviolet:20170817195602j:image

f:id:Jiroviolet:20170817195627j:image

ヒルガオヒルガオ科)

花柄にヒレ(翼)がある

f:id:Jiroviolet:20170817195643j:image

花柄にヒレがある

f:id:Jiroviolet:20170817195657j:image

比較のため  左コヒルガオと右アイノコヒルガオ

ヒルガオの花は半分くらい

f:id:Jiroviolet:20170817195712j:image

ハマヒルガオヒルガオ科)

もともと海岸性のものだが琵琶湖の湖岸には分布する

葉は腎円形

f:id:Jiroviolet:20170817195731j:image

f:id:Jiroviolet:20170817195747j:image

 

伊吹北尾根

夜明け前に激しい雷雨があり、時折霧雨が降っていたが、伊吹北尾根の北半分を歩いてきた。国見峠から国見岳へはほぼ登り、国見岳から大禿山まではいったん降って登り返す。その先の御座峰まで行きたいが今日は縦走はできないので引き返す。歩いてわかったが、伊吹本峰から国見岳までは石灰岩が分布しており、国見岳を国見峠へ下る途中で地質が変わっている。春には花の多いコースではあるが、伊吹山の頂上とは異なり、この時期には少なかった。周囲はすべて霧の中で湿度もかなり高く、標高が1000m前後あっても蒸し暑かったが、この尾根はもともと水分が豊富なのではないかと思える。樹木が広がるところはほとんどがオオイタヤメイゲツ林と言ってもいいが樹皮や林床の石などには多くの着生植物やコケが見られる。驚いたのは、尾根筋にかかわらず、トチ、クルミ、フサザクラ、チドリノキなど、渓流沿いの樹木がたくさん生えていることだ。尾根筋にトチの大木があるのは初めて見たように思う。

 

f:id:Jiroviolet:20170801224333p:image

 

 

尾根筋に広がるオオイタヤメイゲツ林

ミズナラシナノキ、ミズキなどが混じる

f:id:Jiroviolet:20170801105617j:image

f:id:Jiroviolet:20170801105630j:image

f:id:Jiroviolet:20170801105640j:image

白い花はノリウツギアジサイ科)

f:id:Jiroviolet:20170801105646j:image

オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170801105703j:image

オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170801105715j:image

 大禿山頂上

f:id:Jiroviolet:20170801125248j:image

トチ(ムクロジ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125303j:image

コシアブラウコギ科

f:id:Jiroviolet:20170801125309j:image

オオイタヤメイゲツ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125319j:image

ツルマサキ(ニシキギ科) 

f:id:Jiroviolet:20170801173402j:image

チチタケ 

f:id:Jiroviolet:20170801125425j:image

ジンジソウ(ユキノシタ科) 

f:id:Jiroviolet:20170801125436j:image

ヒメフウロフウロソウ科

f:id:Jiroviolet:20170801125440j:image

ルイヨウボタン(メギ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125448j:image

ルイヨウボタン群生 

これほどの群生は初めて見た

f:id:Jiroviolet:20170801125453j:image

オオバショウマ(キンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170801125500j:image

ナギイチゴ(バラ科)

愛知県の猿投山に由来する

f:id:Jiroviolet:20170801125507j:image

フッキソウ(ツゲ科) 

f:id:Jiroviolet:20170801125515j:image

オニルリソウ(ムラサキ科

f:id:Jiroviolet:20170801125520j:image

ツルガシワ(キョウチクトウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170801125525j:image

