トトロの森

家の近くの田圃の中に、以前から子供達に、トトロの森と呼ばれている場所がある。中に入ってみると、祠こそないが、田圃の畦より幾分高いくらいの土手に種々の木々が生えていて、おそらく鎮守の森や野神に相当するところかと思える。生えている木々は、スギ、ネジキ、ノリウツギヒサカキ、アオキ、タンナサワフタギ、クロミノニシゴリ、ウメモドキ、ミヤマウメモドキなど、やはり湿地に適応したものが多い。

日本各地の神社には、その土地本来の元から自生していた木々が残っていて、この文化は自慢していいと思う。そういった場所が偶然にもトトロの形になって子供達に親しまれているのはありがたい。

トトロの森

f:id:Jiroviolet:20170628211016j:image

f:id:Jiroviolet:20170628211933j:image

 後ろ姿

f:id:Jiroviolet:20170628211037j:image

 ネジキ(ツツジ科)

f:id:Jiroviolet:20170628211054j:image

 クロミノニシゴリ(ハイノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170628211133j:imagef:id:Jiroviolet:20170628211155j:image

宇津江四十八滝

 赤目四十八滝を二度ほど訪ねたことがあるが、春に歩くと花が多くてなかなか先へ進めなく、渓流歩きの楽しいところだった。以前高山の近くに地図で 宇津江四十八滝というのを見つけ、今回飛騨の山々とともに訪ねてみた。それほどたいした所でなくとも、渓流ならまあよいかくらいの気持ちで行ったが、とんでもない景勝地だった。滝のスケールは大きく、渓流沿いの木々に圧倒される。そのうえ上流に行くとアルプスの展望台があり、なぜここはもっと有名でないのか不思議なくらいだ。ただ、調べてみるとと21世紀に残したい日本の自然100選に白神山地屋久島とともに選ばれている。逆にそれなら天生湿原も入れて欲しいと思ってしまうが。

今回飛騨の各地を訪ねてみて、どこへ行っても非常に豊かな森があり、樹種も豊富であったし、木々や森が生き生きとしている。気候や地質やその他の要因も関係しているに違いないが、飛騨の匠、特に木々に関わる昔からの文化が関係しているのではないか‥と思うようになった。トチやケヤキミズナラなどの、多くの広葉樹を材料として必要なこの土地になぜこれほどの樹齢の、立派な木々が、森が残っているのか。ほとんど平野部のない山間の土地だからこそ、山や森や木々との関わりを大切にしてきたのかもしれない。

 

石畳で丁寧に整備された道が渓流沿いに続く

f:id:Jiroviolet:20170621204543j:image

いきなりメグスリノキ(ムクロジ科)が‥

f:id:Jiroviolet:20170621204606j:image

さらにいきなりオヒョウ(ニレ科)の木が‥

f:id:Jiroviolet:20170621204615j:image

ハナイカダハナイカダ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204624j:image

オオバクロモジ(クスノキ科

f:id:Jiroviolet:20170621204633j:image

ヤマハハソ(アワブキ科)

ハハソはコナラのこと(科は異なる)

f:id:Jiroviolet:20170621204641j:image

ハクウンボクエゴノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204649j:image

寝牛岩

f:id:Jiroviolet:20170621204720j:image

上段の滝 (10.1m)

不動明王が祀ってある

f:id:Jiroviolet:20170622004010j:image

函滝(11.5m)

f:id:Jiroviolet:20170621204818j:image

王滝 (18.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204826j:image

銚子口滝(10.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204833j:image

障泥滝(あおりたき)(9.8m)

f:id:Jiroviolet:20170621204840j:image

トチ(トチノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204856j:image

f:id:Jiroviolet:20170621205209j:image

ブナ(ブナ科) 

f:id:Jiroviolet:20170621204903j:image

f:id:Jiroviolet:20170621204915j:image

サワグルミ(クルミ科)

f:id:Jiroviolet:20170621204927j:image

オニグルミ(クルミ科) 

f:id:Jiroviolet:20170621204933j:image

ネズコ(ヒノキ科)

