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琵琶湖の湖西,あるいはその近辺の自然および植物の紹介です。時折県外や海外の自然になることもあるかと思います。

天蓋山

北アルプス展望台天蓋山(てんがいざん)

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目の前に北アルプスから乗鞍岳御嶽山さらに振り返ると遠くに白山を望むことができる山である。キャンプ場の上部に登山口があり、シラカバやミズナラの混合林を沢沿いに登っていくとやがてつづら折れの道となり、行程の半分くらいから急登が始まる。標高も900から1500くらいでたいしたものでもないと考えていたが、後半の直登はけっこう急登になっていた。標高1380mの雀平(すずめだいら)が途中の目安となるが、急登を登りつめたピークは偽雀平。少し下って登りかえした所が雀平で、少し景観が開け、ヒメコマツが二本とウダイカンバが並んで立っていた。そこからは標高差200弱だが、やはり直登でようやく登りつめたピークはまた偽天蓋山。要するに天蓋山は規模の小さい双耳峰になっている。ただしんどい思いをして登っただけあって頂上はさえぎるものがなく北アルプスが目の前にせまってきた。昼食も含め二時間近くをゆっくりと過ごしてから下った。

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行程の半分近くは沢沿いを歩く

コケイラン(ラン科)

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ラショウモンカズラ(シソ科)

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コンロンソウ(アブラナ科

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ヤグルマソウユキノシタ科) 

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オククルマムグラ(アカネ科) 

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トチ(トチノキ科)

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シナノキシナノキ科)

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 コミネカエデ(カエデ科)

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ヤマブドウブドウ科

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ナナカマド(バラ科)

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ユキザサ(ユリ科

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 雀平

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田部井さんの筆になる山頂標識

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笠ヶ岳

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槍ヶ岳穂高岳笠ヶ岳の陰に隠れる)

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焼岳

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左より薬師岳、北ノ俣岳、黒部五郎岳

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乗鞍岳

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 御嶽山

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御嶽山乗鞍岳の裾野が広いのがよくわかる

御嶽山の手前、左からの稜線は乗鞍岳のもの

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 白山

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南方

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御嶽山の南にあるこの山がわからない

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剣岳立山のみが雲がかかって見えなかった

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天生湿原

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何年か振りに天生(あもう)湿原を歩いたが、この森はなかなか先へ進めない。先ず登山口から亜高山帯の植物が出迎えてくれ、やがて湿原ではミズバショウリュウキンカタテヤマリンドウやミツガシワなどの湿性植物が咲き、ゆっくり時間を過ごす。湿原を過ぎてカラ谷の原生林に入ると、林床に圧倒されるほどの亜高山植物が咲き、長い年月を経たブナやトチ、カツラなどの大木が空を覆い尽くす。屋久島や白神山地を訪れたことはないが、この森ほど奥深い生き生きとした森を他に知らない。ここでは大木ほど着生植物や蔓性植物を抱えており、それでもなにごともなかったように枝葉を広げている。これらの木々の姿を見ていると、自分たちの普段の考え方が間違っているように思えてくる。一年の半分は雪に閉ざされ厳しい環境のこの森がこれほど生き生きとしているのがなぜかということを考えさせるものがここにはある。さらに進むと、圧倒されるほどのカツラの門が出迎えてくれ、所々ある残雪がタイムマシンの役目をして、早春の花々が未だに咲いていた。登山口から頂上の籾糠山(もみぬかやま)まで二時間もあれば登れるかもしれないが、朝一番に着き、木平湿原を廻って多くの人が訪れるようになった駐車場に戻った時は車は一台しかなかった。

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それほど広くはないが、森に囲まれた静かな天生湿原

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中之島(田形)の部分に祠が祀ってあり、奈良の飛鳥寺の仏像を彫った止利仏師の伝説が記してある

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止利仏師の伝説

飛騨の匠の源にあたる

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ミズバショウ(サトイモ科)

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 ツバメオモト(ユリ科

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 ミツバオウレンキンポウゲ科

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ブナ(ブナ科)