左 ヒメノキシノブ 右 ノキシノブ 

f:id:Jiroviolet:20170801125541j:image

ミヤマノキシノブ 

f:id:Jiroviolet:20170801173226j:image

ヒトリシズカ(センリョウ科)

f:id:Jiroviolet:20170801173321j:image

マルミノヤマゴボウヤマゴボウ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125546j:image

ヒヨクソウ(オオバコ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125601j:image

ハナイカダハナイカダ科)

f:id:Jiroviolet:20170801125611j:image

早崎内湖のハス

北の湖岸にある早崎内湖では内湖全体を埋め尽くすほどのハスが花を咲き誇っている。内部の通路は立入禁止になっていて周囲からしか見ることはできないが、年々規模を増しているようで見ごたえがある。ただ、あまりに増えすぎると光を遮って水質を悪くするようで、ビオトープ管理の立場としては増殖を遮光シートなどで抑えているようである。

この早崎内湖の少し南に奥琵琶スポーツの森という施設があり、そこの池のハスがかなりの規模だったが、近年消滅してしまった。また、南湖の烏丸半島の大規模なハスも一部を除いてほとんどなくなっている。

消滅の原因として、土質の変化による粘土層の消失やメタンガス濃度の上昇およびハスが増えすぎたことによる土壌の酸欠などがあげられているが、一ヶ所だけでなく同時に同じことが各地に起こったのだろうか?

 

 早崎内湖のハス

このような規模のビオトープが三箇所ある

f:id:Jiroviolet:20170728213555j:image

 後ろの山は山本山

f:id:Jiroviolet:20170728213613j:image

後ろ左  小谷山  後ろ右  虎御前山 

f:id:Jiroviolet:20170728213629j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170728213643j:image

ひらいたひらいた  なんの花がひらいた レンゲの花がひらいた  ひらいたとおもったら  いつのまにかつぼんだ

 

この歌がハスの花のことを歌っているとは知らなかった  レンゲは畑のレンゲかと漠然ととらえていたが、蓮華である

 

ハスの花は早朝の開花と昼の閉花を3日繰り返し、4日目には花弁が落ちてしまう

写真の左のものは2日目  右のものは3日目だろう

f:id:Jiroviolet:20170728213701j:image

現在の烏丸半島の様子

外来水草オオバナミズキンバイアカバナ科

f:id:Jiroviolet:20170728213727j:image

 外来種の除去

f:id:Jiroviolet:20170728213801j:image

 北東の一角のみわずかに残っている

f:id:Jiroviolet:20170728213818j:image

2014年8月3日

後ろは三上山

f:id:Jiroviolet:20170728213830j:image

 

京都府立植物園

府立植物園には日本の森 植物生態園というところがあり、自然に近い形で1000種近くの植物が植栽してある。春や秋によく行くが、この時期はあまり咲いているものはあるまいと思っていたが、そんなことはなかった。この夏の時期に高山以外で花々に出逢うとかえって新鮮な感じがする。生態園は周囲を樹木で囲まれており、比較的涼しく散策できる。

 

レンゲショウマ(キンポウゲ科

キンポウゲ科の植物には個性のある花々が多いが、この花はその中でも独特の雰囲気を持っていて、下向きに咲く薄紫がかった花も、少し薄暗い木々の下で咲く雰囲気に合っている。随分と前に三つ峠で初めてこの気品のある花を見たときは驚いた。ただ、薄暗い林下であちこちにばらけて咲くこの花の写真は撮りにくい。

f:id:Jiroviolet:20170725154032j:imagef:id:Jiroviolet:20170725154039j:image

 

カリガネソウ(シソ科)

対生の葉の付け根から花茎が出て三分し二つずつ花を付けるが、計5つの花をつけることが多い。ホカケソウ(帆掛草)ともいい、いい雰囲気の花だが、匂いはたいてい嫌われる。確かクマツヅラ科だったと思うが新分類体系でシソ科と言われてもピンとこない。

f:id:Jiroviolet:20170725154052j:imagef:id:Jiroviolet:20170726102251j:image

 

ヒオウギ(アヤメ科)

ヒメヒオウギスイセンと紛らわしいが、こちらのヒオウギが本来の種でヒメヒオウギスイセンは交雑によって作り出されたもののようである。祇園祭の飾り花として欠かせない花。緋扇子。

f:id:Jiroviolet:20170725154102j:image

f:id:Jiroviolet:20170726092926j:plain f:id:Jiroviolet:20170726092942j:image

 この葉の形から扇(オウギ)の名がついたのだろう

f:id:Jiroviolet:20170726093012j:image

ヒメヒオウギスイセン(アヤメ科)