クロベともいう  木曽五木のひとつ

f:id:Jiroviolet:20170621204944j:image

f:id:Jiroviolet:20170621204949j:image

しっかりとした階段を各所に設けてある 

f:id:Jiroviolet:20170621205011j:image

展望台より穂高岳笠ヶ岳 

f:id:Jiroviolet:20170621205322j:image

乗鞍岳

f:id:Jiroviolet:20170621205327j:image

天蓋山

北アルプス展望台天蓋山(てんがいざん)

f:id:Jiroviolet:20170619221633j:image

目の前に北アルプスから乗鞍岳御嶽山さらに振り返ると遠くに白山を望むことができる山である。キャンプ場の上部に登山口があり、シラカバやミズナラの混合林を沢沿いに登っていくとやがてつづら折れの道となり、行程の半分くらいから急登が始まる。標高も900から1500くらいでたいしたものでもないと考えていたが、後半の直登はけっこう急登になっていた。標高1380mの雀平(すずめだいら)が途中の目安となるが、急登を登りつめたピークは偽雀平。少し下って登りかえした所が雀平で、少し景観が開け、ヒメコマツが二本とウダイカンバが並んで立っていた。そこからは標高差200弱だが、やはり直登でようやく登りつめたピークはまた偽天蓋山。要するに天蓋山は規模の小さい双耳峰になっている。ただしんどい思いをして登っただけあって頂上はさえぎるものがなく北アルプスが目の前にせまってきた。昼食も含め二時間近くをゆっくりと過ごしてから下った。

 f:id:Jiroviolet:20170619221834j:image

行程の半分近くは沢沿いを歩く

コケイラン(ラン科)

f:id:Jiroviolet:20170620070141j:image

ラショウモンカズラ(シソ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070301j:image

コンロンソウ(アブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170620070401j:image

ヤグルマソウユキノシタ科) 

f:id:Jiroviolet:20170620070505j:image

オククルマムグラ(アカネ科) 

f:id:Jiroviolet:20170620070657j:image

トチ(トチノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070808j:image

シナノキシナノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170620070855j:image

 コミネカエデ(カエデ科)

f:id:Jiroviolet:20170621075538j:image

ヤマブドウブドウ科

f:id:Jiroviolet:20170621075554j:image

ナナカマド(バラ科)

f:id:Jiroviolet:20170621075608j:image

ユキザサ(ユリ科

f:id:Jiroviolet:20170621075636j:imagef:id:Jiroviolet:20170621075653j:image

 雀平

f:id:Jiroviolet:20170621114757j:image

田部井さんの筆になる山頂標識

f:id:Jiroviolet:20170621080345j:image

笠ヶ岳

f:id:Jiroviolet:20170621080427j:image

槍ヶ岳穂高岳笠ヶ岳の陰に隠れる)

f:id:Jiroviolet:20170621080443j:image

焼岳

f:id:Jiroviolet:20170621080456j:image

左より薬師岳、北ノ俣岳、黒部五郎岳

f:id:Jiroviolet:20170621080529j:image

乗鞍岳

f:id:Jiroviolet:20170621080552j:image

 御嶽山

f:id:Jiroviolet:20170621083442j:image

御嶽山乗鞍岳の裾野が広いのがよくわかる

御嶽山の手前、左からの稜線は乗鞍岳のもの

f:id:Jiroviolet:20170621083519j:image

 白山

f:id:Jiroviolet:20170621080602j:image

南方

f:id:Jiroviolet:20170621080622j:image

御嶽山の南にあるこの山がわからない

f:id:Jiroviolet:20170621080631j:image

剣岳立山のみが雲がかかって見えなかった

f:id:Jiroviolet:20170621080639j:image

 

 

 

天生湿原

f:id:Jiroviolet:20170619095215j:image

何年か振りに天生(あもう)湿原を歩いたが、この森はなかなか先へ進めない。先ず登山口から亜高山帯の植物が出迎えてくれ、やがて湿原ではミズバショウリュウキンカタテヤマリンドウやミツガシワなどの湿性植物が咲き、ゆっくり時間を過ごす。湿原を過ぎてカラ谷の原生林に入ると、林床に圧倒されるほどの亜高山植物が咲き、長い年月を経たブナやトチ、カツラなどの大木が空を覆い尽くす。屋久島や白神山地を訪れたことはないが、この森ほど奥深い生き生きとした森を他に知らない。ここでは大木ほど着生植物や蔓性植物を抱えており、それでもなにごともなかったように枝葉を広げている。これらの木々の姿を見ていると、自分たちの普段の考え方が間違っているように思えてくる。一年の半分は雪に閉ざされ厳しい環境のこの森がこれほど生き生きとしているのがなぜか考えさせられる。さらに進むと、圧倒されるほどのカツラの門が出迎えてくれ、所々ある残雪がタイムマシンの役目をして、早春の花々が未だに咲いていた。登山口から頂上の籾糠山(もみぬかやま)まで二時間もあれば登れるかもしれないが、朝一番に着き、木平湿原を廻って多くの人が訪れるようになった駐車場に戻った時は車は一台しかなかった。