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林床の亜高山帯植物

サンカヨウヤグルマソウニリンソウマイヅルソウ、ズダヤクシュ、ハリブキ、キヌガサソウエンレイソウ、タケシマランなど

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シダはクサソテツ(コゴミ)

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ミミコウモリ(キク科)

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 オヒョウ(ニレ科)

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サンカヨウ(メギ科) 

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登山路にあふれんばかりのサンカヨウ

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ニリンソウキンポウゲ科

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クルマバツクバネソウ(シュロソウ科)

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ヤマトユキザサ(ユリ科

別名  ミドリユキザサ、オオバユキザサ

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 カツラ(カツラ科)

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 ブナの門

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カツラ門

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残雪

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 ミヤマカタバミカタバミ科

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キクザキイチゲキンポウゲ科

残雪のためこの時期に咲いている

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ショウジョウバカマ(シュロソウ科) 

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リュウキンカキンポウゲ科

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ヤシャビシャク(ユキノシタ科)

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木平湿原

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籾糠山方面

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木平湿原からカラ谷まではブナ林が続く

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ムシカリ(レンプクソウ科) 

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最後に…

ミドリニリンソウ

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これを見つけると幸せになれるとか…

花弁が葉から進化したことを教えてくれる花かと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カキツバタ

カキツバタは琵琶湖岸の内湖にもあり、各地で見かけるが、箱館山の平池(だいらいけ)は標高500mくらいの林間の池で、ここでは幾分薄暗い静寂な佇まいの中に薄紫の花が連なり、落ち着いた独特の雰囲気を醸し出している。カキツバタはやはりここがいいと思う。最近は多くの人に知られるようになり、また鹿の食害でかなり個体数が減少したが、池の中洲のような場所に生育しているために、池が堀の役目を果たし、ここだけは昔の姿をとどめている。f:id:Jiroviolet:20170610213708j:image

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中央に赤く見えるのはレンゲツツジ

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向こう岸に黄色く見えるのはサワオグルマ

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 いずれアヤメかカキツバタ・・・

開花時の外花被片(一番外側の花弁)を見れば判断できる。

アヤメ 外花被片に文目(模様、色合い)が現れる

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カキツバタ 外花被片に白の条線が入る

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ハナショウブ 外花被片に黄の条線が入る

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それゆえ、ハナショウブ(ノハナショウブを園芸化したもの)には必ず黄色の条線が残っている

 

なおショウブ(菖蒲)は五月(旧暦)に香りがいいために風呂に入れるが、ノハナショウブとは全く異なるサトイモ科(新体系ではショウブ科)の植物でアヤメ科のような花は咲かない。

 

白花のアヤメ(野生種)

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キショウブ

こちらは帰化

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平池畔のミズキ(ミズキ科)

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イトトンボ

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初夏の湖岸Ⅱ

群生はせず目立つこともないが、初夏の湖岸には独特の花々が咲いている。せいぜい10センチくらいのものも多く、よく見ないと気付かなかったりする。

マンテマ(ナデシコ科)

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初めてこの花に気付いた時はよくまあこのようなきれいな花が‥と驚いた。江戸時代に園芸種として入ったものが野生化したようだが琵琶湖岸には普通にある。

このような淡い色のものもある。

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キキョウソウ(キキョウ科)

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この花もマツヨイグサと同じく下から徐々に咲き上がっていくので、ダンダンキキョウともいう。

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マツバウンラン(オオバコ科)

芝生などに咲くこの花は気付いている人は多いかと思う。

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新分類体系でオオバコ科になっている。わけがわからない。

マメグンバイナズナアブラナ科

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コバンソウ(イネ科)

この植物は群生する

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アメリカネナシカズラヒルガオ科)

発芽時には根があるが、すぐに他の植物に絡みついて寄生する

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ツボミオオバコ(オオバコ科)

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ドクゼリ(セリ科)

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食用のセリよりはずいぶんと大きいので一度見れば間違うことはない

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ヒルガオヒルガオ科)