むしろこちらの方が原種に見える

f:id:Jiroviolet:20170726092956j:image

 こちらの葉は扇型にならない

f:id:Jiroviolet:20170726093030j:image

 

フシグロセンノウ(ナデシコ科)

もちろん科も種も異なるが、夏の樹下で緋色の花を咲かせるという点ではヒオウギと似ている。

f:id:Jiroviolet:20170725154113j:imagef:id:Jiroviolet:20170726102306j:image

 

ヤマユリユリ科

突然変異種のようで紅筋ヤマユリとあった。本来のヤマユリはと調べてみたら黄色の筋が入っている。

f:id:Jiroviolet:20170725154126j:imagef:id:Jiroviolet:20170726102323j:image

 

キキョウ(キキョウ科)

秋の七草であるが、考えてみればこの時期に咲くのは少し早すぎるようにも思える

秋の野に咲きたる花を指折り(およびおり)かき数ふれば七種(ななくさ)の花

萩の花  尾花葛花  撫子の花  女郎花また藤袴  朝貌(あさがお)の花

万葉集  山上憶良

このうち 朝貌(あさがお)がキキョウだろうと言われているが

キキョウとナデシコは7月下旬くらいから咲き出す

秋の野に というのがどこなのかわからないが、あまりに印象的な二種の花は外せなかったのかもしれない

f:id:Jiroviolet:20170726102428j:imagef:id:Jiroviolet:20170726102437j:image

 

ウバユリ(ユリ科

開花時に根生葉がなくなる(葉がない=歯がない)ことからウバ(姥)ユリの名がついた

f:id:Jiroviolet:20170726102457j:image

 

ウラン(ラン科)

単純かつ風情のある名前をもらったランである。野生の個体に出会ったことはないが、バニラのようないい香りがする。

f:id:Jiroviolet:20170725154143j:plain

f:id:Jiroviolet:20170725154147j:image

 

スズカケソウ(ゴマノハグサ科

園芸植物として江戸時代から知られていたが、自生地がわからなかった謎の植物。牧野富太郎も探したようで、岐阜県徳島県に自生とみられるものがあるが由来がわからないようである。中国にあることから古い時代の移入かとも言われる。

f:id:Jiroviolet:20170725154150j:image

雪野山

「あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る」

額田王の有名な歌だが、この歌の舞台は雪野山の周辺だと聞いたことがある。たしかに紫  野ゆき  標  野ゆき  の野ゆきは  雪野(ゆきの)を指すのだろう。

それとともにこの山は古墳だらけの山でもある。山麓から頂上あるいは尾根筋にかけていたるところにある。

近くに行き、時間が空いたので、この時期だが、どんなところか歩いてみた。植物は単調だろうと思っていたが、結構な種類の花に出逢えた。さすがにムラサキ草はなかったが…。

 

雪野山  龍王山ともいい竜王の地名のもとになっている

f:id:Jiroviolet:20170714213013j:image

登り口にある古墳群

f:id:Jiroviolet:20170714213118j:image

石畳が続く

f:id:Jiroviolet:20170714213310j:image

上部に八幡神社の旧社殿跡がある

f:id:Jiroviolet:20170714213444j:image

サワガニ

f:id:Jiroviolet:20170714213529j:image

 アキノタムラソウ(シソ科)

f:id:Jiroviolet:20170715093444j:image

 サジガンクビソウ(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170715093511j:image