f:id:Jiroviolet:20170619185814j:image

それほど広くはないが、森に囲まれた静かな天生湿原

f:id:Jiroviolet:20170618220613j:image

中之島(田形)の部分に祠が祀ってあり、奈良の飛鳥寺の仏像を彫った止利仏師の伝説が記してある

f:id:Jiroviolet:20170618220646j:image

止利仏師の伝説

飛騨の匠の源にあたる

f:id:Jiroviolet:20170619113547j:image

ミズバショウ(サトイモ科)

f:id:Jiroviolet:20170618222314j:image

 ツバメオモト(ユリ科

f:id:Jiroviolet:20170618222331j:image

 ミツバオウレンキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170618222345j:image

ブナ(ブナ科)

f:id:Jiroviolet:20170619031308j:image

林床の亜高山帯植物

サンカヨウヤグルマソウニリンソウマイヅルソウ、ズダヤクシュ、ハリブキ、キヌガサソウエンレイソウ、タケシマランなど

f:id:Jiroviolet:20170619031351j:image

シダはクサソテツ(コゴミ)

f:id:Jiroviolet:20170619031408j:image

ミミコウモリ(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170619104406j:image

 オヒョウ(ニレ科)

f:id:Jiroviolet:20170619084019j:image

サンカヨウ(メギ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619084201j:image

登山路にあふれんばかりのサンカヨウ

f:id:Jiroviolet:20170619084900j:image

ニリンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170619183220j:image

クルマバツクバネソウ(シュロソウ科)

f:id:Jiroviolet:20170619084417j:image

ヤマトユキザサ(ユリ科

別名  ミドリユキザサ、オオバユキザサ

f:id:Jiroviolet:20170619182319j:image

 カツラ(カツラ科)

f:id:Jiroviolet:20170619085008j:image

 ブナの門

f:id:Jiroviolet:20170619085145j:image

カツラ門

f:id:Jiroviolet:20170619085239j:image

残雪

f:id:Jiroviolet:20170619085350j:image

 ミヤマカタバミカタバミ科

f:id:Jiroviolet:20170619085427j:image

キクザキイチゲキンポウゲ科

残雪のためこの時期に咲いている

f:id:Jiroviolet:20170619095322j:image

ショウジョウバカマ(シュロソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619085556j:image

リュウキンカキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170619090116j:image

ヤシャビシャク(ユキノシタ科)

f:id:Jiroviolet:20170619090255j:image

木平湿原

f:id:Jiroviolet:20170619103608j:image

籾糠山方面

f:id:Jiroviolet:20170619103730j:image

木平湿原からカラ谷まではブナ林が続く

f:id:Jiroviolet:20170619103759j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103817j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103828j:imagef:id:Jiroviolet:20170619103903j:image

ムシカリ(レンプクソウ科) 

f:id:Jiroviolet:20170619104539j:image

最後に…

ミドリニリンソウ

f:id:Jiroviolet:20170619110756j:image

これを見つけると幸せになれるとか…

花弁が葉から進化したことを教えてくれる花かと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カキツバタ

カキツバタは琵琶湖岸の内湖にもあり、各地で見かけるが、箱館山の平池(だいらいけ)は標高500mくらいの林間の池で、ここでは幾分薄暗い静寂な佇まいの中に薄紫の花が連なり、落ち着いた独特の雰囲気を醸し出している。カキツバタはやはりここがいいと思う。最近は多くの人に知られるようになり、また鹿の食害でかなり個体数が減少したが、池の中洲のような場所に生育しているために、池が堀の役目を果たし、ここだけは昔の姿をとどめている。f:id:Jiroviolet:20170610213708j:image

f:id:Jiroviolet:20170610213739j:image

中央に赤く見えるのはレンゲツツジ

f:id:Jiroviolet:20170610213813j:image

向こう岸に黄色く見えるのはサワオグルマ

f:id:Jiroviolet:20170610213844j:image

 いずれアヤメかカキツバタ・・・

開花時の外花被片(一番外側の花弁)を見れば判断できる。

アヤメ 外花被片に文目(模様、色合い)が現れる

f:id:Jiroviolet:20170610214933j:image

カキツバタ 外花被片に白の条線が入る

 f:id:Jiroviolet:20170610215005j:image

ハナショウブ 外花被片に黄の条線が入る

f:id:Jiroviolet:20170610215116j:image

それゆえ、ハナショウブ(ノハナショウブを園芸化したもの)には必ず黄色の条線が残っている

 