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こちらは一般のヒルガオ

タチスズシロソウ(アブラナ科

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この野草こそ言われないと見落としてしまうような細い目立たぬ植物だが、貴重な絶滅危惧種である。ごく限られた海岸や湖岸に見られる。

 

 

初夏の湖岸

5月の下旬になると、琵琶湖岸では一斉に初夏の花々が咲き出す。マツヨイグサは湖岸のいたるところで見られるが、今津浜にはかなりの規模の群生が現れ、湖岸一面が黄橙色になる。それと同時にハマヒルガオが岸辺を覆い、淡桃色の絨毯(じゅうたん)が色を添える。ここの群生はほとんどの人は知らないと思う。

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大正12年の牧野富太郎の文章です。

『夕方にたくさん咲いた様は、あたかも月華の流るるがごとし…(中略)花が開
き、かつ香りを漂わせば(中略)蛾が得意げに花間を飛び回り駆け回り、出雲の
神様の役目をつとめ、一場所で何十組の結婚が行われ、これが毎晩続くのであ
る。おめでたいことである。そしてこの媒酌者へのお礼はあらかじめ備えられた
る花中の蜜だ。さあ、それからできることできること、その子(種子)がウヨウ
ヨと育ち、日ならずしてその家(果実)から生まれ出て地上へ散落する…」「明
治17、8年ごろには東京ではただわずかに品川辺の鉄道の土手に少々あったくら
いであったが、今は日本国中に広まり諸所で見受けるようになった…』

夜咲き植物…という言い方しかないのかと思うが、夕方に蛍光とも思える黄色に咲き出して翌朝に(昼頃までは咲いている)橙色になって萎む。それを一花づつ繰り返して上に登っていく。

マツヨイグサアカバナ科

ツキミソウ

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同じ仲間にオオマツヨイグサ•アレチマツヨイグサ•メマツヨイグサコマツヨイグサなどがあるが、マツヨイグサコマツヨイグサ以外はあまり花が橙色にならない。最近はヒルザキツキミソウアカバナユウゲショウもよく見るようになった。

ハマヒルガオヒルガオ科)

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本来は海岸の砂浜に群生する海浜植物だが琵琶湖岸には分布するf:id:Jiroviolet:20170607081819j:image

他のヒルガオと異なり葉は腎円形f:id:Jiroviolet:20170607081835j:image

初夏の湖岸Ⅱに続く…

 

 

 

 

余呉湖畔散策

琵琶湖の北にある周囲7㎞の余呉湖は鏡湖とも呼ばれ湖面が穏やかなことが多い。賤ケ岳合戦の舞台であり、天女の羽衣伝説の伝わる静かな湖である。ちょうど初夏の花が咲いていたが、蔓性の植物の花が多く目についた。

余呉湖南端より北方向

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ウツギ(アジサイ科)

いたるところウツギ真っ盛りである

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ムラサキツメクサマメ科

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イモカタバミカタバミ科

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ヒメコウゾ(クワ科)

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コアジサイアジサイ科)

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テイカカズラキョウチクトウ科

キョウチクトウの花を見た人は納得する

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 ヒシ(ヒシ科)

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 デワノタツナミソウ(シソ科)

ホクリクタツナミソウの可能性あり

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ヤマツツジツツジ科)

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サワグルミ(クルミ科)

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オニグルミ(クルミ科)

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サワグルミとノキシノブ

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新羅崎の森

シイノキが多い

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菊石姫伝説の蛇の枕石

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ヒルガオヒルガオ科)

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アサツキ(ヒガンバナ科

新分類体系でヒガンバナ科になっている

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天女の羽衣伝説の柳

アカメヤナギ(ヤナギ科)

余呉湖周辺は伝説が多い

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スイカズラスイカズラ科)

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ナヨクサフジ

10年ほど前か、山中の集落近くの川の土手で初めてこのクサフジを見て以来、好きな野草の一つである。ヨーロッパからの帰化種でなんということもない野草だが、この周辺ではどこにでもあるというものではなかった。ナヨというのは弱、つまり弱草藤らしいが、穏やかな感じは受ける。

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こちらがクサフジ

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