ノギラン(ユリ科

f:id:Jiroviolet:20170715093530j:image

ママコナ(ハマウツボ科)

f:id:Jiroviolet:20170715093550j:image

白い部分が米粒にみえる

f:id:Jiroviolet:20170715093559j:image

 尾根筋には巨岩が多い

f:id:Jiroviolet:20170715094938j:image

この岩なども古墳だろう

f:id:Jiroviolet:20170715094949j:image

ガンピ(ジンチョウゲ科)が多い

f:id:Jiroviolet:20170715095005j:image

ネズミサシ(ヒノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170715095016j:image

 ナツハゼ(ツツジ科)

f:id:Jiroviolet:20170715095026j:image

奥が頂上  手前は前方後円墳の前方墳にあたる  頂上部は発掘されて平らになっている

f:id:Jiroviolet:20170715095038j:image

多くの埋葬品が出てきたようで詳しい説明板があった

f:id:Jiroviolet:20170715102302j:image

 埋葬部の写真

f:id:Jiroviolet:20170715102322j:image

 サカキ(モッコク科)

f:id:Jiroviolet:20170715102444j:imagef:id:Jiroviolet:20170715102453j:image

カナメモチ(バラ科)

f:id:Jiroviolet:20170715102839j:imagef:id:Jiroviolet:20170715102848j:image

コバノミツバツツジツツジ科)

この時期に見るとコバ‥の意味がわかる 

f:id:Jiroviolet:20170715110156j:image

リョウブ(リョウブ科)

f:id:Jiroviolet:20170715110214j:image

ヒメヤシャブシ(カバノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170715110223j:image

オオバノトンボソウ(ラン科)

f:id:Jiroviolet:20170715110246j:imagef:id:Jiroviolet:20170715110250j:image

 頂上より鏡山  左奥に三上山

f:id:Jiroviolet:20170715110951j:image

左  繖山  と  右  箕作山

f:id:Jiroviolet:20170715111139j:image

箕作山  右端に太郎坊宮

f:id:Jiroviolet:20170715111151j:image

繖山(きぬがさ)  観音寺城

f:id:Jiroviolet:20170715111157j:image

伊吹山

f:id:Jiroviolet:20170715111202j:image

雪野山南端

f:id:Jiroviolet:20170715111209j:image

エノコログサ(イネ科)

ずいぶん早く穂が出ている

f:id:Jiroviolet:20170715141325j:image

カラスノゴマアオイ科

以前はシナノキ科だったが

f:id:Jiroviolet:20170715141358j:imagef:id:Jiroviolet:20170715141405j:image

 

 

 

ネジバナ

ラン科の植物はキク科とともに最も進化が進んだ植物で、細菌と共生して生育している。野生のランとの出逢いはそれほど頻繁でなく、時には稀なランに出逢うと心踊ることが多い。ただネジバナは例外で公園でも湖岸でもどこでも見かけることが出来、必ずシバに生えているのは、何かこれも共生関係にあるのではないかと思える。この時期、家の近くにネジバナが群生するところがあり、これだけ野生のランが生育しているのは圧巻である。

f:id:Jiroviolet:20170711203414j:image

野生のランの林立

f:id:Jiroviolet:20170711203617j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170711203436j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170711203452j:image

 拡大して見るときれいなランの花

f:id:Jiroviolet:20170711203507j:image

 

f:id:Jiroviolet:20170711203529j:image

 見ての通り螺旋が右巻きのものと左巻きのものがある

f:id:Jiroviolet:20170711203548j:image

 ヒメジョオン(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170711203644j:image

 アカツメクサマメ科

f:id:Jiroviolet:20170711203656j:image

色の淡い桃色のネジバナは見ることがあるが純白のものは見たことがないと、このブログをアップする時に思っていたが…

アップして一週間もしないうちに白の個体に出逢った。

f:id:Jiroviolet:20170715205159j:image

求めていると出逢ったり、望んでいると得られたり、不思議とそういうことが多い。ただし、欲はなしに…

 