なおショウブ(菖蒲)は五月(旧暦)に香りがいいために風呂に入れるが、ノハナショウブとは全く異なるサトイモ科(新体系ではショウブ科)の植物でアヤメ科のような花は咲かない。

 

白花のアヤメ(野生種)

f:id:Jiroviolet:20170610230910j:image

キショウブ

こちらは帰化

f:id:Jiroviolet:20170610231000j:image

平池畔のミズキ(ミズキ科)

f:id:Jiroviolet:20170610231131j:image

イトトンボ

f:id:Jiroviolet:20170610231201j:image

初夏の湖岸Ⅱ

群生はせず目立つこともないが、初夏の湖岸には独特の花々が咲いている。せいぜい10センチくらいのものも多く、よく見ないと気付かなかったりする。

マンテマ(ナデシコ科)

f:id:Jiroviolet:20170607152033j:image

f:id:Jiroviolet:20170607152122j:image

初めてこの花に気付いた時はよくまあこのようなきれいな花が‥と驚いた。江戸時代に園芸種として入ったものが野生化したようだが琵琶湖岸には普通にある。

このような淡い色のものもある。

f:id:Jiroviolet:20170607152807j:image

キキョウソウ(キキョウ科)

f:id:Jiroviolet:20170607153027j:image

この花もマツヨイグサと同じく下から徐々に咲き上がっていくので、ダンダンキキョウともいう。

f:id:Jiroviolet:20170607153035j:image

マツバウンラン(オオバコ科)

芝生などに咲くこの花は気付いている人は多いかと思う。

f:id:Jiroviolet:20170607154338j:image

新分類体系でオオバコ科になっている。わけがわからない。

マメグンバイナズナアブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170607154347j:image

f:id:Jiroviolet:20170608145537j:image

コバンソウ(イネ科)

この植物は群生する

f:id:Jiroviolet:20170607162633j:image

アメリカネナシカズラヒルガオ科)

発芽時には根があるが、すぐに他の植物に絡みついて寄生する

f:id:Jiroviolet:20170607161932j:image

ツボミオオバコ(オオバコ科)

f:id:Jiroviolet:20170608145711j:image

ドクゼリ(セリ科)

f:id:Jiroviolet:20170608145731j:image

食用のセリよりはずいぶんと大きいので一度見れば間違うことはない

f:id:Jiroviolet:20170608145743j:image

ヒルガオヒルガオ科)

f:id:Jiroviolet:20170608150118j:image

こちらは一般のヒルガオ

タチスズシロソウ(アブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170608195511j:image

この野草こそ言われないと見落としてしまうような細い目立たぬ植物だが、貴重な絶滅危惧種である。ごく限られた海岸や湖岸に見られる。

 

 

初夏の湖岸

5月の下旬になると、琵琶湖岸では一斉に初夏の花々が咲き出す。マツヨイグサは湖岸のいたるところで見られるが、今津浜にはかなりの規模の群生が現れ、湖岸一面が黄橙色になる。それと同時にハマヒルガオが岸辺を覆い、淡桃色の絨毯(じゅうたん)が色を添える。ここの群生はほとんどの人は知らないと思う。

f:id:Jiroviolet:20170607073326j:image

f:id:Jiroviolet:20170607073501j:imagef:id:Jiroviolet:20170607073530j:image

大正12年の牧野富太郎の文章です。

『夕方にたくさん咲いた様は、あたかも月華の流るるがごとし…(中略)花が開
き、かつ香りを漂わせば(中略)蛾が得意げに花間を飛び回り駆け回り、出雲の
神様の役目をつとめ、一場所で何十組の結婚が行われ、これが毎晩続くのであ
る。おめでたいことである。そしてこの媒酌者へのお礼はあらかじめ備えられた
る花中の蜜だ。さあ、それからできることできること、その子(種子)がウヨウ
ヨと育ち、日ならずしてその家(果実)から生まれ出て地上へ散落する…」「明
治17、8年ごろには東京ではただわずかに品川辺の鉄道の土手に少々あったくら
いであったが、今は日本国中に広まり諸所で見受けるようになった…』

夜咲き植物…という言い方しかないのかと思うが、夕方に蛍光とも思える黄色に咲き出して翌朝に(昼頃までは咲いている)橙色になって萎む。それを一花づつ繰り返して上に登っていく。

マツヨイグサアカバナ科

ツキミソウ

f:id:Jiroviolet:20170607075256j:image

同じ仲間にオオマツヨイグサ•アレチマツヨイグサ•メマツヨイグサコマツヨイグサなどがあるが、マツヨイグサコマツヨイグサ以外はあまり花が橙色にならない。最近はヒルザキツキミソウアカバナユウゲショウもよく見るようになった。

ハマヒルガオヒルガオ科)

f:id:Jiroviolet:20170607081726j:image

本来は海岸の砂浜に群生する海浜植物だが琵琶湖岸には分布するf:id:Jiroviolet:20170607081819j:image

他のヒルガオと異なり葉は腎円形f:id:Jiroviolet:20170607081835j:image

初夏の湖岸Ⅱに続く…

 

 

 

 

余呉湖畔散策

琵琶湖の北にある周囲7㎞の余呉湖は鏡湖とも呼ばれ湖面が穏やかなことが多い。賤ケ岳合戦の舞台であり、天女の羽衣伝説の伝わる静かな湖である。ちょうど初夏の花が咲いていたが、蔓性の植物の花が多く目についた。

余呉湖南端より北方向

f:id:Jiroviolet:20170602104235j:image

ウツギ(アジサイ科)

いたるところウツギ真っ盛りである

f:id:Jiroviolet:20170602104339j:image

ムラサキツメクサマメ科

f:id:Jiroviolet:20170602104557j:image

イモカタバミカタバミ科

f:id:Jiroviolet:20170602104741j:image

ヒメコウゾ(クワ科)

f:id:Jiroviolet:20170602104940j:imagef:id:Jiroviolet:20170602105137j:image

コアジサイアジサイ科)

f:id:Jiroviolet:20170602105156j:image

テイカカズラキョウチクトウ科

キョウチクトウの花を見た人は納得する

f:id:Jiroviolet:20170602105313j:imagef:id:Jiroviolet:20170602105452j:image

 ヒシ(ヒシ科)

f:id:Jiroviolet:20170602105528j:image

 デワノタツナミソウ(シソ科)

ホクリクタツナミソウの可能性あり

f:id:Jiroviolet:20170602105658j:image

ヤマツツジツツジ科)

f:id:Jiroviolet:20170602105847j:image

サワグルミ(クルミ科)

f:id:Jiroviolet:20170602105934j:image

オニグルミ(クルミ科)

f:id:Jiroviolet:20170602110115j:image

サワグルミとノキシノブ

f:id:Jiroviolet:20170602110410j:image

新羅崎の森

シイノキが多い

f:id:Jiroviolet:20170602110446j:image

菊石姫伝説の蛇の枕石

f:id:Jiroviolet:20170602110535j:image

ヒルガオヒルガオ科)

f:id:Jiroviolet:20170602110716j:image

アサツキ(ヒガンバナ科

新分類体系でヒガンバナ科になっている

f:id:Jiroviolet:20170602111805j:image

天女の羽衣伝説の柳

アカメヤナギ(ヤナギ科)

余呉湖周辺は伝説が多い

f:id:Jiroviolet:20170602111829j:image

スイカズラスイカズラ科)

f:id:Jiroviolet:20170602112023j:image

 

 

 

 

ナヨクサフジ

10年ほど前か、山中の集落近くの川の土手で初めてこのクサフジを見て以来、好きな野草の一つである。ヨーロッパからの帰化種でなんということもない野草だが、この周辺ではどこにでもあるというものではなかった。ナヨというのは弱、つまり弱草藤らしいが、穏やかな感じは受ける。

f:id:Jiroviolet:20170526213847j:image

f:id:Jiroviolet:20170526213957j:image

f:id:Jiroviolet:20170526214024j:image

こちらがクサフジ

f:id:Jiroviolet:20170526214104j:image

f:id:Jiroviolet:20170526214116j:image

 