トトロの森

家の近くの田圃の中に、以前から子供達に、トトロの森と呼ばれている場所がある。中に入ってみると、祠こそないが、田圃の畦より幾分高いくらいの土手に種々の木々が生えていて、おそらく鎮守の森や野神に相当するところかと思える。生えている木々は、スギ、ネジキ、ノリウツギヒサカキ、アオキ、タンナサワフタギ、クロミノニシゴリ、ウメモドキ、ミヤマウメモドキなど、やはり湿地に適応したものが多い。

日本各地の神社には、その土地本来の元から自生していた木々が残っていて、この文化は自慢していいと思う。そういった場所が偶然にもトトロの形になって子供達に親しまれているのはありがたい。

トトロの森

f:id:Jiroviolet:20170628211016j:image

f:id:Jiroviolet:20170628211933j:image

 後ろ姿

f:id:Jiroviolet:20170628211037j:image

 ネジキ(ツツジ科)

f:id:Jiroviolet:20170628211054j:image

 クロミノニシゴリ(ハイノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170628211133j:imagef:id:Jiroviolet:20170628211155j:image

宇津江四十八滝

 赤目四十八滝を二度ほど訪ねたことがあるが、春に歩くと花が多くてなかなか先へ進めなく、渓流歩きの楽しいところだった。以前高山の近くに地図で 宇津江四十八滝というのを見つけ、今回飛騨の山々とともに訪ねてみた。それほどたいした所でなくとも、渓流ならまあよいかくらいの気持ちで行ったが、とんでもない景勝地だった。滝のスケールは大きく、渓流沿いの木々に圧倒される。そのうえ上流に行くとアルプスの展望台があり、なぜここはもっと有名でないのか不思議なくらいだ。ただ、調べてみるとと21世紀に残したい日本の自然100選に白神山地屋久島とともに選ばれている。逆にそれなら天生湿原も入れて欲しいと思ってしまうが。

今回飛騨の各地を訪ねてみて、どこへ行っても非常に豊かな森があり、樹種も豊富であったし、木々や森が生き生きとしている。気候や地質やその他の要因も関係しているに違いないが、飛騨の匠、特に木々に関わる昔からの文化が関係しているのではないか‥と思うようになった。トチやケヤキミズナラなどの、多くの広葉樹を材料として必要なこの土地になぜこれほどの樹齢の、立派な木々が、森が残っているのか。ほとんど平野部のない山間の土地だからこそ、山や森や木々との関わりを大切にしてきたのかもしれない。

 

石畳で丁寧に整備された道が渓流沿いに続く

f:id:Jiroviolet:20170621204543j:image

いきなりメグスリノキ(ムクロジ科)が‥

f:id:Jiroviolet:20170621204606j:image

さらにいきなりオヒョウ(ニレ科)の木が‥

f:id:Jiroviolet:20170621204615j:image

ハナイカダハナイカダ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204624j:image

オオバクロモジ(クスノキ科

f:id:Jiroviolet:20170621204633j:image

ヤマハハソ(アワブキ科)

ハハソはコナラのこと(科は異なる)

f:id:Jiroviolet:20170621204641j:image

ハクウンボクエゴノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204649j:image

寝牛岩

f:id:Jiroviolet:20170621204720j:image

上段の滝 (10.1m)

不動明王が祀ってある

f:id:Jiroviolet:20170622004010j:image

函滝(11.5m)

f:id:Jiroviolet:20170621204818j:image

王滝 (18.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204826j:image

銚子口滝(10.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204833j:image

障泥滝(あおりたき)(9.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204840j:image

トチ(トチノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204856j:image

f:id:Jiroviolet:20170621205209j:image

ブナ(ブナ科) 

f:id:Jiroviolet:20170621204903j:image

f:id:Jiroviolet:20170621204915j:image

サワグルミ(クルミ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204927j:image

オニグルミ(クルミ科) 

f:id:Jiroviolet:20170621204933j:image

ネズコ(ヒノキ科)