賤ケ岳

しずがたけ…と読む。柴田勝家羽柴秀吉との七本槍の戦いで有名な山だが、小谷城なり、姉川の合戦なり湖北は戦場地が多い。

昼から少しと登ってみたら想いもかけず快晴にて、遠方まで見晴らしよく、滋賀県中が見渡せた。

琵琶湖最北部

および葛籠尾崎

左端は竹生島

f:id:Jiroviolet:20170522133150j:image

山からの吹き下ろしの風か飯の浦湾には綺麗な模様が流れていた。

f:id:Jiroviolet:20170522134717j:image

余呉

f:id:Jiroviolet:20170522133231j:image

湖北平野部

f:id:Jiroviolet:20170522133311j:image

比良武奈ヶ岳

f:id:Jiroviolet:20170522133414j:image

賎ヶ岳よりの尾根続き

正面奥の山は山本山

f:id:Jiroviolet:20170522133622j:image

南方大津方面

f:id:Jiroviolet:20170522133731j:image

南方草津方面

f:id:Jiroviolet:20170522133825j:image

キンラン

ちょうど春の連休の頃から咲き出すからか、散歩の人に気付かれて掘り起こされたり、あるいは食性の変わってしまった鹿に食べられたりしてずいぶんと減ったキンランも、よく探してみるとけっこう残っている。一般の人に対しては、キンポウゲがカムフラージュになってくれているようだ。昔はギンランもあったけれど、さすがになくなって久しい。

f:id:Jiroviolet:20170520161710j:imagef:id:Jiroviolet:20170520161730j:imagef:id:Jiroviolet:20170520161751j:imagef:id:Jiroviolet:20170520161803j:image

ギンラン

f:id:Jiroviolet:20170522192204j:image

植物群落

以前から、一面のコマクサ群落…というような使い方をしていたが、生態学の定義では、群落とは…一定の地域に相互に関連を持って生育している異種の植物の集まり… となる。群生…という言葉を使った方がいいのかもしれない。

ノウルシ(トウダイグサ科

f:id:Jiroviolet:20170513120851j:plain

ハマダイコンアブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170513120952j:plain

ナガミノゲシ(ケシ科)

f:id:Jiroviolet:20170513123408j:plain

ジシバリ(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170513123424j:plain

スイバ(タデ科

f:id:Jiroviolet:20170513123441j:plain

アメリカフウロフウロソウ科

f:id:Jiroviolet:20170513123459j:plain

サワオグルマ(キク科)

f:id:Jiroviolet:20170513123511j:plain

オオイヌノフグリゴマノハグサ科

f:id:Jiroviolet:20170513123528j:plain

イチリンソウ(キンポウゲ科

奥のものはニリンソウが混じるf:id:Jiroviolet:20170513123537j:plain

ニリンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170513123544j:plain

トゲミキンポウゲ(キンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170513123558j:plain

ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科

f:id:Jiroviolet:20170513123611j:plain

 

Spring ephemeral

春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称。

いつも春になると、すがすがしい気持ちでこれらの花々に出逢うが、足るを知るというか、潔さに感心してしまう。

カタクリユリ科

f:id:Jiroviolet:20170512223015j:plain

トキワイカリソウ(メギ科)

f:id:Jiroviolet:20170512223120j:plain

イチリンソウ(キンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170512223233j:plain

ヤマエンゴサク(ケシ科)

f:id:Jiroviolet:20170512223336j:plain

ラショウモンカズラ(シソ科)

f:id:Jiroviolet:20170512223404j:plain

ニリンソウキンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170512223510j:plain

セツブンソウ(キンポウゲ科

f:id:Jiroviolet:20170521221650j:image

 

春の琵琶湖岸

琵琶湖岸では四季を通して木々や草花の芽吹きや開花、結実、紅葉などが見られ、変化に富んでいて飽きない。

アカメヤナギ(ヤナギ科)とハマダイコンアブラナ科

f:id:Jiroviolet:20170511185822j:plain

ノウルシ(トウダイグサ科

f:id:Jiroviolet:20170511190042j:plain

葛籠尾崎より

f:id:Jiroviolet:20170511190250j:plain

琵琶湖最北端の塩津湾

f:id:Jiroviolet:20170511190307j:plain

 

高時川源流

 

f:id:Jiroviolet:20170509205749j:plain


滋賀の最北端を流れる高時川は別名、妹川ともよばれ、同じく湖北の姉川と合流して琵琶湖へ流れ込む。上流には日本海要素と呼ばれる、雪に適応した多くの植物が分布している。

ユキツバキ(ツバキ科)

f:id:Jiroviolet:20170513101057j:plain

ヒトリシズカ(センリョウ科)

f:id:Jiroviolet:20170513101234j:plain

ハルトラノオタデ科

f:id:Jiroviolet:20170513101415j:plain

ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)

f:id:Jiroviolet:20170513102202j:plain

ミズメ(カバノキ科)

f:id:Jiroviolet:20170513101920j:plain

渓流沿いの新緑

f:id:Jiroviolet:20170509210216j:plain