クロベともいう  木曽五木のひとつ

f:id:Jiroviolet:20170621204944j:image

f:id:Jiroviolet:20170621204949j:image

しっかりとした階段を各所に設けてある 

f:id:Jiroviolet:20170621205011j:image

展望台より穂高岳笠ヶ岳 

f:id:Jiroviolet:20170621205322j:image

乗鞍岳

f:id:Jiroviolet:20170621205327j:image

天蓋山

北アルプス展望台天蓋山(てんがいざん)

f:id:Jiroviolet:20170619221633j:image

目の前に北アルプスから乗鞍岳御嶽山さらに振り返ると遠くに白山を望むことができる山である。キャンプ場の上部に登山口があり、シラカバやミズナラの混合林を沢沿いに登っていくとやがてつづら折れの道となり、行程の半分くらいから急登が始まる。標高も900から1500くらいでたいしたものでもないと考えていたが、後半の直登はけっこう急登になっていた。標高1380mの雀平(すずめだいら)が途中の目安となるが、急登を登りつめたピークは偽雀平。少し下って登りかえした所が雀平で、少し景観が開け、ヒメコマツが二本とウダイカンバが並んで立っていた。そこからは標高差200弱だが、やはり直登でようやく登りつめたピークはまた偽天蓋山。要するに天蓋山は規模の小さい双耳峰になっている。ただしんどい思いをして登っただけあって頂上はさえぎるものがなく北アルプスが目の前にせまってきた。昼食も含め二時間近くをゆっくりと過ごしてから下った。

 f:id:Jiroviolet:20170619221834j:image

行程の半分近くは沢沿いを歩く

コケイラン(ラン科)

f:id:Jiroviolet:20170620070141j:image

ラショウモンカズラ(シソ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070301j:image

コンロンソウ(アブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170620070401j:image

ヤグルマソウユキノシタ科) 

f:id:Jiroviolet:20170620070505j:image

オククルマムグラ(アカネ科) 

f:id:Jiroviolet:20170620070657j:image

トチ(トチノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070808j:image

シナノキシナノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070855j:image

 コミネカエデ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170621075538j:image

ヤマブドウブドウ科

f:id:Jiroviolet:20170621075554j:image

ナナカマド(バラ科)

f:id:Jiroviolet:20170621075608j:image

ユキザサ(ユリ科

f:id:Jiroviolet:20170621075636j:imagef:id:Jiroviolet:20170621075653j:image

 雀平

f:id:Jiroviolet:20170621114757j:image

田部井さんの筆になる山頂標識

f:id:Jiroviolet:20170621080345j:image

笠ヶ岳

f:id:Jiroviolet:20170621080427j:image

槍ヶ岳穂高岳笠ヶ岳の陰に隠れる)

f:id:Jiroviolet:20170621080443j:image

焼岳

f:id:Jiroviolet:20170621080456j:image

左より薬師岳、北ノ俣岳、黒部五郎岳

f:id:Jiroviolet:20170621080529j:image

乗鞍岳

f:id:Jiroviolet:20170621080552j:image

 御嶽山

f:id:Jiroviolet:20170621083442j:image

御嶽山乗鞍岳の裾野が広いのがよくわかる

御嶽山の手前、左からの稜線は乗鞍岳のもの

f:id:Jiroviolet:20170621083519j:image

 白山

f:id:Jiroviolet:20170621080602j:image

南方

f:id:Jiroviolet:20170621080622j:image

御嶽山の南にあるこの山がわからない

f:id:Jiroviolet:20170621080631j:image

剣岳立山のみが雲がかかって見えなかった

f:id:Jiroviolet:20170621080639j:image

 

 

 

天生湿原

f:id:Jiroviolet:20170619095215j:image

何年か振りに天生(あもう)湿原を歩いたが、この森はなかなか先へ進めない。先ず登山口から亜高山帯の植物が出迎えてくれ、やがて湿原ではミズバショウリュウキンカタテヤマリンドウやミツガシワなどの湿性植物が咲き、ゆっくり時間を過ごす。湿原を過ぎてカラ谷の原生林に入ると、林床に圧倒されるほどの亜高山植物が咲き、長い年月を経たブナやトチ、カツラなどの大木が空を覆い尽くす。屋久島や白神山地を訪れたことはないが、この森ほど奥深い生き生きとした森を他に知らない。ここでは大木ほど着生植物や蔓性植物を抱えており、それでもなにごともなかったように枝葉を広げている。これらの木々の姿を見ていると、自分たちの普段の考え方が間違っているように思えてくる。一年の半分は雪に閉ざされ厳しい環境のこの森がこれほど生き生きとしているのがなぜか考えさせられる。さらに進むと、圧倒されるほどのカツラの門が出迎えてくれ、所々ある残雪がタイムマシンの役目をして、早春の花々が未だに咲いていた。登山口から頂上の籾糠山(もみぬかやま)まで二時間もあれば登れるかもしれないが、朝一番に着き、木平湿原を廻って多くの人が訪れるようになった駐車場に戻った時は車は一台しかなかった。

f:id:Jiroviolet:20170619185814j:image

それほど広くはないが、森に囲まれた静かな天生湿原

f:id:Jiroviolet:20170618220613j:image

中之島(田形)の部分に祠が祀ってあり、奈良の飛鳥寺の仏像を彫った止利仏師の伝説が記してある

f:id:Jiroviolet:20170618220646j:image

止利仏師の伝説

飛騨の匠の源にあたる

f:id:Jiroviolet:20170619113547j:image

ミズバショウ(サトイモ科)

f:id:Jiroviolet:20170618222314j:image

 ツバメオモト(ユリ科

f:id:Jiroviolet:20170618222331j:image

 ミツバオウレンキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170618222345j:image

ブナ(ブナ科)

f:id:Jiroviolet:20170619031308j:image

林床の亜高山帯植物

サンカヨウヤグルマソウニリンソウマイヅルソウ、ズダヤクシュ、ハリブキ、キヌガサソウエンレイソウ、タケシマランなど

f:id:Jiroviolet:20170619031351j:image

シダはクサソテツ(コゴミ)

f:id:Jiroviolet:20170619031408j:image

ミミコウモリ(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170619104406j:image

 オヒョウ(ニレ科)

f:id:Jiroviolet:20170619084019j:image

サンカヨウ(メギ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619084201j:image

登山路にあふれんばかりのサンカヨウ

f:id:Jiroviolet:20170619084900j:image

ニリンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170619183220j:image

クルマバツクバネソウ(シュロソウ科)

f:id:Jiroviolet:20170619084417j:image

ヤマトユキザサ(ユリ科

別名  ミドリユキザサ、オオバユキザサ

f:id:Jiroviolet:20170619182319j:image

 カツラ(カツラ科)

f:id:Jiroviolet:20170619085008j:image

 ブナの門

f:id:Jiroviolet:20170619085145j:image

カツラ門

f:id:Jiroviolet:20170619085239j:image

残雪

f:id:Jiroviolet:20170619085350j:image

 ミヤマカタバミカタバミ科

f:id:Jiroviolet:20170619085427j:image

キクザキイチゲキンポウゲ科

残雪のためこの時期に咲いている

f:id:Jiroviolet:20170619095322j:image

ショウジョウバカマ(シュロソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619085556j:image

リュウキンカキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170619090116j:image

ヤシャビシャク(ユキノシタ科)

f:id:Jiroviolet:20170619090255j:image

木平湿原

f:id:Jiroviolet:20170619103608j:image

籾糠山方面

f:id:Jiroviolet:20170619103730j:image

木平湿原からカラ谷まではブナ林が続く

f:id:Jiroviolet:20170619103759j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103817j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103828j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103903j:image

ムシカリ(レンプクソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619104539j:image

最後に…

ミドリニリンソウ

f:id:Jiroviolet:20170619110756j:image

これを見つけると幸せになれるとか…

花弁が葉から進化したことを教えてくれる花かと